【2020年問題とは?】住宅/IT/教育/医療に及ぼす影響を徹底解説!

みなさま2020年問題とは、ご存知でしょうか。住宅やIT、教育、医療・介護分野などで大きな問題が発生し、日本全体で大きな問題が多発するという予測です。都市部の人口減少により住宅価格が急落したり、空き家の問題の深刻化、AIやロボットなどにより仕事な無くなる一方IT技術者の不足、大学入試や学校教育での教育改革の実行、医療費の増大により公的医療制度崩壊の危機、など、例を挙げると切りがありません。

2020年問題:住宅

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住宅の2020年問題とはご存知でしょうか。住宅業界では2020年前後にマンション価格が急落すると言われています。これを一部の住宅業界関係者は「マンション2020年問題」と呼んでいるのです。

東京オリンピックと消費税導入前需要(住宅2020年問題)

2020年には東京オリンピックがありますが、理由はそれだけではありません。マンション価格は2013年以降上昇を続けています。不動産バブルとまではいきませんが、リーマンショックと東日本大震災以降、上昇傾向にあるのは明らかです。東京オリンピックによる需要や、金融緩和政策、消費税増税前需要など、幾つかの要因が重なって住宅価格の上昇が続いているのです。執筆時点で2019年10月予定の消費税10%、2020年夏の東京オリンピックと今までの上昇の要因が消失してしまいます。これにより今までの高騰が終焉し、2020年前後にマンション価格が暴落すると言われているのです。

都市部での人口減少(住宅2020年問題)

日本人口は2010年のピークを境に減少し始めています。都市部についてはまだ減少していませんが、2020年以降人口減少が本格化するとみられているのです。現在も湾岸エリアなどでタワーマンションが乱立してマンション価格の上昇が続いていますが、この傾向はそのまま続くとは考えてよいのでしょうか。また、現在も問題視されている空き家率の増加の問題もあります。このような中、2020年前後を契機に海外の投資家が一斉にマンションを手放すことも容易に想像できるのです。

省エネ基準の義務化(住宅2020年問題)

これまでも省エネ基準はあるのですが、2020年に省エネ基準の適用が義務化されます。現在は努力義務ですが、2020年以降の新築住宅については、省エネ基準をクリアしないと建築することができません。一般住宅について、新しい省エネ基準に適合した住宅を建築するには、コストが5%程度増加すると言われているのです。

このように住宅関連では、2020年前後に大きな変革があります。東京オリンピックにより建築需要の終焉、消費増税導入前需要の終了、都市部での人口減少の本格化、省エネ基準適用の義務化など、多くの問題が重なりあって発生するのです。住宅に関する2020年問題は必ず起こると代言しても言い過ぎではないかもしれません。

2020年問題:IT

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IT分野での2020年とは、どんな内容でしょうか。以前2000年問題というものがありました。1990年代から2000年になって急に全世界のコンピューターシステムが動作しなくなってしまうのではという問題でしたが、最近IT分野では2020年問題が囁かれているのです。

IT技術者不足(IT2020年問題)

現在のマイナンバー導入などのための大規模システム構築が次々と行われ、ITに関する人材不足が始まっています。その後、AIやIoTの進展などで、ITの人材不足はさらに深刻化すると予測されています。日本に人口減少や高齢化の進展により、労働人口不足の深刻化は、早めに始まっています。経済産業省の統計では、日本のIT人材不足に関して、2016年に17万人不足していたIT技術者の不足が、2020年にはその倍の約37万人になるとのことです。現代の社会では、ITなどのデジタル機器は私たちの生活になくてはならないものになっています。IT技術者不足により、大規模プロジェクトの遅延だけでなく、ITシステムの大規模の停止などが発生することも考えられるのです。

AIによって仕事がなくなる(IT2020年問題)

最近、雑誌やネットの記事でAI(人口知能)によって無くなる仕事ランキングなどがよく書かれています。急速なAIやロボット化によって我々人間の仕事が奪われるという内容です。AIの進化は、ディープラーニング(深層学習)という手法の進化が目覚ましく、大量の学習データを与えることでコンピューターが自ら学習し更に賢くなるというものです。学者の中には2045年に、コンピューターの能力が人間を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が来ると予言している人がいます。実際にシンギュラリティが起こるかどうかはわかりませんが、2020年以降AIやロボットにより従来の仕事がなくなっていくことは確かです。この変革のことを、第4次産業革命という場合もあり、とにかく変革が起こっていくのは明らかなのです。

2020年問題:教育

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教育の分野でも2020年に変革が起こります。教育分野での2020年とは、どんな内容でしょうか。現在センター試験が中心である大学入試制度が2020年から大きく変わるのです。また学習指導要領や英語教育も変わっていきます。

大学入試制度が変わる(教育2020年問題)

これまで大学の受験生が一番多く受験している「大学入試センター試験」が廃止され、新しい「高等学校基礎学力テスト」「大学入学希望者学力評価テスト」などになります。幾つもテストがあって複雑なので、それぞれの試験について説明します。 ・「高等学校基礎学力テスト(仮称)」 「高等学校基礎学力テスト」は、高等学校で身につけるべき学力の到達度を確認するテストです。現在予定されているテストの特徴は、「国語、数学、英語での実施」「基礎学力の底上げに焦点を当てて出題」「知識・技能を問う問題が中心」「CBT(Computer Based Testing)方式での受験」「正誤式や多肢選択式など多様な出題形式」「高校2年生と高校3年生が対象」「年2回の任意受験が可能」となっています。高校2年生からがこのテスト対象ですので、2019年の高校2年生が初めて受験可能になります。 ・「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」 今までのセンター試験に近い内容になるのが、「大学入学希望者学力評価テスト」になります。このテストでは、今までの知識・技能を問う問題から、「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題になります。これもCBT方式での受験になりますが、記述など回答する問題もあるとのことです。また、従来のセンター試験は年1回一月に決まっていましたが、複数回の受験が可能になるとのことです。また、このテストでは、従来の教科ごとの試験ではなく、「合教科」「科目型」「総合型」という試験が実施されるようになります。これらは、色々な教科の内容が総合的に出題されるようになるということで、単に暗記だけでは回答できない総合的な学力が問われる出題となっているのです。 ・「各大学の個別試験」 センター試験の変化について説明してきましたが、個別試験の内容も大きく変わります。小論文やプレゼンテーションなど、より実践的な内容に変わるのです。

新学習指導要領の導入(教育2020年問題)

2020年から新学習指導要領により、学校教育が変わっていきます。これまでは、「知識」「技能」中心であった教育が、「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」教育に変わっていくのです。そして、「主体的、対話的で深い学び」(=アクティブ・ラーニング)を取り入りた授業が実施されます。学校教育での教科や科目構成・内容が新しくなるのです。小学校での英語教育や高校での新設科目など、教育が大きく変わっていくのです。

英語教育の改革(教育2020年問題)

英語教育の改革とのどのような内容でしょうか。グローバル化の進展により、学校での英語教育が変わるのです。小学3・4年生で外国語活動の授業が開始され、小学5・6年生では英語の授業が実施されます。中学・高校の授業は英語で行うことが必修となり、大学入試では、聞く、話す、読む、書くという4技能を問う問題が出題されます。英語教育も大きく様変わりすることになるのです。

2020年問題:医療・介護

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医療分野での2020年とは、どんな問題が発生するのでしょうか。医療分野でも2020年以降、色々な問題が生じてくるのです。また2025年にも大きな問題があると言われています。

医療費の増大(医療・介護2020年問題)

2025年に日本の公的医療保険制度は大きな転換点を迎えると言われています。この年に団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者医療制度に加入することになるのです。現在、高齢者を中心とした医療費は、認知症や介護、医療の高度化による医療費の高額化により、年々増加しています。また、公的医療保険だけでなく、公的介護保険での費用も75歳頃から増加するのです。公的医療保険では、これまでも保険料の引き上げなどを行ってきましたが、このような医療費の急増に制度自体が持ちこたえられるのか、ということが問題になっているのです。

人材不足(医療・介護2020年問題)

医療分野での人材不足が深刻化していきます。人口減少、労働人口減少などで全体の労働者が減少していきます。加えて、高齢者の増加などにより、認知症などで介護が必要な人が増加し、そのための要員も必要になってくるのです。厚生労働省では、2025年には介護職員が約38万人不足するという推計を発表しました。これは、相当な数です。現在介護分野でロボットの活用も検討されていますが、介護職員の代替をすることは不可能です。前で説明した医療費用や介護費用の増加の大きな問題となっていますので、介護職員確保のための報酬増も容易にはできないのです。また、厚生労働省の推計では、この介護職員不足は、地方よりも東京などの大都市圏で深刻化すると予測されているのです。

2020年問題とは:まとめ 

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これまで日本の様々な分野で起こる2020年問題について説明してきました。2020年問題とは、どのようなことが発生するのか、ご理解いただけましたでしょうか。住宅やIT、教育、医療・介護などの複数の分野で深刻な危機が訪れるのです。マンションなどの住宅価格の高騰、空き家問題、人口減少の本格化、教育の変化、医療介護の問題は深刻です。1つだけでも大変は危機なのに、複数まとめて発生するとは、日本はいったいどうなってしまうのでしょうか。こんなに多くの問題が東京オリンピック後に同時に起こることで、日本は本当にヤバイ状態になってしまうかもしれないのです。しかし、現実に目を背けていることはできません。これまで経験したことのない最大の危機である2020年問題は、日本人全員が真剣に考えていかなければならない大きな問題なのです。