理学療法士の年収について調査!

理学療法士は「座る、立つ、歩く」の動作を回復させるリハビリの専門家

理学療法士(Physical Therapist=PT)は、国家資格を持つリハビリの専門職です。ケガや病気による後遺症や障害のある方が、基本的動作(座る、立つ、歩く)を回復できるよう運動やマッサージでリハビリをサポートします。 理学療法士と並ぶリハビリ専門職には、心身に障害がある人の生活動作(着替え、料理など)の回復をサポートする作業療法士(Occupational Therapist=OT)や話す、聞く、食べることが困難な人にリハビリを行う言語聴覚士(Speech-language-hearing Therapist=ST)があります。

30歳前後の平均年収350万円

理学療法士の平均年収は、平均年齢31.3歳で約358万円です。(厚生労働省のホームページで公表されている「平成26年賃金構造基本統計調査(全国)」による) この金額は、一般的な給与所得者の平均年収(415万円)より低め。理学療法者は平均年齢が若く、勤続年数が浅い点も特徴です。これは1999年の制度改革によって養成校が急増し、有資格者が急激に増えたことが影響しています。詳しくは後のコラム『将来的には理学療法士が飽和状態になるかも』をご覧ください。 では、理学療法士の年収は、リハビリ専門職の中ではどのくらいのランクなのでしょう? 人事院のホームページで公表された「平成26年職種別民間給与実態調査」を参照すると、他の医療系資格職との年収が比較できます。看護師などの医療職の中では年収が低めです。

初年度の年収は専門卒の常勤で280~300万円

理学療法士の初任給は、施設の種類や地域格差などにより多少の変動がありますが、専門卒で平均月収23.5万円です。年収にすると初年度は280~300万円となります。3年制養成校の卒業生は短大卒業生と同程度。4年制養成校の卒業生は、原則として4年制大学に準じるという施設が多いようです。

管理職が増える40代後半ぐらいから収入アップ率が高くなる

作業療法士を比較すると、理学療法士は管理職としての仕事が増える40代後半以降の収入の伸び率が高くなっています。また、理学療法士は国家資格となるため収入面での男女差はそれほど大きくないようです。

細かな福利厚生も年収に影響する

年収に影響するものはほかにもあります。転職の際は年収だけではなく各種の社会保険の整備や福利厚生の内容もチェックしましょう。 細かいことですが衛生面や利用者へのイメージを考えると、白衣や靴は清潔なものを用意しなくてはいけません。白衣の貸与やクリーニングなど長い目で見れば負担となるため補助の確認をしておくのがベターです。 また、理学療法士にとって新しい技術や知識の学習や研修は不可欠です。事業主が講習会や研修への参加を公費出張として支援してくれることも優れた待遇といえるでしょう。

施設別に見る年収の特徴

初任給が低いが、昇給率が高い。私立の施設は逆! 国・公立施設の初任給は私立の施設に比べて低く設定されていますが、のちの昇給率は高い傾向にあります。これに対して私立の施設では、初任給は高めに設定されていますが、国・公立施設に比べて昇給率は低い傾向にあります。個人経営の整形外科医院などは、年収が低めの傾向に。このことを考慮し長期的な視点で転職先を選ぶとよいでしょう。 また、理学療法士は平均年齢が31.3歳と若いことから、先輩が年下となる40代以降の転職は精神面でも負担が多くなるかもしれません。リハビリの仕事は体力面での負担が多いので高年齢になると体力的に厳しくなるのも事実です。 とはいえ、どちらも本人のやる気とガッツ次第で乗り越えられるポイントでしょう。

アメリカでは能力次第で独立開業も可能

海外には、医師の指示や処方がなくても理学療法士が患者の診察を行える国があります。なかでも、アメリカは理学療法士の開業が法的に認められており、能力しだいでは独立開業も可能です。 ただし、その国に応じた資格取得、雇用形態や待遇は大きく異なりますので、事前に十分な情報取集が必要です。

まとめ

理学療法士の年収は、平均年齢31歳、勤続年数5年弱で平均389万円です。他の医療系資格職と比較すると必ずしも高収入とはいえないかもしれませんが、仕事へのやりがいを感じられる仕事です。 超高齢化社会の到来によって、医療だけではなく福祉の現場でも理学療法士が求められています。一方、資格取得者が増えている状況から考えると、今後も一生続けるためには常に最新の医療情報の勉強など、スペシャリストとしての知識と経験が求められます。