自己都合でも損しない失業保険の受け取り方

退職は、「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類に分けられます。どちらに該当するかで、受給できる失業保険の金額や期間は変わってきます。 まずは、失業保険の趣旨や、自己都合退職と会社都合退職との違いなど失業保険受給の前提となる基本事項を知っておきましょう。

失業保険は求職者を支えるための手当

失業保険とは、仕事をやめた人に対し政府から一定期間支給されるお金のことで、正式には「雇用保険の基本手当」と言います。その目的は、失業者が生活を心配しないで求職活動に専念できるよう支援すること。 原則、もう一度働くことを希望している人にだけ支給され、働く意思のない人や専業主婦になる人、起業を予定している人は対象外となります。

「特定理由離職者」は優遇される

自己都合退職を行った退職者のことを総称して、一般受給資格者と言います。一般受給資格者は、政府が定めた正当な理由で自己都合退職を行ったと認められれば、「特定理由離職者」となり、いくつかの優遇措置を受けられるようになります。 特定理由離職者と認められる正当な理由としては、以下のものが挙げられます。 特定理由離職者と認められる正当な理由 <1>契約社員などで有期の雇用契約が満了し、希望しても更新されなかった <2>病気や心身の障害など健康状態が悪化した <3>妊娠・出産・育児などのために離職し、かつ受給期間延長措置(受給期間を最長3年間延長できる雇用保険法上の手続き)を受けた <4>両親の死亡や介護等、家庭の事情が急変した <5>配偶者や親族との別居を続けることが困難になった <6>結婚や事業所の移転などの理由により通勤が困難になった <7>会社からの勧奨があった場合には該当しないが、人員整理等による希望退職者の募集に応募した 上記の理由に自分が当てはまる場合は、ハローワークで「求職の申し込み」を行う際、その旨を担当者に伝えましょう。また、提出書類に正しい理由が記載されているか、確認しておくことも大切です。

いくらもらえる?自己都合退職の失業保険

条件、金額、受給期間など、失業保険を受給するために知っておきたい基本知識を紹介します。自身のステータスと照らし合わせて、どれだけの期間どれだけの金額を受け取ることができるのか、確認してみましょう。

失業保険を受け取るための3つの条件

自己都合の場合、失業保険を受け取るためには、原則として以下の3つの条件を満たさなければなりません。 <1>本人に就職する意思と能力がある <2>積極的に就職活動を行っているが就職できていない <3>離職日からさかのぼった2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある 被保険者期間とは、働いた日数が11日以上ある月のことです。例えば退職した日が5/15であれば、そこからさかのぼった4/15までを1ヶ月とします。その間に11日以上働いた日があれば、被保険者期間は1ヶ月分カウントされます。下図では、3/15~4/15は出勤日数が10日しかないので、1ヶ月分とはカウントされません。

自己都合は会社都合より不利?

自己都合退職と会社都合退職では、受け取れる失業保険の内容に大きな違いがあります。 違いを以下の表にまとめました。 【自己都合退職・会社都合退職のときの失業保険の内容】 自己都合退職と会社都合退職の失業保険の内容 基本的には自己都合退職の方が会社都合退職よりも、受給できる失業保険の内容が不利になります。最大支給額・給付日数ともに少なく、支給開始日まで3ヶ月も長く待たなければなりません。そのため、失業保険受給という観点から見れば、会社都合で退職する方が有利でしょう。

雇用保険被保険者証を確認する

雇用保険被保険者証は、文字通り雇用保険の被保険者であることを証明する書類で、失業保険の受け取り手続きで必要な場合があります。 多くの場合は会社が預かっていますが、本人に配布されている場合もあります。なくしてしまった場合は、居住地を管轄するハローワークで再発行の申し込みを行いましょう。 会社で保管されている場合は、退職と同時に郵便などで自宅に送付してもらえます。

離職票をいつ受け取れるのか確認する

離職票は、失業保険の受け取り手続きで必ず必要になります。受け取れるタイミングを、あらかじめ会社に問い合わせておきましょう。通常は、退職後10日以内に自宅に郵送されることになります。事前に確認することで、郵送の後回しや遅れを防ぐことができるでしょう。 離職票には2つの種類があり、離職票1には雇用保険の加入者情報と失業保険の振込先口座が記入されます。また、離職票2には退職する直前6ヶ月の給与や退職理由などが記入されます。いずれも失業保険受給の手続きや受給金額の算定に必要なため、確実に受け取れるよう注意しましょう。

離職票を確認する

離職票1で注意すべきポイントは以下の3点です。 (A)資格取得年月日 (B)離職年月日 (C)喪失原因 (A)(B)は給付日数や受給金額などの受給内容を、(C)は自己都合か会社都合かを左右します。受給条件が不利にならないよう、間違っていないか必ず確認してください。

離職票2で注意すべきポイント

離職票2で注意すべきポイントは以下の3点です。 (A)離職日以前の賃金支払い状況 (B)離職理由 (C)具体的事情記入欄 こちらも受給内容や、退職の種別に大きく関わります。(A)では基礎日数(基本給が支払われた日数)と期間について、(B)(C)では退職理由が会社の都合の良いものにされていないかについて、特に気を付けましょう。

ハローワークで「求職の申し込み」を行う

居住地を管轄するハローワークで「求職の申し込み」を行います。申し込み日に合わせて今後定期的に訪れる失業認定日の曜日が決められるため、通いやすい曜日を選びましょう。 必要な書類は、以下の7点です。 ハローワークでの手続きの際、準備すべきもの ・雇用保険被保険者証 ・離職票1 ・離職票2 ・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど) ・印鑑 ・写真2枚(直近3ヶ月以内・縦3.0cm×横2.5cm) ・本人名義の普通預金通帳(郵便局も含む)

まとめ

失業保険を損せず受け取るために知っておくべき基礎知識とノウハウを、まとめてご紹介しました。 自己都合退職を考えている方や損せず失業保険を受け取りたい方は、この記事を参考にしてみてください。