【自衛隊の給料】気になる階級別の自衛隊の給料を調べてみた!

キャリア/就活
 

自衛隊の給料は階級や勤続年数、仕事の内容などで大きく変わってきます。それらが絡み合って決まるので、若い幹部が年上の先輩自衛官より高給の場合もあれば、逆に、階級の低い一般自衛官の給料が若い幹部よりも高い場合もあります。勤務地や職種も給料に影響します。 それらはすべて法律で決まっていますので、民間のように上司や人事の判断で、勝手に増減させることは出来ません。そういう意味では明快ですが、算出の元になる法律が複雑なので、一般的に「自衛官の給料は幾ら」と言えない部分があります。また他の公務員のようにモデルケースが積極的に公開されているわけでもありません。

給料の基本的な算出の方法

自衛隊の給料は、大きくふたつの要素で決定されます。まず、同じ階級の中でも勤続年数によって少しずつ給料が増えていきます。これは「俸給表」というもので決められており、民間企業でのベースアップに当たるものです。次に階級を上がることで給料が増えます。民間企業での役職手当に当たるものです。 自衛隊では、このふたつが組み合わさることで、◯◯階級の◯◯ランクというレベルが決まり、基準となる月収額が導かれます。ここに、同じく民間同様、各種の手当やボーナスなどが加わって、最終的な年収額が決まることになります。

自衛隊の給料の特長

 

学歴、性別、陸上・海上・航空は関係ない

民間企業では大卒と高卒で賃金カーブが異なることが一般的ですが、自衛隊にはそのような区別はありません。
最終学歴を理由に給料に差が出ることはなく、男女で給料が変わることもないので、誰にでもチャンスがあると言えます。
自衛隊での給料を決めるのは、あくまで勤続年数や能力評価によって増えていくベースアップ(俸給表)と、階級による昇給です。基本的に降格や減給もありません。
また、陸上、海上、航空での各自衛隊による差異もありません。階級の名称だけは陸上、海上、航空で異なりますが、階級のレベル自体は陸上、海上、航空で統一されており、横並びで給与額が決定出来るようになっています。

自衛隊での給料に差が付くのは「入隊区分」

自衛隊では最終学歴は関係ありません。その代わり「入隊区分」によって収入に差が出てきます。

入隊区分とは、どのようなコースで自衛隊に入ったかを指すものです。 自衛隊の入隊コースには細かく分けるといろいろありますが、大きく分けると「自衛官候補生・一般曹候補生・一般幹部候補生・防衛大学校卒者」の4つになります。

この中で一般幹部候補生を防衛大学校卒者の2つが、自衛隊で給料が高くなる入隊区分になります。それは自衛官になった時点で、高い階級からスタート出来るからです。いわゆる初任給が高いため、その後の昇給スピードが同じであれば、高い給料や年収を維持出来るということになります。

自衛隊の給料アップのペースやボーナスなど

民間企業では4月の年度初めに合わせて給与の改定や昇進が決まる事が多いのですが、自衛隊では、年に一度、1月1日に昇給の決定が行われます。自衛隊での昇給は普段の勤務の状況に応じて決定され、階級の昇進も同時に行われます。 また年収に影響を与えるボーナスも、民間同様に支給されます。「勤勉手当」と「期末手当」が年2回支給されます。業績に左右される民間と違い、自衛隊ではボーナスの金額が大幅に額が減ったり、支給が中止されることはありません。国家公務員として、非常に安定した年収を得られる職場であると言えるでしょう。

自衛隊の給料では手当も大きい

自衛隊では危険な任務も多いため、民間以上に様々な手当があります。またその金額も大きいものが多いため、基本給だけでは年収を推測することが困難です。 例えば南スーダンPKOに派遣された陸上自衛隊の場合、「国際平和協力手当」として1日16,000円、「駆けつけ警護」が発生した場合は1回の出動につき約7,000円の特別手当が発生します。また同じく陸上自衛隊でもヘリコプターのパイロットには基本給の6割程度の手当がつくなど、自衛隊での年収には手当が関わる比率が大きいと言えます。

勤務年数による自衛隊の昇給

 

毎年上がっていく「号俸」

自衛隊では毎年一回、昇給があります。その中で、階級による昇給は昇進しないと得られませんが、勤続年数によるベースアップは、毎年受けることが出来ます。
この給与アップは「号俸」と言われ、法律で定められています。その金額は「俸給表」という表で細かく規定がされています。号俸のステップ数は階級によって異なり、新入社員に当たる2士は9段階ですが、現場トップに当たる曹長では、145段階もの細かさで規定がされ、これが年収を決める大きな要素となります。 号俸は階級単位で設定されているので、階級を上がると、その階級での号俸にリセットされます。

号俸のアップ数は成績で変わっていく

ベースアップに当たる号俸は俸給表でステップが規定されていますが、毎年1つずつ上がっていくものではなく、基本的には「4つ」ずつ上がります。
さらに、普段の成績が優秀であれば、「6つ」や「8つ」上がる場合もあります。

具体的には、全体の5%に当たる優秀な成績者が8つ上げる対象となり、次いで20%の優秀者が6つ上がるように配分されます。逆に前年に懲戒処分を得た場合は、その程度によって、2つ上がるか、上がらないかという処遇となります。こちらは処分の発生次第となるので、特に配分の規定はありません。いずれにしても年収が前年を下回ることは基本的にはありません。

号俸の金額アップ

階級によって差がありますが、俸給表では概ね1500円~2000円程度のステップで規定がされています。
号俸は基本的に「4つ」ずつ上がっていきます。毎年、月収が6000円~8000円程度は自動的に上がっていくことになります。成績優秀者の場合は、9000円〜最大16000円程度のアップです。 これを年収に換算すると7万〜20万円程度、毎年の給料が上がって行くことになります。ただし号数が上がって行くとその伸びは小さくなり、それよりも階級を上げた方が年収に反映されます。

階級による自衛隊の昇給

 

自衛隊の階級

自衛官の年収は階級と年功で決まりますが、大きく差が付くのは階級です。階級を大きく分けると、現場を担う下士官と、指令を行う幹部に分かれます。それぞれに階級名が付与され、大きくは5つのレベルに分かれます。
階級の高い順に並べると、 将官、将補 1佐、2佐、3佐 1尉、2尉、3尉、准尉 曹長、1曹、2曹、3曹 士長、1士、2士 となり、計16の階級が存在します。
この下に見習い的な位置付けの「自衛官候補生」がありますが、通常は「2士」からスタートするのが自衛官のキャリアです。 「士」は民間企業で言えば役職のない若手社員、「曹」が係長や課長、「尉」が部長、「佐」が事業部長や支社長、「将」が本社の取締役などにあたります。

この階級が年収に差を付ける要素となります。 実際の自衛隊では曹長が現場のトップ、准尉が現場から幹部に上がる中間となり、ここから試験を受けて更に上位を目指すことになります。

自衛隊の階級ごとの年収(基本給)

自衛隊の給料は、勤続年数や普段の評価で次第に差が出てきますが、基本給について、年収に換算すると概ね下記のように算出されます。ここでは陸上自衛隊の例で見てみましょう。

陸上自衛隊では士階級として、2等陸士、1等陸士、陸士長の3つの階級があります。2等陸士で入隊すると概ね2年程度で陸士長にまで昇進できます。
2等陸士:192万円~204万円
1等陸士:216万円~228万円
陸士長:204万円~288万円

陸上自衛隊では曹階級として、陸曹長、1等陸曹、2等陸曹、3等陸曹の4つの階級があります。2等陸士で入隊した場合、まずは陸曹長を目指すのが一般的です。
3等陸曹:228万円~372万円
2等陸曹:252万円~468万円
1等陸曹:264万円~504万円
陸曹長:264万円~516万円

陸上自衛隊では尉階級として、准陸尉、3等陸尉、2等陸尉、1等陸尉の4つの階級があります。防衛大学校卒者と一般幹部候補生入隊の自衛官は、3等陸尉からのキャリアとなります。その場合、30歳頃には1等陸尉に到達します。
准陸尉:264万円~528万円
3等陸尉:276万円~528万円
2等陸尉:300万円~540万円
1等陸尉:324万円~552万円

陸上自衛隊では佐階級として、3等陸佐、2等陸佐、1等陸佐の3つの階級があります。現場からの叩き上げの場合、概ね上限は3等陸佐となり、防衛大学校卒者と一般幹部候補生の場合は多くが2等陸佐か1等陸佐となります。
3等陸佐:384万円~576万円
2等陸佐:420万円~600万円
1等陸佐:480万円~672万円

陸上自衛隊では将階級として、陸将補、陸将の2つの階級があります。
陸将補:624万円~1092万円
陸将:864万円~1440万円

自衛官の給料のモデルケース

 

以上に上げたものは年収のうちの基本給です。実際に手当やボーナスを踏まえた自衛官の年収がどれだけあるか、防衛庁が公表している資料は非常に少ないのですが、2009年に作られた資料を見ると、下記のようになっています。

一般の自衛官(士長、20歳、独身):3,051,000円
一般の自衛官(3曹、35歳、配偶者、子1人):5,208,000円
中隊長(3佐、45歳、配偶者、子2人):7,670,000円
幕僚監部課長(1佐、47歳、配偶者、子2人):12,482,000円
方面総監(将):18,831,000円 統合幕僚長(将):22,935,000円

基本給に比べても、かなり多くなっていることが分かります。これはボーナスと手当によるもので、特に配偶者や子供がいる場合には手厚くなっています。

自衛官の給料は安定が魅力

 

いかがだったでしょうか?自衛官の年収は、基本給以外の要素が大きく、部隊の環境によっても変わってきますが、他の公務員の給料をベースとしているため、年収金額が大きく異なるということはありません。安定した年収が定年まで保証されることも民間にはないメリットです。反面、例えば陸上自衛隊では災害救助や不発弾処理など危険な任務もありますが、それらに対する手当もありますので、就職先や配偶者に自衛隊を考える時の参考にして下さい。