【フリーランス1年目】で気をつける確定申告・税金の支払い対応をご紹介

そもそも確定申告とは「所得税で支払うべき税金額を決める申告」のこと。1月から12月までの1年間の収入と支出を計算し、翌年の2月16日~3月15日の期間に、所得に応じた納めるべき税金を申告します。所得税は収入全体ではなく、経費や控除を差し引いた所得に対して税金が課されます。この税金の対象となる所得を計算するためにも確定申告が必要になります。 会社員であれば経理担当が所得を計算し、給料から源泉徴収することで税金を支払ってくれますが、フリーランスになれば自分で確定申告して所得税を納めなければなりません。

フリーランスで確定申告が必要なのはどんな場合?

所得が38万円以上の場合は確定申告が必要になります。38万円というのは、働く人ならすべて控除される基礎控除の金額。年収から経費と基礎控除の38万円を差し引いて、38万円以下であれば確定申告の必要はありません。 しかし、所得が38万円以下であっても事業で赤字が出た場合は確定申告をすることをおすすめします。税金が戻ってくる環付を受けられる可能性があり、住民税で考慮してもらえるため税金面で得することができます。

確定申告の必要があるフリーランスが申告しないとどうなるか?

納税は国民の義務です。確定申告する必要があるのに、意図的に提出しなかったり確定申告を忘れてしまったりしていると、本来払うべき税金に加えて追加で徴税されるという大きなペナルティを課されることになります。 追徴課税は50万円までは15%、50万円以上は20%ですが、税務署によって隠ぺいと判断された場合は重加算税の40%が課されます。また、本来支払うべきだった税金に対して延滞税も課されます。納期限の2カ月までは年7.3%、2か月以上経てば14.6%の税率が課されてしまいます。 税務署をだますことはできません。しっかりと節税対策をした上で確定申告して、正しく税金を納めましょう。

フリーランスの確定申告に必要な所得を計算する方法

所得は以下の計算式で算出します。 総収入額―(必要経費+基礎控除38万円+各種所得控除+青色申告特別控除など)=所得 基礎控除以外の所得控除には以下の種類があります。これらを申請すれば、年収から控除額が差し引かれるため所得が低くなり、所得税が安くなります。 配偶者控除:所得38万円以下(給与所得者であれば年収103万円以下)の配偶者がいる人 配偶者特別控除:所得38万円以上、76万円以下の配偶者がいる人 扶養控除:所得38万円以下かつ16歳以上の親族を扶養している人 障害者控除:障害者または障害者を扶養している人 寡婦・寡夫控除:寡婦または寡夫である人 勤労学生控除:勤労学生である人 雑損控除:災害や盗難、横領などで個人資産に損害を受けた人 医療費控除:医療費が年間10万円以上かかった人 社会保険料控除:社会保険料を納めた人 生命保険料控除:生命保険料を納めた人 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済などの掛金を支払った人 地震保険料控除:地震保険料を納めた人 寄付金控除:ふるさと納税など特定の寄付をした人 所得税は所得額に応じて課されます。以下が所得税の税率です。 195万以下:5% 330万以下:10% 695万以下:20% 900万以下:23% 1800万以下:33% 1800万以上:40% ※年収ではなく所得額なので注意

フリーランスの確定申告には「白色申告」と「青色申告」がある

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。白色申告とは、お小遣い帳のような簡易な帳簿付けで確定申告できるもの。青色申告とは、事前に税務署に届け出て複式簿記もしくは単式簿記での帳簿が必要な代わりに、節税効果が大きいものです。青色申告の帳簿付けは簿記の知識が必要になる複雑なものですが、専門知識がなくても帳簿付けができる確定申告ソフトが販売されているので、それを活用すればさほど難しいものではありません。 所得が少ないフリーランス1年目は白色申告でも問題ないですが、所得が増えれば青色申告に切り替えた方が納める税金が少なくなるため節税のためにもおすすめです。 白色申告のメリット・デメリット ◆白色申告のメリット ・事前の届出が必要ない ・単式簿記で帳簿付けが簡単 ・確定申告時の提出書類が少ない ◆白色申告のデメリット ・特別控除がなく節税効果が低い 青色申告のメリット・デメリット ◆青色申告のメリット ・青色申告特別控除が最大65万円受けられる(簡易帳簿の場合は最大10万円) ・減価償却を1年で300万円まで一括計上できる ・赤字を3年間繰り越して黒字と相殺できる ・貸倒配当金を利用できる ・家族従業員の給与を経費に計上できる ・家事按分を利用できる ◆青色申告のデメリット ・事前に届出が必要 ・複式簿記の帳簿付けに手間がかかる ・確定申告時の提出書類が多い

フリーランスの帳簿のつけ方

白色申告であっても青色申告であっても、売上や利益を記録した帳簿を付けなければなりません。日々の取引を帳簿に記録することを「記帳」といい、以下の2種類があります。 ◆単式簿記 1種類から5種類程度の帳簿に記帳する方法。収入と支出を1つの科目に絞り記帳するので、会計に関する専門知識がなくても簡単に記帳することが可能。その代わり節税効果が低く、白色申告もしくは青色申告の10万円控除で用いられます。 ◆複式簿記 7種類程度の帳簿に記帳する方法。精度が高く細かい帳簿付けが必要になるため、簿記の知識が求められます。しかし、確定申告ソフトを活用すれば高度な専門知識は必要なく記帳することができます。青色申告特別控除の65万円を受けることができるため、高い節税効果を発揮します。 帳簿作成は以下の流れで行います。 1.通帳や領収書の整理 現金で支払った領収書は「現金出納帳」に、銀行口座を経由して支払った領収書は「預金出納帳」に記帳します。 2.データ入力 エクセルや確定申告ソフトにデータを入力します。現金出納帳と預金出納帳の他に、売上帳、仕入帳、振替伝票などに記帳する必要があります。確定申告直前に膨大な作業を発生させないためにも、最低月1回はデータ入力することをおすすめします。 3.売上管理 クライアントごとに販売管理を行います。商品、クライアント、数量、納期、価格、販売した商品の代金がいつ支払われるか、仕入れた商品の代金をいつ支払うか、を把握します。 4.決算 収支を計算して利益または損失を算出します。税額計算を行う元となります。

フリーランスは確定申告の経費のために領収書を保管しておこう

フリーランスになると経費はすべて自分でコントロールして計上することができます。売り上げを伸ばすことも重要ですが、不必要な経費を減らし必要な経費をしっかりと計上することで、所得税を節税して手取りの金額を増やすことができるのです。 経費を計上する際に必要になるのが「領収書」です。宛名は個人名でなくても問題ありません。「いつ、誰が、誰に、何を」が明記されていれば大丈夫なので、レシートでも経費の証明になります。とりあえず、仕事に関係しそうな領収書類はすべて保管するようにしましょう。 保管は月別にすると確定申告時に処理がしやすくなります。確定申告後に税務署から経費の領収書の提出を求められる場合があるので、めちゃくちゃに保管するのは避けましょう。保管方法に規則はないので、月ごとにファイルや封筒に入れておいたり、ノートにはりつけたりしておくのが一般的な方法です。

フリーランスの仕事で源泉徴収されていた場合の確定申告は?

フリーランスの仕事でもクライアントから源泉徴収されるケースがあります。源泉徴収されるのには、クライアントが従業員を雇っている源泉徴収義務者であること、仕事の内容が源泉徴収対象であることという条件があります。 源泉徴収の対象になるのは以下の仕事になります。 1.原稿料、講演料、デザイン料など 2.弁護士、司法書士、公認会計士などへ払う報酬 3.社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬 4.プロスポーツ選手、モデルなどに支払う報酬 5.芸能人に支払われる報酬 6.コンパニオンへ支払われる報酬 7.専属契約による契約金 8.広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金 デザイン料は紙ものだけでなくWebデザインも対象になりますが、Webサイト構築は源泉徴収の対象となりません。クライアントが源泉徴収した場合、すでに税金を支払っているので確定申告で何もしないと二重に税金を支払ってしまうことになります。そのため、源泉徴収分を環付申告して払い戻ししてもらう必要があります。 ちなみに、源泉徴収の計算方法は以下になります。 支払われる額が100万円以下の場合 支払われる額×10.21% 支払われる額が100万円以上の場合は、 (支払われる額-100万円)×20.42% 税別3,000円の仕事をした場合、源泉徴収額と振込金額は以下のようになります。 3,000円×10.21%=306円(源泉徴収額) 3,000円+240円(消費税)―306円(源泉徴収額)=2,934円(振込金額)

源泉徴収された場合の帳簿のつけ方

クライアントから源泉徴収された場合、帳簿はどのように付ければいいのでしょうか。少しややこしいですが、具体的に見ていきましょう。 ◆納品時 納品時の売上を記録します。売掛金とは、売上はあるけれど今後払われる予定の金額、という意味です。 (売掛金)3,000  (売上)3,000 ◆報酬振込時 報酬が振り込まれたら、普通預金分と源泉徴収分を分けて記帳します。源泉徴収分は「事業主貸」として記帳するルールとなっています。 (普通預金)2,694 (売掛金)2,694円 (事業主貸)306  (売掛金)306

フリーランスが確定申告で節税するために

フリーランスが支払う税金は8種類あります。それぞれの税金の特徴と、節税対策のコツを見ていきましょう。 1.所得税 所得額に応じて課される税金が「所得税」です。所得が多くなればなるほど課税金額が増えていきますので、所得を抑えれば節税対策となります。所得を抑えるのは売上を伸ばしすぎない、という意味ではありません。必要な経費をしっかりと計上し、受けられる控除はしっかりと受けることで、売上から引かれる金額を増やし所得を抑えましょう。 2.住民税 地域によって税率が違う「住民税」は、住民全員が同程度の税金を納める「均等割り」と、所得によって変動する「所得割り」(所得の10%程度)があります。所得割りは扶養人数によって税額が変わります。節税のために、住民税の負担が少なくなる地域に引っ越すことを検討してみてもいいかもしれません。 3.国民健康保険税 会社勤めの人以外のフリーランスが入る国民健康保険です。国民健康保険には控除がないため、単純に節税することは困難なもの。節税のためには、国民健康保険よりも比較的保険料が安い健康保険組合などに加入することもおすすめします。 4.印紙税 例えば1万円の請負契約書では200円、500万円~1,000万円の契約書では1万円の印紙が必要になってきます。印紙は経費に計上できるので、領収書は必ず保管するようにしましょう。 5.消費税 売上が1,000万円以上の場合、消費税を税務署に支払う必要があります。逆に言うと、売上が1,000万円以下のフリーランスは消費税が徴収されません。場合によっては、節税のために売上を1,000万円以内で調整するということも考えられるでしょう。 6.個人事業税 個人事業主の収入が290万円を超えた場合に支払う税金です。290万円を上回った部分の金額に、3~5%の税金がかかります。個人事業税は国税ではなく県税のため、居住する都道府県によって取り扱いが異なります。収入が290万円を超える場合は最寄りの税務署に相談することをおすすめします。 7.固定資産税 持ち家の自宅で仕事をしている場合、仕事に使用している部分の固定資産税を経費として確定申告することが可能です。 8.償却資産税 飲食業の内装、建設業のクレーンなどのように、建物以外で事業に使用する資産は償却資産税が課されます。

フリーランスになったら必ず確定申告しよう!

確定申告は、納税義務を果たすためにも必ず実施しなくてはなりません。所得が38万円以上あるにも関わらず確定申告しなかった場合は、追加で徴税されたりクライアントに税務署から連絡がいったりなど、仕事と生活に大きなダメージを残すことになってしまいます。 正しく節税すれば、所得税も安くなるので確定申告も楽しくなってくるものです。今回紹介した内容を参考にして、フリーランス1年目の確定申告を乗り切ってください。