【ノマドとは】若者を中心に広がる新しい働き方

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1.「ノマド」という働き方

「ノマド(nomad)」の言葉の意味とは、もともとギリシャ語が起源の言葉で「遊牧民」を意味しています。働き方としての「ノマド」の言葉の意味は、「他者の管理を受けることなく、自分の意志や裁量で場所を選ばず自由に働く」というワークスタイルを指します。 オフィスなどの固定で働く場所を持たないワークスタイルから、「遊牧民」のように働く場所を自由に選択するという意味でこの名がつきました。「ノマド」で働く人たちのことを「ノマドワーカー」と呼んだりもします。

2.「ノマド」という働き方が広がりつつある背景とは?

働き方として「ノマド」を選択する人たちが増えてきた背景には、情報化が指数関数的に進んでいる社会と、IT技術の発展や進歩が大きく影響しています。近年の外国人観光客の増加も手伝って、日本でもカフェやホテル、商業施設や公共交通機関などで電源や無線LANでインターネットが手軽に利用できる場所が増加しています。 パソコンやスマートフォンなどのデバイス、そしてインターネットが利用できる環境さえあれば、クラウドにアクセスして業務を遂行したり、誰かとプロジェクトや情報を共有すること、さらにチャットやテレビ電話などで意見交換や会議に参加などもできるため、いつでもどこでも仕事ができる環境が、簡単に見つけられるようになってきているのです。

3.ノマド=フリーランスという意味ではない?

「ノマド」と「フリーランス」を同じ意味だと混同してしまう人がいますが、実は言葉の意味にちょっと違いがあります。「フリーランス」の言葉の意味とは、「特定の組織(企業や団体)に所属せずに、自分の能力やスキルを使って仕事を請け負う働き方」を指します。こちらもノマドと同じく働く場所や時間を自分で考えて、設定・実行できることから「ノマドと同じ意味じゃないの?」と思われる方が多くいます。 実際には「ノマド」の言葉の意味は、実は企業に属している・いないには関わらず「仕事をする場所が決まっていない」ワークスタイルのことを指します。なので「ノマド」で働いている人がいたとしても、必ずしも企業に属していないというわけではなく、企業に勤めているながらも「ノマド」な働き方をしている人もいるのです。「ノマド」とはあくまでも「個人のワークスタイル」を指している言葉ということをご理解いただけたでしょうか?

ノマドで働くメリットとは?

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カフェやコワーキングスペースなど、働く場所を選ばずに仕事ができる「ノマド」。ちょっとやってみたいかも……と興味が出てきた人もいるのではないでしょうか。でも実際にノマドワーカーとして働くと、どんなメリットやデメリットがあるのかはとても気になるところですよね。まずはノマドで働く4つのメリットをご紹介します。

1.ノマドで働くメリットとは① 通勤する必要がない

なんと言っても最大のメリットは「特定の会社やオフィスへ通勤する必要がない」ことでしょう。企業の所属していると、ほとんどの人は毎朝自分の会社に通勤することになります。満員電車を何本も乗り継いで……という人もいるでしょう。会社へたどり着く前に、満員電車で無意味に疲れてしまい、本来仕事で発揮すべき力が出せないというのは何とも本末転倒な話です。 しかし「ノマド」で働くならば、わざわざ遠くの会社へ出勤せずとも家の近所のカフェなどで業務に取りかかれます。通勤時間が削減されれば、朝にゆっくり起きられたり家事をする時間に充てることもできるでしょう。さらに言えば「勤務時間を自分で設計できる」ので、保育園の送り迎えの時間や他の用事の都合を考慮しながら勤務時間を決められます。生活との両立を自分で計画しやすいのもノマドの特徴です。

2.ノマドで働くメリットとは② お気に入りのカフェが見つかる

お気に入りのカフェや飲食店を見つけるのも、ノマドで働く楽しみの1つとなるでしょう。Wi-fiや電源の完備されているカフェを複数見つけておけば、「今日はあそこのカフェのランチを食べようかな」など、日ごとにその日の気分で働く場所を選べます。美味しいランチやデザートが食べられるカフェを見つけて、仕事の楽しみにできるのもノマドやフリーランスならではのことかもしれませんね。 また、Wi-fiが完備されているカフェは多くなってきていますが、実は電源が完備されているカフェに関しては見つけるのがなかなか難しいです。カフェも長時間に渡ってノマドやフリーランスの人たちに居座られると、お客さんの回転率が悪くなるために電源が設置されているところは限られているのだと思います。電源を探すのに役立つ「電源カフェ」というサービスが便利ですので、電源難民になってしまいそうな時はぜひ利用してみてください。

3.ノマドで働くメリットとは③ 人間関係のストレスがない

次に「人間関係のストレスが少ない」ところもノマドで仕事をするメリットと言えるでしょう。会社は様々な個性を持った人の集まりですので、当然ウマが合わない人もいるでしょう。これが毎日会社へ出勤していれば、上司や同僚と毎日顔を合わせ、コミュニケーションを取ることになります。仕事とは無関係なところで意味のないストレスを溜め込んでしまう可能性は、十分あるわけです。 一方ノマドであれば、必要最低限のコミュニケーションはネットを介してのテレビ電話やチャットでやり取りをするものの、1日中顔を合わせっぱなしということはありません。無駄な雑談はせずに仕事を効率的に進めることが性に合っている人には、非常に向いているワークスタイルと言えるでしょう。

4.ノマドで働くメリットとは④ 服装が基本的に自由

これは会社に属しているか・いないかより異なることですが、基本的にノマドワーカーは「仕事中の服装に決まりがない」です。会社によっては出勤する際にスーツやスーツに準じた服装など、仕事中の服装を社内規定などで定められているところもありますが、ノマドで働く人たちは自分の好きな服装で仕事をしていることが多いです。 スーツも一式揃えるとそれなりの金額になりますので、スーツ代の節約にもなります。また、自分が1番パフォーマンスを発揮できる服装で仕事ができるのは意味のあることだと言えるでしょう。

ノマドで働くデメリットとは?

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いいところづくめのように見えるノマドですが、デメリットはないのでしょうか?人や場合によってはデメリットとなり得る3点をご紹介します。

1.ノマドで働くデメリットとは?① 情報セキュリティの問題

自由に場所を選んで働けるノマドですが、それが仇となってしまうデメリットもあります。「情報セキュリティの問題」です。自宅近くのカフェなどで利用できる無線LANは手軽に利用できる分、自分のパソコンのセキュリティ対策をしっかりしていないと業務上の情報が漏洩してしまう可能性があります。 またカフェはあくまで公共の場ですので、いつ誰にパソコン画面を見られているかわかりません。自分のみならず取引先の情報が外部に漏れてしまった場合、信用問題になるばかりか、損害賠償を求められる可能性もあります。業務上の情報管理をしっかり行える人だけが、ノマドやフリーランスのような働き方ができるのです。

2.ノマドで働くデメリットとは?② 収入の不安定さと社会保険も自分で手続き

次に、企業に属していないノマドワーカーの場合は「仕事環境や社会保障は自分で準備をする」必要性や、「仕事や収入が安定しない可能性」があります。自分が仕事をしやすい場所をまず探さなければなりませんし、仕事用のパソコンが壊れたら自分で新しいものを購入しなければなりません。 保険や年金なども必要なものに関しては、自分自身で手続きをして加入しなければなりません。仕事に関しても自分自身で案件を取ってこなければなりませんが、いつも決まった仕事が定期的にもらえるかどうかはわかりません。仕事がなくなれば当然収入も減る可能性があることを念頭に置いておく必要があります。

3.ノマドで働くデメリットとは?③ 良くも悪くも自己管理

これが最も克服しづらいデメリットかもしれませんが、「時間や仕事に対する自己管理をしなければならない」ことが挙げられます。会社では基本的に始業と終業の時刻が定められており、また業務量や内容に関してもある程度チームなどで管理されています。ノマドはこれらを全て自分で決めて実行しなければなりません。 予定や計画を自分で決めてPDCAを回せる人であれば、この働き方は苦にならないでしょうが、自分で判断したり決めなければいけないことが苦手な人には向かない働き方と言えます。

「ノマド」に必要な3つのツールとは?

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1.パソコン、電源、インターネット環境

働く場所を自由に選べるのがノマドという働き方です。しかしそれには最低限必要なツールがあります。パソコンと電源、そしてインターネットに繋がる無線LANなどの環境です。逆に言えばパソコン操作やインターネットなどの情報リテラシーが低い人は、すでにツールを準備したり利用する段階でノマドワークには向かない、ということになります。 パソコンは自分で使いやすく持ち運びしやすいものを準備するとして、ノマドワーカーにとってネックとなるのは働く場所選びかもしれません。無線LANの環境と電源が取れるカフェを探すのは容易ではないですし、どちらも完備されていても長時間居座られるのを良しとしない飲食店は多いです。いくつかお店をハシゴしながら仕事をするつもりで、カフェやコワーキングスペースなどWi-fiや電源が確保できる仕事場所候補は複数あったほうが良さそうです。

2.知っていたら便利!社内コミュニケーションツール

同僚や取引先とのコミュニケーションツールとして、SkypeやSlack、Chat Workなどの社内コミュニケーション用SNSを使いこなす必要性が出てきます。これらのSNSに対する情報や使い方を認識しておくことも、仕事をスムーズに進めるためには必要かもしれません。下記に各サービスのリンクを掲載するので、ぜひ参考にしてみてください。

「ノマド」で働くために必要なスキルや能力とは?

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1.ノマドで仕事がしやすいスキルとは?

そもそもノマドで働くために、その職種のスキルや実績がある程度なければ1人で一定の業務を会社以外の場所で行うことは難しいでしょう。1人で仕事をする状況になってもパソコンさえあれば、ある程度の生産性を担保できるスキルが必要です。 ノマドで仕事がしやすい職種の代表格はIT系職種と呼ばれる、パソコンを使っての仕事が主となる職種でしょう。プログラマーやシステムエンジニア、Webディレクター、WebデザイナーなどWebサイトやアプリケーションなどのサービスを開発する職種の人たちです。それぞれデザインスキルやHTML/CSSで1から自分でWebサイトを構築する能力に加え、JavaScriptなどのプログラミング言語の習得も必要です。 また同じWeb系でも、媒体を使って表現する仕事をする人たちもいます。ライターやブロガー、近頃ではYou Tuberといった職種も入ってきています。ライターは企業から依頼を受けて、要望に沿った記事を執筆する仕事です。時には取材や記事に掲載する写真も自分で撮影する場合もありますが、文章を構成・編集するスキルがあればできる仕事です。またこれはYou Tuberにも言えることですが、面白いコンテンツを書いたり動画にしたりするためのネタを自分で見つけることができるか?も重要な能力です。記事を書いたり動画を撮っても、第三者が「面白い!」と感じるものを世の中に出せなければ、そもそも仕事として成立しません。 また、ITやWeb系以外の職種でいうと、専門的な知識を使って顧客の課題を解決するコンサルタントはノマドに向いている職種と言えます。コンサルトする思考能力やその分野に関する専門知識は必要になりますが、コンサルタント自身が商品と言っても過言ではない職種です。そのため、企業などに属していなくてもスキルや実績がある人は独立しやすい職種とも言えます。知識と能力があればできる仕事なので、実際にノマドで仕事をしているコンサルタントは増えてきています。

2.お金や時間に対するシビアな自己管理能力

ノマドワーカーは場所や時間を自由に使って仕事ができる一方、高い自己管理能力が求められます。1人で仕事をするため、良くも悪くも全てが自分次第であり、自分の行動によって仕事の結果や収入が変わってきます。時間の管理はもちろんのこと、引き受ける業務量や体調、フリーランスなどで生計を立てている人は仕事を引き受ける単価の設定まで、自己管理をしっかりしないと稼ぎがなくなるという死活問題になります。 時間や体調に関してで言えば、際限なく仕事ができるために休憩の仕方や休日の設定方法も重要になってきます。会社に行かずに仕事ができるということは、裏を返せばいつでも仕事ができる環境に身を置いているのです。でも人間はロボットではありませんので、きちんと休むところは休み、メリハリをつけて働かなければ心身ともに体調を崩してしまいます。 仕事の内容や量に関しても同様です。目標やKPIなども、場合によっては自分自身で設定する必要があります。自分の作業スピードや月あたりの収入などのバランスを考えた上で、引き受ける仕事を選定していくこともノマドには必要な能力と言えるでしょう。

「ノマド」とは、働く人の主体性と高いスキルが問われる新しい働き方

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新しい働き方「ノマド」について、その意味や、働く上でのメリット・デメリット、さらにはどのような能力が求められるのかをご紹介しました。 働く場所や時間帯を自分で自由にできるという一方で、高い専門性と自己管理能力が求められる働き方だということがお分りいただけたかと思います。収入が安定しなかったり、社会保険の手続きも自分でしなければならない場合があるため、人によっては「ノマド」ではなく普通に会社勤めしたほうが楽……ということもあり得ます。どちらが良い・悪いではなく、様々な働き方を知ったうえで「自分にとっての働きやすさは一体何なのか?」をよくよく考え、自分に合っている働き方を選ぶことが重要です。 産業構造やライフスタイルの変化、仕事に対しての価値観の多様化などによって、ノマドも含めた新しい働き方はこれからどんどん広がりを見せてくると思われます。時代が変わりいくからこそ、自分にとって・家族にとって・仕事をする先の顧客にとってベストは何なのか?自分が今、進んでいる道に違和感は持っていないのか?常に自分と向き合い、働き方を考え続ける必要性は誰しもにあると思います。