【収入印紙とは】貼る意味と必要な書類について

高い買い物をしたときの領収書や、企業と契約を結んだときの書類など、収入印紙が貼られているものを見たことがあるかと思います。あまり意識してこなかった収入印紙でも、いざ自分が「貼る側」になると困ってしまうなんて人は多いのではないでしょうか。 そもそも収入印紙とは何なのでしょうか。見た目は切手のような収入印紙。簡単にいうと、領収書や契約書などに、収入印紙を貼って消印をすることで「税金や手数料の支払い」を行なっています。つまりは収入印紙によって必要な税金を納めているんです。どんな書類に貼るのか、どこで買えるのか、消印とは何かについてなど、このあとにそれぞれ紹介していきます。

収入印紙を貼る意味とは

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収入印紙によって納税を行なっていると上述しましたが、その意味について、もう少し詳しくお伝えしていきます。 そもそも領収書や契約書などの書類に収入印紙を「貼る・貼らない」ということに、そこまで重要性を感じられないという人もいるはず。そこで見ていただきたいのが、印紙税に関する政府の見解です。 「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税である。」(平成17年第162国会櫻井参議院議員の質問に対する小泉総理の答弁書) なんだか難しいですが、つまり何を言っているかというと、「取引に関わる文書があるということは何かしらの利益が発生しているはず。文書の作成によって、その取引が明確になり法律関係も安定させられるというメリットを受けられるので、少しでもいいから税金の負担をお願いしますね」という趣旨なのです。 結局のところ税収の確保が目的といえるのですが、収入印紙で納税をすることで、「文書に公的な意味」を持たせることができます。この点が私たちにとって重要だといえるでしょう。

収入印紙を貼らないと起こる事態とは

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収入印紙にはきちんと意味があることがわかりましたが、貼るべきものに印紙を貼らないでいると、どんな事態が起こるのでしょうか。 印紙を貼りつけなければならない課税文書には、作成者が収入印紙を貼らなければなりません。その上で、消印を行わないと「過怠税」というものが徴収されます。過怠税が徴収されるパターンとしては、以下の4つが考えられます。 ①必要と知っていて故意に貼らなかった場合 ②貼り忘れてしまった場合 ③貼ったものの金額が足りない場合 ④消印がされていない場合 「自分で管理している書類なら貼っていなくても誰にもわからないのでは…」と思うかもしれませんが、実際には国税庁から調査が入ることがあるのです。そのときに収入印紙が貼られているのかということもしっかり確認されます。 納付すべき印紙税を納付しないと、その納付しなかった「印紙税の額+その2倍に相当する金額」が、すなわち必要だった印紙税額の3倍相当が徴収されることになります。調査を受ける前に、自主的に不納付を申し出たときは1.1倍に軽減されますので、足りないことに気づいたら、その時点で申告を行ないましょう。また、④のように適切な消印がされていない場合も、必要な収入印紙が貼られていないのと同じとみなされてしまいます。そのとき、納付額と同額の金額の過怠税が課せられてしまうので注意が必要です。 収入印紙を正しく貼ることは必ず行わなければなりませんが、過失などで必要な納税ができていない場合でも、文書が無効になるわけではありません。

収入印紙が必要な書類とは

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収入印紙が必要なのは、作成した書類が印紙税法で定められた「課税文書」に該当する場合です。 課税文書とは、下記のものであると定義づけられています。 ①印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。 ②当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。 ③印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。 詳しくは国税庁のHPを参照していただきたいのですが、課税文書に該当するかどうかは書類に記載されている内容によります。「これは契約書ではないから必要ない」というような基準で判断しないようにしましょう。 一般的にも使われることが多い領収書では、「5万円以上」のものには収入印紙が必要です。

収入印紙の金額とは

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収入印紙の金額は、文書の種類により決定されます。ここでは代表的なものを挙げています。 ■領収書に貼る収入印紙の金額は以下の通りです。(平成29年5月現在) ・5万円未満のもの・・・非課税 ・100万円以下のもの・・・200円 ・100万円を超え 200万円以下のもの・・・400円 ・200万円を超え 300万円以下のもの・・・600円 ・300万円を超え 500万円以下のもの・・・1千円 ・500万円を超え 1千万円以下のもの・・・2千円 ・1千万円を超え 2千万円以下のもの・・・4千円 ・2千万円を超え 3千万円以下のもの・・・6千円 ・3千万円を超え 5千万円以下のもの・・・1万円 ・5千万円を超え 1億円以下のもの・・・2万円 ・1億円を超え 2億円以下のもの・・・4万円 ・2億円を超え 3億円以下のもの・・・6万円 ・3億円を超え 5億円以下のもの・・・10万円 ・5億円を超え 10億円以下のもの・・・15万円 ・10億円を超えるのもの・・・20万円 ・受取金額の記載のないもの・・・200円 ■請負に関する契約書の場合、税額はいずれも契約書に記載された契約金額により決まるとされています。詳細は以下の通りです。(平成29年5月現在) ・1万円未満のもの・・・非課税 ・1万円以上 100万円以下のもの・・・200円 ・100万円を超え 200万円以下のもの・・・400円 ・200万円を超え300万円以下のもの・・・1,000円 ・300万円を超え500万円以下のもの・・・2,000円 ・500万円を超え1,000万円以下のもの・・・1万円 ・1,000万円を超え 5,000万円以下のもの・・・2万円 ・5,000万円を超え 1億円以下のもの・・・6万円 ・1億円を超え 5億円以下のもの・・・10万円 ・5億円を超え 10億円以下のもの・・・20万円 ・10億円を超え 50億円以下のもの・・・40万円 ・50億円を超えるもの・・・60万円 ・契約金額の記載のないもの・・・200円

収入印紙を貼ったときの消印とは

契約書などに収入印紙を貼った場合、「消印」をする必要があります。ここでの消印は、収入印紙にまたがって印鑑を押すか、自筆でサインをするものです。これは非常に重要なもので、収入印紙に消印をしていないと効力が発揮されません。 収入印紙に消印する目的は、課税文書と収入印紙が使用済みであることを示すためです。また、消印をすることで収入印紙が再利用されないようになっているのです。 使用済みであること、そして再利用ができないようになればいいわけなので、契約書を交わした場合でも、どちらか一方が消印をしていれば問題はありません。消印を行なうのは、通常その文書の作成者となります。

収入印紙はどこで買えるか

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収入印紙が必要になった場合、どこで買うことができるのでしょうか。いくつかあるので、特徴とともにご紹介します。 ①郵便局 すべての収入印紙が揃っています。もちろん郵便局が開いている時間にしか購入できませんので、急に必要になったときに閉まっている可能性もあります。 ②コンビニ 基本的にコンビニであればどこでも売っています。切手と同じようにレジで聞いてみれば置いてあるでしょう。コンビニが開いていればいつでも購入できますが、200円の収入印紙しか置いてないことがほとんどです。 収入印紙をどこで手に入れられるかというときには、以上の2つがメインとなるでしょう。どこででも郵便局かコンビニはあると思うので、時間があれば手に入れることは難しくないでしょう。そのほか、金券ショップやタバコ屋さんなどでも購入できる場所があるようなので、近くにあったらまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

収入印紙が不要な場合とは

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収入印紙を必要としない契約や領収書の発行が存在します。まずは作成したものが、課税文書ではない場合です。たとえば、契約金額が少額の契約書や、原則5万円未満の領収書。そのほか、病院でもらう領収書や、社会保険料の徴収や還付に関する受取書なども収入印紙が不要となっています。 また、印紙税法では「FAXやメールで送られた文書に関しては課税対象にならない」とされています。そのため、メールでやりとりが成立していて書面の契約書をそもそも作成しない場合や、FAXで契約書のやりとりをするとき、また、契約書・領収書を紙で発行せずにPDFファイルなどで渡すときには、収入印紙を貼る必要はありません。 ただし、場合によっては上記のような場合でも、やりとりによっては課税文書になることがあります。注意が必要なので、細かい点は税理士の方などに確認することをオススメします。

収入印紙が必要かわからないときの対処法とは

「この文書に収入印紙が必要なのか」「いくらの収入印紙が必要なのか」など、判断しかねる場合も多いと思います。そんなときは相談できる税理士の方がいればその方に、フリーランスの方などで「どこで聞けばいいの?」という人は最寄りの税務署で確認してもらいましょう。職員の方に確認してもらえば間違いがありませんし安心できます。わからないからといってそのままにしておかないことが大切です。下記、国税庁のパンフレットも確認してみてください。

まとめ

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収入印紙を貼る意味や、どんな書類に必要なのか、どこで買えるのかということから、収入印紙を貼る際の注意点などをご紹介しました。あまり馴染みのなかったという人も、きちんと税額を納められるよう、細かい点まで確認してから収入印紙を貼りましょう。