話題のブロックチェーンの仕組みを徹底調査!技術や応用した事例をご紹介!

ブロックチェーンとは、分散型のデータベースに取引情報を記録し、その記録を誰もが確認できるように公開する一方、改竄や不正、破壊などが極めて困難であるという特徴を持っています。このブロックチェーンの仕組みを使うことで、災害やハッキングに影響されずにデータが保存でき、特定の国家や企業がデータを囲ってしまう危険も避けられることから、新しい技術基盤として大きな期待がされています。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?とは①分散型データベース

ブロックチェーンの特徴の一つは、データベースが分散型になっているという事です。これまでは、中央に全体を管理するサーバがあり、その中に1つの大きなデータベースを持つことで情報を管理してきました。しかしこうした環境では、そのサーバやデータベースが外部からの攻撃を受けたり、物理的な破壊にあってしまうと、データの安全性が損なわれてしまいます。また内部でデータを書き換える等の不正があっても、それを外部からは検知できません。それに対して、ブロックチェーンの仕組みには下記のようなメリットがあります。

メリット:安全性

ブロックチェーンが採用している分散型のデータベースでは、ネットワークに接続された多くの機器に情報が分散されて保存されます。そのため、どこかでトラブルや破損があったとしても、全体としてのデータベースは維持されます。過去の取引情報の記録が失われてしまう危険はありません。

メリット:低コスト

従来でもデータを安全に保存するために、データベースを複数の場所で管理してバックアップを取っている企業もたくさんあります。Googleのような巨大な企業は、そのためだけに発電所をセットにしたデータセンターを作ってしまうくらいです。しかしその場合、施設の維持自体にコストが掛かってしまいます。安全性を高めようとすれば、更に経費が必要です。それに対してブロックチェーンはネットワーク上に情報を分散させる仕組みなので、小さな個人や企業でも導入可能な低コストで運用することが可能です。

メリット:セキュリティが楽

専用のサーバやデータベースを設計運用するには高度なセキュリティの技術が必要です。しかしブロックチェーンは仕組みの中にセキュリティ技術が入っているので、運用においては専門的な知識を必要としません。ハッキングやデータの破損、間違って消してしまった!などの怖さとは無縁です。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?②P2P

分散台帳の実現を可能にしたのが、peer to peer、略してP2Pと呼ばれるネットワーク技術です。P2Pは、中央集権的なサーバーを介さずに、ユーザー同士が直接お互いにアクセスできるという仕組みです。peerは「対等な人」を意味しています。P2Pでは、誰もが同じ立場の参加者であり、受益者であり、貢献すべき人となります。極めて平等なシステムとなっていて、多くの人が参加することで、システムの一部が破壊されても全体に影響を与えず、また中央に集中する負荷が減るため、参加者は迅速かつ低いコストで利用をすることが出来る仕組みす。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?③台帳を鎖のように繋げていく

ブロックチェーンは取引された記録を台帳として保存しますが、その台帳にはサイズが決まっており、上限に達した時点で新しい台帳が作られます。それらの台帳が鎖のように一本に繋がって保存されることから、ブロックチェーンという名前が来ています。 ブロックチェーンの仕組みでは、1つの台帳(ブロック)のサイズが上限に達した時点で、そこに書き込まれた情報が間違っていないか、ネットワークに接続している参加者たちが確認します。その上で、新しいブロックを作って鎖のように繋げるのですが、その連結部分に工夫があります。上限に達したブロック中の取引情報に含まれるデータの一部を使って、特定の文字列を導き出すための計算をします。その文字列を新しいブロックに書き込むことで、前後のブロックが繋がっているという証明にするのです。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?④改竄が困難

ブロックチェーンでは取引台帳が分散化され、世界中のユーザーに公開されています。これにより極めて改竄を困難なものにしてます。その仕組みを詳しく見てみましょう。

改竄するとブロックが途切れる

ブロックの前後関係は、ブロック中のデータを元に作った文字列を、新しいブロックに埋め込むことで確定されます。そしてまた、そのデータを使って作られた新しい文字列が、その次のブロックに埋め込まれていく仕組みです。 仮に誰かがブロック中のどこかのデータを改竄したら、こうして繋いできたデータのリンクが途切れ、次のブロックとの接続が切れてしまいます。それでは台帳になりません。改竄者は次のブロックに新しい文字列を書き込んで、その繋ぎ直しをする必要があります。しかしこの文字列を導くためには、重たい計算が必要ですから時間がかかります。さらに新しい台帳も次々に生まれていますから、全ての台帳を短時間で一気に書き換えることは、まず不可能です。

改竄してもすぐバレる

仮に一気の書き換えに成功した場合、ブロックチェーンは連続して繋がっているので、玉突き式に文字列が変わっていきます。ブロックチェーンには沢山の人がアクセスしていますから、大きな異常があれば、すぐに発覚してしまいます。 前後とは切り離されたデータの持ち方であれば、どこかを変えても見つかりませんが、一本で繋がっているブロックチェーンでは、変えたことによる異常がチェーン全体に及びます。コッソリ変えてそのままということにはならない仕組みなのです。

改竄しても排除される

そもそも、ブロックチェーンとは分散型の台帳です。局地的に台帳の書き換えが発生しても、それ以外の場所で保存されている台帳は、それ以前のままの状態です。つまり全体として見た時、異なる台帳のチェーンが存在することになります。 その場合、ブロックチェーンのシステムは多数決の原理を採用し、異なる動きを見せた台帳のチェーンを切り離します。これにより一部の誰かがどこかで改竄を行っても、すぐに動きを捕捉されて排除される結果となります。それより早く、あちこちに分散された台帳の過半数を書き換えることなど殆ど不可能であるため、一度ブロックチェーンに記録された情報は、永遠不滅となるわけです。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?⑤ブロックを作って繋ぐマイニング

ブロックチェーンでは、発生した取引情報がすぐにブロックチェーンに反映されるわけではありません。情報はまずブロックチェーンに繋がる複数のデータベースに送られ、そこで間違いがないか確認されます。次いで、文字列を導く計算がされ、初めて台帳としてブロックチェーン上に書き込まれます。この、確認、計算、ブロックチェーンへの書き込み、新しい台帳の作成、という一連の流れをマイニングと言います。 特に重要なのは計算の部分です。狭い場合は、この計算を指してマイニングという事もあります。仮想通貨のビットコインでは、この計算が非常に難しいものになってしまい、大掛かりな設備や電力を必要とするようになってしまいました。その反省から、最近のブロックチェーンのシステムでは、この計算を軽くする仕組みを採用するのが主流となっています。

ブロックチェーンの技術の仕組みとは?⑥スマートコントラクト

ブロックチェーンは台帳として様々な取引を記録することが出来ますが、単に過去の記録を残すだけではなく、これからの記録も書き込むことが出来ます。つまり、契約書の類を記録しておくことで、所定の条件が揃ったらその内容を実行させる事ができるのです。このブロックチェーンを応用した仕組みをスマートコントラクトと言います。 具体的には、商品やサービスの取引を実行したり、指定した日時と相手に送金をすることなどが上げられます。契約書こそ、後から改竄されたり、履行未遂に終わることが許されないことから、ブロックチェーンと非常に相性の良い技術であると言えます。ブロックチェーンの仕組みを使って契約を自動化することで、いつどのように、どんな処理が実行されたかという情報を確実に残すことが可能となります。

様々な場面で活用されるブロックチェーン

ブロックチェーンの技術は、既にビットコインなどの仮想通貨で大々的に使われていますが、その可能性はさらに果てしなく大きなものがあります。では実際にブロックチェーンの技術を応用した分野には、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは国内外の事例を元に、実際の応用事例をご紹介いたします。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:仮想通貨

まず外せないのは、やはりビットコインなどの仮想通貨です。ブロックチェーンとは仮想通貨である、と思っている人も多いのではないでしょうか。2018年の3月時点で、すでに取引場に上場している仮想通貨だけでも2000種近くになっています。今後、この数はさらに増えていくことが確実です。今後、スマートコントラクトの仕組みが搭載された通貨が増えれば、さらに活用される場面も増えていくでしょう。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:銀行の決済や送金

経済の中枢を担い、日々決済に追われる銀行において、まさに取引記録を取り扱うブロックチェーンの仕組みは有望です。ブロックチェーンを応用すれば、業務の効率化や安全化、迅速化などが期待できます。既に外国の銀行では、事務部門の効率化や決済をスピード化するためにブロックチェーンの導入実験を始めています。 また銀行間の送金サービスについては、仮想通貨のリップル(Ripple)が、かねてより注目を集めています。リップルは2004年にカナダで生まれ、Googleも出資している有望株です。日本でも三菱東京UFJ銀行が提携を表明しています、従来の銀行間の海外への送金サービスが数日かかっていたのに対し、リップルを使えばほぼ瞬時で送金を完了させることが出来ます。また手数料も大幅に削減されると見られています。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:証券取引

現在、国内の証券取引においても、既に株券は電子化されており、各証券が大きなコストをかけて自社のサーバで集中管理をしています。これはまさに、ブロックチェーンが置き換えるに相応しい分野と言えます。既存の株券を、ブロックチェーン上で生成されたトークンに置換することで、従来以上の正確性や安全性を、より低コスト・低リスクで実現できます。また取引手数料の引き下げも期待されるところです。 さらに、株主が持つ議決権もブロックチェーンの仕組みに乗せ、そのインフラ上で決議を行うことも可能となります。そうなると極めて少額の株主であっても、コストを掛けずに決議に参加できるようになるため、株式取引の活発化も予想できます。 日本取引所グループ(JPX)も、そうしたブロックチェーン技術の応用に向け、証券業界を支援すると発表しています。また大和証券グループも実験環境を用意して、ブロックチェーンの導入に進んでいます。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:物流管理、食品のトレーサビリティ

昨今、食の安全についての意識が高まっています。そのため食品業界においても、その食材がどこで生産され、どのような経路で店頭に並んでいるかを表示するケースが増えてきました。この仕組みを「食品のトレーサビリティ(生産履歴追跡システム)」と言いますが、その表示自体、どこまで信用して良いのか?という問題もあります。故意でなくても間違えてしまうことがあるかもしれません。 ここにブロックチェーンの仕組みを応用すれば、原産地や生産者情報を含め、嘘間違いなく情報を透明化させることが出来ます。万一、問題が発生した時でも、どこでトラブルが起きたのかをすぐに把握することが可能です。事故の拡大を防ぎ、迅速に対策を立てることができるでしょう。 また、各過程での無駄やムラをなくすことで計画的な食品の生産や流通が可能となります。廃棄ロスを減らしたり、より安定した食の供給が、国際的にも可能になるかもしれません。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:CO2の削減の推進

国際的に進められているCO2削減の取り組みにおいても、ブロックチェーンの仕組みの応用が検討されています。日本では、環境省地球環境局が「ブロックチェーン技術を応用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」の公募を始めています。これは温室効果ガス排出量の削減目標達成のためには、既存の再エネ設備や、未利用の再エネポテンシャルの活用が重要であるとして、自家消費される再エネのCO2削減価値を創出、低コストかつ自由に取引できるシステムの構築にブロックチェーンの技術を活用するというものです。 具体的には、自家消費される再エネ由来の電力を正確に識別・計量し、CO2の削減価値を可視化するというものです。単に情報を収集するだけではなく、そこに経済的な価値を付けて市場を作り、広域的に取引や決済が可能なシステムを構築するという、まさに、記録と取引を扱えるブロックチェーンの仕組みが活かされそうです。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:将来予測、ギャンブル

ブロックチェーンの応用例にはギャンブルのような分野もあります。ギャンブルというと不真面目なようですが、未来予測と言うことも可能です。つまり、未来がどのようになるのかを予測して、当たれば配当を受け取ることが出来るという仕組みです。 一般にギャンブルは胴元がいて一定の利益を得ますし、場合によっては不当な操作をする可能性も排除できません。それはちょうど中央集権的に支配するサーバやデータベースのようなものです。それに対してブロックチェーンをベースにした仕組みでは胴元は不在、そこで行われた「賭け」については、誰もごまかしようがありません。つまり客のインチキやイカサマも防ぐことが出来ます。それによって誰もが平等に参加できる、公平な仕組みになるのです。 日本では競馬、競艇、競輪、あるいは宝くじやパチンコなど、多くのギャンブルが催されていますので、こうしたブロックチェーンの応用法には潜在的なニーズがあるかもしれません。

ブロックチェーンの仕組みの応用例:IoT

IoTとはInternet of Thingsの略で、あらゆるハード(モノ)がインターネットに繋がり、情報を交換しあい、相互に制御を行うという仕組みです。そこでは無数のやり取りが生まれることから、IoTとブロックチェーンは親和性が非常に高いと言われています。 既にスマートスピーカーなどを通じて音声で家電が操作できる時代ですが、これからは身の回りにあるハード全てがIoTになると言われています。そうなると莫大な数のハードがネットの接続されますが、その大量のデータを、中央にあるたった1つのサーバで処理することは大変です。また記録が消えたり改竄されたら大変です。 そこでブロックチェーンに繋がったデータベースで処理を分散し、さらにブロックチェーン自体も機器やローカル単位で生成することで、徹底した分散と処理軽減を図ることが可能となります。

IoTの事例:ポルシェの取り組み

実際にブロックチェーンをIoTに活用した事例として、自動車の管理や制御に関するものがあります。例えば、Volkswagen傘下の自動車メーカーであるポルシェが、ブロックチェーン技術を車の管理や制御に活用する試験を始めています。これは自動車のドアのロックや解錠をアプリを使って行うもので、実際の試験では、アプリによるロックの解除や施錠に掛かる時間を1.6秒にまで縮めることに成功しています。これはブロックチェーンを導入する前の処理に比べて、最大6倍の高速化を果たしています。 また、取引記録を扱うスマートコントラクトを活かして、一時的に車を他者に貸し出したり、より確実にシェアリングをするための認証機能にも使うことができます。さらに、走行データを記録することで、自動運転の改善につながる機能も開発が可能かもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ブロックチェーンとは特定の国や企業による管理や証明を必要とせず、世界中のコンピュータがP2Pで取引を行い、その記録を安全確実に記録できる技術です。従来の中央集権的なシステムとは異なり、今後さまざまな領域での応用が確実視されています。この仕組みがもたらす応用範囲は非常に多く、ここで紹介した事例は、あくまでその一部に過ぎません。もともとはビットコインという仮想通貨から発達したブロックチェーンが、ここまで進化してきたことは非常に注目されています。 近い将来、あなたが関わる業界や生活の中にも、ブロックチェーンの仕組みは導入されていくでしょう。これを機会に、今のうちのブロックチェーンに関する技術について知っておきましょう。