個人事業主の節税方法をまとめました。

個人事業主の経営者方は、普段節税を意識していますか?税金を払い過ぎていないでしょうか? 個人事業主の節税方法をいくつか紹介します。 利用できる制度や税の仕組みを理解して、普段から少しだけ気をつけていれば節税に繋がる事もあるかもしれません。 まずは、知る事と理解する事そして、節税を意識する事が重要です。 1. 個人事業主の心強い味方、簡単申請で65万円の所得控除で節税「青色申告」 2. 個人事業主も法人も「純損失の三年間繰り越し」で来年以降を節税する 3. 個人事業主の経費の基本「家事関連費」を理解して、普段から節税を意識する 4. 個人事業主でも人を雇って節税。家族に支払った給料は経費になる「青色事業専従者給与」 5. 個人事業主でも活用できる。納めた所得税が返ってくる究極の節税「損失の繰戻還付」 6. 個人事業主でも知っていると便利。「減価償却資産の特例」を活用して固定資産税を節税する 7. 個人事業主の退職金、年金制度、節税も出来て三重においしい「小規模企業共済」 8. 個人事業主の第2の年金制度、節税の強い味方「確定拠出年金」を活用する 9. 個人事業主には馴染みが無い経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を活用する 10.個人事業主の節税についてのまとめ

1. 個人事業主の心強い味方、簡単申請で65万円の所得控除で節税「青色申告」

個人事業主で節税と一言聞けばまず思い浮かべるのが、「青色申告」の年間65万円控除簡単な節税方法ですよね。青色申告の申請書を提出していなければ、確定申告の際は白色申告となり、控除額は38万円となります。これは届け出も何もしていなくても、誰でも自動で受けられます。個人事業主にとっては一番簡単で一番解りやすい節税方法です。 私も以前、個人事業主で開業した経験がありますが、税務署に行き税務署員の方に教えてもらいながら、個人事業主の開業届と青色申告の申請書の二枚の用紙を記入した事を覚えています。 記入する項目も名前や住所、屋号、業種などかなり簡単な内容で、数分で終わりました。 初めての税務署で、結構緊張していたのですが、数分で呆気なく終わってしまい、「え?これだけ?」と肩すかしを食らったのを覚えています。 いざ確定申告となったときでも、税理士の方はこんなことを言っていました。「確定申告も青色申告も足し算引き算が出来れば簡単に誰にでも出来る」らしいです。 青色申告には二つの選べるコースがあり、一つ目は先程の65万円コースと二つ目は10万円コースの二つになります。これは個人事業主でも法人でも同じです。 65万円コースを選ぶ場合、複式簿記をつけなければならないというルールがあります。法人の場合、経理を丸ごと税理士に依頼するケースも在るようですが、個人事業主の場合は自分で経理をする場合が殆どだと思います。 昨今は会計ソフトという便利なアイテムが在りますので、それ程障害にはなりません。 会計ソフトを使用しなくても、基本的なルールさえ押さえておけば、表計算ソフトなどでも自分で作る事も出来ることでしょう。 複式簿記をつけたくない、面倒くさいと言う方は簡易簿記を選択し、10万円コースをお勧めします。 しかし、ここだけの話ですが、よっぽどのことが無い限り税務署も「帳簿を見せてくれ」と自宅へ押しかけて来る事はありません。 もう一つ気をつけておかなければならない事があります。ルールを破ってしまうと青色申告が取り消されてしまいます。 無申告や期限後申告つまり、確定申告の期日(3月15日迄)に遅れた場合です。 2年連続でこれをしてしまうと青色申告が取り消されてしまいます。取り消された場合、一年間のペナルティがあり一年間再申請が出来なくなります。 他にも取り消されるケースがいくつか在ります。税務署の指示に従わなかったなど、帳簿の開示を拒否した場合などです。これは常識的に考えてルール以前の問題だと思いますので。省略します。 確定申告の期限を守り、普段から複式簿記をしっかりつけておけば問題はないと言う事です。更にここだけの話です。担当の税務署員によると思いますが複式簿記をつけていない事が判明しても「直ぐに取り消し」という自体にはならないと経験上ボソッと呟いておきます。しかしルールはルールですのでキッチリと守る事をお勧めします。 個人事業主でも法人でもこの青色申告に助けられている方は非常に多いと思います。 それだけ重要な節税方法だと言えます。控除=節税です。

2. 個人事業主も法人も「純損失の三年間繰り越し」で来年以降を節税する

控除意外にも青色申告には節税に使える様々な特典があります。 その中の一つに「純損失の三年間繰り越し」があります。 簡単に言ってしまえば、三年前まで遡って損失を、つまり赤字分を経費にしちゃっても良いですよ。という制度です。これを見落としてしまうと節税に繋がりません。 三年間の赤字を繰り越せるとはどういうことか?といいますと………。 開業して初年度がマイナス100万円の利益だったとします。 二年目の利益がプラス50万円の場合。前年分の赤字を二年目に繰り越して、 赤字分と相殺してしまえばマイナス50万円の利益となります。 更に、このマイナス50万円も来年に繰り越して………。 三年目の利益がプラス100万円だった場合、マイナス50万円と相殺して、最終的にはプラス50万円の利益として申告できると言う意味です。 この数字ではどちらにしても税金を払う必要は無く節税にはなりません。 しかし、来年の売上、利益の数字が解らない以上、例えば損益を繰り越しした翌年に業績が急に上がり65万円の控除枠を越えて所得税税が発生した場合、青色申告で前年の損失分を繰り越していれば所得税を抑える事が出来ます。 未だ見ぬ来年以降の税金に対して、ある種の保険の様な節税制度とも言えます。 更に、損失の繰り越しの他、「繰り戻し」が可能です。 確定申告書と一緒に還付請求書を提出します。 例えば今年が赤字だった場合、前年度の所得税額を限度として、前年度の所得税額から今年の赤字分の所得税額を引いた金額を受けとれます。お金が戻ってくるという点では究極の節税といえるかもしれません。 ※正確には計算はもう少し複雑ですが、ここでは省略します。この制度の詳細につきましても後で説明させていただきます。

3. 個人事業主の経費の基本「家事関連費」を理解して、普段から節税を意識する

続いて押さえておきたいポイントは経費です。 青色申告では「家事関連費」というものを経費に計上出来るのですが、「家事関連費」これは、読んで字の如く普段生活する上で家賃や光熱費、その他の支出を指します。 個人事業主にとっては重要な節税ポイントです。しかし注意が必要です。 経費には大きく分けると三種類に分類されます。一つ目は「家事費」、二つ目は先程の「家事関連費」、最後に「事業経費」です。 「家事費」とは生活する上で仕事に関わらないプライベートな経費です。例えば娯楽や食費など事務所が別にあり、自宅で仕事をしない場合は、自宅の家賃や光熱費も「家事費」に当ります。「家事費」は事業に関わりの無い支出ですから、当然経費として計上できません。法人は勿論、個人事業主であっても節税にならない困った経費です。 次に「事業経費」です。これも読んで字の如く、事業に関わる支出。つまり経費として計上できる支出を指します。 仕入れた商品の原価、販売に関わる送料などの手数料、事業をする上で収入に繋がる支出、管理維持する為の支出などです。 自宅と事務所が完全に別れている場合、事務所の家賃、光熱費、火災保険なども含めて全て経費として計上できます。法人の経費は全てこれと言っても過言ではありません。個人事業主の場合も、経費の多くはこの「事業経費」に該当します。 そして本題です。「家事費」、「事業経費」の中間的存在、「家事関連費」です。 これは、仕事用、私生活用とハッキリと分ける事が出来ない”中間的な経費”を指します。個人事業主とは言葉の通り個人の事業主という意味ですので、法人と比較して、私用と事業用との区別が曖昧な部分が出てきてしまいます。 例えば自宅兼事務所で仕事をしている場合、電話やインターネット料金、電気などの光熱費、家賃など私生活と仕事、両方に関わる支出が出てきてしまいます。自家用車、事業用で兼用している車などにも言えます。 ではこれらの支出分を全て経費として計上しても良いのか?答えはNOです。 これらの支出を経費として全てを計上する事は出来ませんが、一部なら可能です。 例えば時間や空間を区切って、私生活、仕事用の比率を算出してその仕事用の部分だけを計上するという考え方です。 家賃の場合、部屋数で分類するならば、以下のようになります。 ”二部屋の賃貸でその内一方を仕事部屋として使用している” この場合は単純に家賃の半分を経費として計上する事が出来るでしょう。使用する面積や空間で節分するという考え方です。 次は時間で節分するという考え方です。 ”一部屋の賃貸で一日八時間を仕事に充て、それ以外は私的な時間を過ごしている” といった場合は、一日の三分の一の時間を仕事に使用しているため、家賃の三分の一を経費として計上できます。 その他にも電話や、インターネット、車、光熱費なども”どれ位の割合で仕事に使用しているのか?”を考え仕事に使用している部分だけを経費として扱えます。 これが仕事と、私生活の中間的経費「家事関連費」です。 今までこれらの経費を計上していないという方は、「家事関連費」を見直すだけで結構な節税に繋がるのでは無いでしょうか。公私の区別をハッキリ付ける法人と比べて、個人事業主ならではの節税方法と言えます。 よく言われていますが「個人事業主は銀行口座を私用と事業用に使い分けろ」というのは経費を分けろという意味なのです。 個人と法人の間に位置する個人事業主。仕事と私用の間に位置する「家事関連費」は個人事業主にとって重要な経費と言えます。 節分の比率は明確な線引きは難しく、最終的に判断するのは税務署になります。よほどメチャクチャな計算をしない限りは突っ込まれるような事は無いので、「家事関連費」に思い当たる支出は一つでも多く計上する事をお勧めします。貪欲に節税を心掛けましょう。

4. 個人事業主でも人を雇って節税。家族に支払った給料は経費になる「青色事業専従者給与」

もう一つ経費のお話です。 青色申告には「青色事業専従者給与」というものがあり、文字通り読んでみても、解る人には解りますが、解らない人には解らない制度です。 ちなみに私は一目見ただけではどの様な特典なのか、何が出来るのか理解できませんでした。 実は結構簡単な話です。 ”ある条件を満たせば家族を従業員にして、その給料分を必要経費としてもいいですよ” 簡単に言ってしまえばこんな感じです。目的は勿論、今まで計上してこなかった経費を増やし、節税に繋げることです。 ◎条件1、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ”期限内に”提出しなければなりません。 期限とは、対象の家族を事業専従者とすると定めた日から二ヶ月以内です。例えば二月に給料を支払い、同年六月に「実は事業専従者を………」と届出を出しても四月以前の経費は認められないと言う事です。 早めに提出しておけば問題無く、開業届けと一緒に出す方も多いようです。 届出書に記載した金額が、必要経費、つまり給料の上限となります。多すぎても怒られますので記入の際はよく考えてから提出してください。 ◎条件2、非常識に高い給料は認められない。 そのままの意味です。敢えて説明する必要も無いでしょう。事業専従者の給料は他の従業員の給料と同じくらいで。 ◎条件3、専従ということで、他に仕事をしてはいけない。(パート、バイトなど) 6ヶ月間、専従として働いていること。学生の場合は昼は学校に通い、夜間従事すること。※申請をする年の12月31日の時点で15歳以上であること。 白色申告にも「事業専従者控除」があり、事業専従者一人に付き50万円配偶者の場合は86万円を必要経費に計上する事が出来ます。控除=節税です。 更に例外として、事業の所得額÷(事業専従者数+1)の数字が控除額(50万円、86万円)を越える場合、事業専従者一人につき、その数字を必要経費に計上する事が出来ます。ここで言う控除とは毎月では無く年間です。要するに一度だけ経費に出来ますよという意味です。 「青色事業専従者給与」の条件を簡単にまとめてみます。 ◎申請をする年に15歳以上になる者 ◎他の仕事をしていない ◎生計を共にする親族 ◎給料は常識に範囲内の金額 ◎期日内に申請書を提出 簡単にまとめてしまえば以上になります。 この「青色事業専従者給与」は毎月纏まった額を必要経費として計上する事が出来るため、制度を良く理解して上手に利用すれば、書類を一枚出すだけでかなり効率の良い心強い節税方法となります。例えば奥さんなどを従業員にしている個人事業主の方も結構多いようですが、その裏には節税の意思が隠れているようです。 年間まとまった額の節税が出来る個人事業主にとっては欠かせない節税方法です。

5. 個人事業主でも活用できる。納めた所得税が返ってくる究極の節税「損失の繰戻還付」

続いてもう一つ控除のお話です。 控除と言うより還付になります。個人事業主でも法人でもお馴染みの節税方法です。 その名も「損失の繰戻還付」です。これは、簡単に説明しますと、前年度が黒字で所得税を納めている場合、今年が赤字になってしまった時、前年の所得税から還付金が支払われます。つまりお金を返して貰えると言う事です。これは所得税にのみ適応されます。 用意する数字は2つ、一つは前年の所得税額、二つ目は今年の純損失額です。 今年の純損失額の全て、または一部の金額を控除してから前年度の所得税を計算し直します。 赤字分を控除しますから当然前年の所得税よりも小さい数字が出てきます。 そして、前年の所得税額(手を加えていない数字)から計算した小さい数字を引いた差額が繰戻し還付金の金額となります。 税務署の調査が入る確率が高くなるそうで、税務署が怖い方はやめておいた方が無難です。しかし、納めた税金が返ってくると言うのは究極の節税方法と言えるのではないでしょうか。 前年黒字が多く、今年の赤字が酷い方にお勧めの節税制度です。 損失の三年間繰り越しとは逆の制度です。個人事業主でも活用できますので該当する方は遠慮無くどうぞ。

6. 個人事業主でも知っていると便利。「減価償却資産の特例」を活用して固定資産税を節税する

これは、これまでのような所得税では無く、固定資産税に関わる節税の話です。 10万円以上の償却資産(固定資産)に対して「償却資産税」が掛かります。 これは 「固定資産税」の一種です。 因みにこの償却と言う単語、経理、税金の世界では良く目にしますが見ただけでは意味が解りません。一応これも節税に繋がりますのでその辺りを解説していきます。 借金を償却する、つまり返す、無くすという意味として使用されます。 償却資産は通常一括で経費に計上する事が出来ません。 ◎青色申告では「減価償却資産の特例」が認められ、30万円未満であれば、合計の限度額を300万円として償却資産を経費として一括計上することができます。 ◎また20万円未満のものであれば、3年で分割し均等に経費にする(償却する)「一括償却資産」として経費に計上することもできます。 例えば10万円以上である、15万円のパソコンを購入した場合、購入した年に全額経費として計上でき、償却資産税が掛からなくなるという事です。 つまり、30万円未満なら通常の経費と同じ消耗品費等の扱いになり、償却資産税が掛からなくなるという事です。簡単に言ってしまえば、償却資産税が掛かる償却資産を出来るだけ無くす事で節税しましょうという事です。 ◎償却資産とは何か 事業の為に購入した、10万円以上の機械、器具など、形のある設備や備品とお考えください。 具体的にはパソコンや冷蔵庫、空調設備、コピー機、工作機械などの高額な備品です。 ◎逆に償却資産に当てはまらない物 10万円以上であっても、他の税金が課税される物や(自動車税など)、ソフトウェア、デザイン、権利などの情報媒体、無形固定資産、耐用年数が1年未満と設定されている物です。 個人事業主でも高い買い物をする場合があると思います。償却資産税が掛かる物、掛からない物を良く理解しておくことが、間接的な節税に繋がるのでは無いでしょうか。最低でも30万円未満なら償却資産税は掛からないと覚えておいてください。知っておく事が節税絵と繋がります。主観的な意見ですが個人事業主より法人のほうが活用しているイメージがある制度です。 他にも節税に繋がる特典があるのですが、青色申告についてはここまでです。基本的に青色申告は控除額の増額や、経費の計上といった制度が多いため、それぞれの制度を良く理解し自分に当てはまるケースを探し、事業に合わせて節税に活用できる特典は無いかを知る事が直接的、間接的な節税に繋がります。 ■貸倒引当金について 序でに貸倒引当金の繰り入れについて説明します。これも一応節税のお話です。 項目を追加する程のものでもありませんので、ここで簡単に説明します。 貸倒引当金、”かしだおれひきあてきん”と読みます。 これは何かと言いますと、当年に売掛金があり、申告期日をまたいでしまい年内に売上金を受け取れなかった場合。 貸倒引当金として売掛金の5.5%を経費として計上できます。 やらないよりはやった方がマシといった感じの節税方法です。 貸付金も対象となりますので業種によっては有効な節税方法になります。

7. 個人事業主の退職金、年金制度、節税も出来て三重においしい「小規模企業共済」

「小規模企業共済」と言う制度はご存じでしょうか? 会社員の退職金は会社が用意してくれます。 では個人事業主の退職金は誰が用意してくれるのでしょうか? 答えは、誰も用意してくれません。退職金が欲しければ自分で用意しないといけません。 そこで活躍するのが「小規模企業共済」です。 個人事業主の節税の話から逸れているぞと思われるかもしれませんが、これは節税のお話です。もしかしたら一番効果のある節税方法かもしれません。 毎月使ってもトータルで考えれば減らない経費という物があります。 それが「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が提供する「経営者の退職金制度」です。 通称「小規模企業共済」と呼びます。 毎月上限7万円を積み立てて退職時に共済金を受け取る制度です。 実はこれがかなりの節税になります。 「小規模企業共済」には幾つかのメリットがあります。 税金を払うタイミングをずらすというだけであって、長い目で見てみればプラスマイナスゼロじゃないのか?本当に節税になるのか?と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、結論から申し上げます。「小規模企業共済」はプラスマイナスゼロにはなりません。(※偶然そうなってしまう場合もあるかもしれません)支払う時も受け取る時も結構な節税になるんです。 支払い時には経費(正確には所得控除)になり、受け取る時にも控除の対象になる。更に受け取る際には掛金(元金)より増額されますので上手に活用できれば、節税どころか利益が出るため三重にオイシイ話と言う訳です。控除=節税です。 「小規模企業共済」に加入するには加入資格があり、その条件を満たす必要があります。これは業種によって異なります。 ◎建設業、製造業、運輸業、宿泊業・娯楽業、不動産業、農業などの場合は常時使用する従業員数が20人以下である事 ◎卸売業、小売業、宿泊業・娯楽業を除いたサービス業の場合は常時使用する従業員数が5人以下である事 ※家族の従業員、臨時の従業員、共同経営者はカウントされません。 条件に当てはまらない個人事業主はごく希なケースだと思いますが、規模的に考えて法人成りした方が節税になる可能性があります。一度経営方針を見直す事をお勧めします。 ◎掛金支払時のメリット 掛金は月々下限1000円から7万が上限となり、500円単位で増減できます。そして、この掛金全額が所得税の控除の対象となります。例えば月々5万円積み立てするとして、年間60万円が控除できるという訳です。当たり前ですが10年間で600万円になり 節税はかなりの額になります。 共済金を受け取る際、一括で受け取る一時金方式と分割で受け取る年金方式のどちらかを選ぶ事が出来ます。 一時金方式の場合は、退職金を受け取るとみなされ、「退職所得」として控除を受けることができます。 一方、年金方式の場合は、「退職所得」ではなく「雑所得」として扱われます。ただし、「公的年金等控除」を受けることができるのでこちらも節税に繋がります。 節税とは話が逸れてしまいますが、受け取れる共済金について少し触れておきます。 支払われる共済金はケースに応じて以下の4種になります。 ◎共済金A 個人事業主を廃業した場合(法人成も含む)、配偶者子以外に事業の全てを譲渡した場合、契約者が死亡した場合。 ◎共済金B 契約者が65歳以上で180ヶ月(15年)以上掛金を支払い続けた場合。 ◎準共済金 配偶者、子に事業の全てを譲渡した場合、法人成をして、役員にならなかった場合。 ◎解約手当金 掛金を12ヶ月以上滞納して強制解約されてしまった場合。 法人成をして役員になった場合。 共済金A、共済金Bは3年以上、途中減額する事無く掛金を払い続けると掛金(元金)よりも多くの共済金が受け取れます。 準共済金はこれまで支払ってきた掛金総額と同額の共済金が受け取れます。 解約手当金は、共済金A、共済金B、準共済金に当てはまらないケースで、任意解約した場合、つまり途中で止めた場合、掛金総額より減額された共済金が受け取れます。 但し240ヶ月以上支払った場合は、掛金合総額の100%~120%の共済金が受け取れます。 支払時の状況と、支払った年月によって増減しますのでケースバイケースになるのですが、共済金B、共済金A、が有利、準共済金はトントン、解約手当金が不利。といった感じでしょうか。 ここまで見てみると「小規模企業共済」はメリットしかないと思われがちですが、デメリットも存在します。気をつけておかないと節税どころか損失を被る場合もありますので注意が必要です。 と言う訳で、良い話の後は悪いお話しです。「小規模企業共済」のデメリットについて。 最大の注意点減額についてです。 例えば月々の掛金7万円で契約したとして、途中掛金を5万円に減額したとします。 勿論減額分に当る差額は2万円です。 減額後この2万円分が今まで支払った分も含めて、増額の対象から外されてしまいます。 今まで支払った5万円分は時間と共に順当に増えていくのですが、2万円は凍り付いたままになってしまいます。 減額する場合、節税どころか損失になる可能性もありよく考えてから決断する事をお勧めします。 正に個人事業主の退職金、年金制度です。

8. 個人事業主第2の年金制度、節税の強い味方「確定拠出年金」を活用する

「小規模企業共済」と同様、小難しい漢字が並んでいますが、「小規模企業共済」と似たような制度です。ある意味では「小規模企業共済」以上の節税効果があります。 月々一定額を掛金として支払い、規定の時期になったら分割、または一括で利息が付いた金額を受け取る仕組みです。銀行、ファンドなどが提供しており、金利などはプランによって異なります。 掛金の上限は月々6万8千円までで、年間トータルで81万6千円まで掛金を拠出できます。掛金は全額所得控除の対象となります。数字が若干異なりますがこの辺りは「小規模企業共済」と同様です。控除=節税です。 受け取りも年金式と、一時金式があり、それぞれ年金控除と退職金控除が受けられます。ここでも控除=節税です。増額分(増益)は非課税です。非課税、完全なる節税です。嬉しい言葉ですね。定年後、老後に備えての一種の保険にお勧めです。 この様に「確定拠出年金」は「小規模企業共済」と類似点が多いのですが、「小規模企業共済」とは違い、気をつけておかなければならないポイントがあります。 「確定拠出年金」には満期があり、60歳にならないと、受け取る事が出来ません。 「小規模企業共済」が任意解約できるのに対して、「確定拠出年金」は任意の時期に受け取る事が出来ない為、節税にもなりますが、その分長期的に実質的な負担となるため、始めるに当っては十分な計画と注意が必要となります。途中支払えなくなってしまったら節税どころの話しではありません。 「企業型」と「個人型」があり両者は大きく異なりますので、ここでも注意が必要です。 ※ここで解説しているものは、個人事業主用ですので個人型になります。 転職先にこれまで払いつつけてきた資産をそのまま持ち運べます。廃業や転職に大きく関わってくる「小規模企業共済」とはこの点でも異なります。この辺りは国が提供する年金制度に似ています。 「小規模企業共済」と合わせて加入しておけば、結構な節税に繋がり、利益にもなります。しかし、60歳になるまで受け取れない、任意の解約が出来ないというデメリットには十分注意が必要です。 「小規模企業共済」と同様、こちらは満期有りの個人事業主の退職金、年金制度です。

9. 個人事業主には馴染みが無い経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を活用する

取引先が経営破綻した場合、積立金の10倍を限度として貸付けが受けられる制度ですが、税金の繰り延べの利用する事が出来る保険的な制度です。ハッキリ言ってしまえば個人事業主に関わりは薄いと言えます。 掛金は5千円から、上限20万円まで五千円単位で任意に増減可能です。積み立ての上限は800万円です。 「小規模企業共済」は長い目で見てみればプラスマイナスゼロでは無いという事を説明しましたが、経営セーフティ共済はプラスマイナスゼロの制度です。 「小規模企業共済」や「確定拠出年金」と違い増額がないため、利益はありません。 40ヶ月以上払い続けた場合、任意のタイミングで、これまで払い続けた掛金の100%、総額を受け取る事が出来ます。 逆に40ヶ月未満の場合は受取額が減ってしまうので注意が必要です。 1年未満で解約した場合、0%で1円も受け取る事が出来ません。 1年以降は75%~95%まで徐々に増えていき、40ヶ月で100%になります。 掛金は、全額経費として計上することができます。受け取りの際は収入となり勿論課税の対象となります。 資金の出し入れのタイミングを考え、支払う期間と受け取る時期を上手に利用できれば間接的な節税に繋がります。 利益は無く、損失が出る可能性もあるため、経営の先を見越して計画的な利用が必要です。個人事業主にとっては直接節税には繋がらないかもしれませんが、業種によっては上手く利用できれば節税になる場合があるのではないでしょうか。

10.個人事業主の節税についてのまとめ

ここで紹介してきた個人事業主の節税方法の多くは出来るだけ”経費を増やす”といったものが多かったのですが、増益を望む場合は当然の事ながら、売上のアップと経費削減が必要となります。 経費を増やす事は税金を減らす事に繋がり、結果的に経費削減へと繋がりますが、無駄な経費を増やす事は逆効果です。 その経費を増やす前に本当に必要かもう一度よく考える事が大切です。その経費は本当に”必要経費”なのかをよく考えて、正しい、業績アップに繋がる経営を心掛けてください。身の丈に合った正しい節税を………。 最後まで読んでいただいた個人事業主経営者の方の業績アップと健康とその他諸々を心よりお祈りします。