【ビジネスモデルキャンバス】の事例や活用方法をまとめました

ビジネスモデルキャンバスとは、事業における商品やサービスを、どのような方針によって創造し、どのように社会に提供していくか、ということを端的にまとめた、「事業経営の見取り図」のようなものを指します。 ビジネスモデル、すなわち上記のような、事業を運営していくための理念や方針、従業員や関係者なども含め、何を目指し、何を達成するのか、何を価値として提供するか、という点については、経営者の考えが他経営陣や従業員に共有できていなかったり、事業経営を進めて行くなかで徐々に歪曲していくことが多く、一貫した運用が求められます。 ビジネスモデルを、企業に関わる人々のなかで明確に示し、確固たる理念に沿って適切に貫いていくためには、それを誰にでも伝わりやすく、明快に示すことが必須であり、ビジネスモデルキャンバスは、それを助ける効果的な手法として期待されています。

ビジネスモデルキャンバスの成り立ち

そもそも、「ビジネスモデルキャンバス」の概念は、2012年に日本でもリリースされた書籍「ビジネスモデル・ジェネレーション」にて広く世に知れ渡りました。 「ビジネスモデル・ジェネレーション」では、世界各国の優れた事例をもとに、ビジネスモデルキャンバスを軸として、「ビジネスモデルとは、根本的にどのようなものであるべきか」、それを踏まえ「ビジネスモデルをどのように作り上げるべきか」「それをどのように経営に反映させ実行していくべきか」というようなことが語られています。 この「ビジネスモデル・ジェネレーション」は新しい経営手法として大きく注目を集め、事例と共にイラストを豊富に活用することで、一般的なビジネス書にある堅さを極力なくして、親しみやすさにも配慮されている点などからも評価を得ています。 また、「ビジネスモデル・ジェネレーション」はその後もシリーズ化しており、ワークショップ形式のもの、特定の分野に向けたものなど、形を変えていくつかリリースされています。

ビジネスモデルキャンバスの中身

「ビジネスモデル・ジェネレーション」では、ビジネスモデルキャンバスという枠組みの中に9つの分野を設け、それぞれに、事業運営に際して欠かせない要素をマッピングすることを提唱しています。 【ビジネスモデルキャンバス:9つの分野】 1. Customer Segments 2. Value Propositions 3. Channels 4. Customer Relationships 5. Revenue Streams 6. Key Resources 7. Key Activities 8. Key Partners 9. Cost Structure これらを整理することで、不透明になってしまいがちな経営の根本的な方針や、扱うべき事柄が明確になる、とされています。 また、ポイントとなっているのは「一枚のマップの上でまとめる」という点で、ビジネスモデルが一目見てわかるような構成を取っているところに、このビジネスモデルキャンバスの有用性があります。 各社の事例を見ると、事業により、その内容は多岐にわたることが実感できます。

ビジネスモデルキャンバスの要素1:Customer Segments

Customer Segmentsは「顧客セグメント」として訳されており、会社として、どのような人物を顧客として想定するのか、ということを定義づける分野とされています。マーケティングなどでは「ターゲット」とされる分野です。 顧客として想定される人物や会社は具体的にどのようなものであるか、個人であれば性別や年齢、職業や住んでいる場所、嗜好などについて、会社であればどのような業態で、どんな業種に属し、どの程度の規模で運営されているか、などを指します。

ビジネスモデルキャンバスの要素2:Value Propositions

Value Propositionsは「価値提案」と訳され、その名の通り、どのような価値を提供するか、を定義づけるための分野となっています。 上記の顧客に対して、どんなことを提供することによってそれを事業とするのか、提供するサービスや商品はもちろんのこと、それらが同業他社と比べてどのように優れているのか、なぜ自社が選ばれるのか、ということを含め、明確にします。 「ビジネスモデル・ジェネレーション」で提唱される、ビジネスモデルキャンバスを用いた手法として、事業の存在を意味づける、根幹になる分野とも言えます。

ビジネスモデルキャンバスの要素3:Channels

Channelsとは、すなわち「価値提供のための方法」=「チャネル」で、どういった方法で顧客にアプローチし、どのようにその価値を提供するのか、を定義付けます。 顧客の存在する場所や、顧客の行動を想定したうえで、もっとも効果的な提供方法を考え、ビジネスモデルキャンバスの上に落とし込んでいきます。

ビジネスモデルキャンバスの要素4:Customer Relationships

Customer Relationshipsは「顧客との関係」ということを指しており、商品やサービス提供する(提供した)顧客と、どのような関係を持っていくか、ということを明確にする分野となっています。

ビジネスモデルキャンバスの要素5:Revenue Streams

Revenue Streamsとは「収益の流れ」のことで、自社の商品やサービスのうちで、収益となるものを明確にします。 ひとつの商品や一回のサービスから得られる収益はもちろんのこと、継続した収益や、二次的な金銭の流れまで、自社にとっての収益をすべてこちらの分野に表していきます。

ビジネスモデルキャンバスの要素6:Key Resources

Key Resourcesとは、「リソース」、すならち事業を運営していくために必要となる「資源」を指しており、「ビジネスモデル・ジェネレーション」においては、具体的に人材や資源、システム、情報、施設、などがそれにあたるとされています。 この分野を明確にすることで、経営のために必要となるものが明確になり、それが、それらをどのように調達し、維持していくか、という観点での管理につながっていきます。

ビジネスモデルキャンバスの要素7:Key Activities

Key Activitiesとは「主要活動」と訳され、事業経営にあたり必須となる、事業としての活動を定義付けます。 商品・サービスの提供はもちろんのこと、事業を運営していくために行われるさまざまな活動の中から、それら商品・サービス提供に直接つながる、主要な活動としてどんなものがあるのか、を明確にします。

ビジネスモデルキャンバスの要素8:Key Partners

Key Partnersとは「パートナー」を指し、自社の商品・サービス提供や、それを含む事業経営全般に協力してくれる、自社以外の協力者のことを指します。 取引先、という観点や、物品や資源の供給者、などがこれにあたります。

ビジネスモデルキャンバスの要素9:Cost Structure

Cost Structureとは「コスト構造」のことで、事業を経営していくにあたり発生するコストを指します。 前述の「リソース」はもちろんのこと、それぞれの事業活動にもコストはかかり、また商品を作るための資源や、サービス提供のための運営費などもこれにあたります。

ビジネスモデルキャンバスの活用

前述の「ビジネスモデル・ジェネレーション」では、世界各国の豊富な事例が掲載されています。 これら事例を、自社のビジネスモデルキャンバスにも活用していくことで、これまで見えていなかった経営上の偏りや問題点、また自社の持つ強みや今後の方向性などが明らかになっていきます。

ビジネスモデルキャンバスの事例

ここでは、架空のファーストフード店をもとに、事例としてビジネスモデルキャンバスを示します。 1. Customer Segments 10代~20代の男女、ファミリー その地域に住んでいる人達 手軽に飲食を済ませたい人達 食事の提供に「スピード」を求める人達 2. Value Propositions 低価格 いつでも一定の味 安全な食 清潔な飲食環境 3. Channels 店頭での販売 ドライブイン インターネットによる広告 スマートフォンアプリ SNS クーポン メール 4. Customer Relationships 地域活動 キャンペーン 会員向けニュースレター 会員向けクーポン 雇用の創出 5. Revenue Streams 商品の販売 6. Key Resources 販売スタッフ、調理スタッフ等の人材 企画や営業、経営などの会社側人材 輸送車両 店舗建物 調理機材や食器など 店舗管理のためのシステム データベースサーバやWebサーバなど 7. Key Activities 商品の提供、店舗運営 テレビやラジオ、紙媒体やWebでの広告活動 新しい商品の開発、サービスの改善等 雇用や人材の育成 8. Key Partners 材料メーカー 機材メーカー 各種デザイナー 店舗設備担当メーカー 店舗建築メーカー 9. Cost Structure 人件費 材料費 商品開発費 宣伝広告費 Webサイト運営費 デザイン費用 物流費用 店舗メンテンナンス費用 機材のリース費用

まとめ

ビジネスモデルキャンバスについて、まとめてみました。 上記事例にあるとおり、ひとえに「チャネル」「リソース」「コスト」などと言っても、その中身はさまざまで、業態によっても大きく変わってくるはずです。 いろいろな業種の事例を参考にしながら、それを自社のビジネスモデルキャンバスと照らし合わせて、より中身の濃いものに仕上げていけると理想的です。