【個人事業主の消費税】知っておくべきポイントまとめ

最近は、これまで各社で身に着けた技術やスキルを活かして個人事業主として独立する方が増えています。 また企業勤務の傍ら、副業として個人でさまざまな業種での開業をされるかたも増えています。 そうすると気になるのが、各種の税金。 勤務先の源泉徴収のころは、人事や総務に丸投げ・・・そして個人で事業を行いはじめると、これらをしっかりと知識として身に着けて、たった1人でしっかりチェックしなければならないものでもあります。

ですが、さまざまな税関連の業務は、理解しづらく、手続きが面倒な部分も多いもの。 今回は、そんな中でも「個人事業主の消費税」について、ポイントをまとめてみました。

目次

【消費税の前に・・・そもそも個人事業主って?】

消費税の考え方の以前に、「個人事業主って何?それってかっこいい?」なんて思われた方もあるかもしれません。

「個人事業主」とは、もともと「自営業」などとも呼ばれており、「合同会社や株式会社ほかの法人格を取得しないで、個人で事業を行っている人」の総称。 事業主一人だけ、家族や少人数の正社員やパート従業員などを使用した小さな規模の企業や店舗などが中心。ですが人数には制限がないため、大きな企業などを組織することも可能です。

ちなみに統計上では・・・

中小企業庁より

あまり知られていないのですが、日本全体を企業数でみると、そのうち57.6%ほどが個人事業主に分類されます!! 内訳含めてそのほかは・・・ 小規模企業(個人)54.8% 中規模企業(個人) 2.8% 小規模企業(会社)32.2% 中規模企業(会社)9.9% 大企業(会社) 0.3% 大企業(個人) 0.01% 大企業含めて、実はこんなにいるのです!! ※単純合計ではないため、小数点以下の誤差が生じています

参考までに、「常時雇用の」正社員の人数としては、法人所属の人が圧倒的。 中規模企業(会社)43.4% 大企業(会社)   37.1% 小規模企業(会社)10.8% 小規模企業(個人) 5.4% 中規模企業(個人) 3.2% 大企業(個人) 0.1% となっています。

個人でスタートして、大企業扱いの売り上げや人員数なんていう方もあるんですね。 夢が広がりますね!

【個人事業主は資本金や設立登記費用がないためすぐ始められる!】

事業を始めるにあたり、本当にお金をかけずにスタートしたいなら、個人事業主が最も安いのです。 ただ税務署に「個人事業の開廃業届出書」を提出するだけ。 専門家に書類作成などをお願いする必要もなく、A4判の紙と税務署までの交通費があれば、それだけでスタートできます。

ですが、このまま事業が大きくなっていったときには、納税や経費関連など、いろいろ手続きは面倒。 また仕入れと販売などの間に焦げ付きがあった場合、自らの資産をもって弁済しなければならないケースもあります。

たとえば税額などは400~500万円前後を境に法人の方がちょっとお得になります。また赤字がより長く繰り越せたり、責任範囲を限ることができたりなどなどの直接的な恩恵。 ・・・そして社会的な信頼なども加わり、融資や商売そのものにも有利に働きます。デメリットよりはメリットが大きいもの。

ですがビジネスにもスピード性が求められる現代。 フットワークが軽くスタートでき、事業が大きくなってからこうした法人としての設立の形を選択する人も多いのです。

【消費税って、あのレシートに載ってる8%でしょ? 個人事業主であることとなんの関係が?】

1989年に消費税法が施行されたときは3%、1997年には5%そして、2014年には8%となり、都度、消費増税前駆け込み需要や、その後の買い控えなどが見られました。 2019年10月には10%となる予定の消費税。

たしかに消費税は、今、あのレシートに載っている8%です。 一部レシートや領収証、請求書などでは、「消費税」として表示がないケースもあります。が、特別に記載されていなくても、普段私たちは店舗で物を購入するときなどに、8%分を上乗せして支払っていると一般的には扱われます。 むしろ非課税のほうが少ないため、領収書、請求書などでは「非課税」なら表示がしっかりとされているのが一般的です。

企業が販売する商品などを、仕入れ先から購入する時にも、当然ながらこの消費税が発生します。これらは内税もしくは外税で、先方から請求されて支払っているもの。 もちろんたとえば個人事業主が「自分が販売するものを仕入れる」現物の売買だけではなく、建物を借りたり買ったり、またそこで使う資材や備品などを購入したり、使っている建物や機材を補修したりといったときにも消費税は発生します。清掃や管理などサービスの提供をうけても当然消費税が発生します。 これらはいずれも店舗など、「なにか社会で事業を行っている人に対して」支払っている消費税です。

これは支払った先の事業者がいったん預かってあとから、消費者のかわりに納付しています。中学校くらいで習っているように「間接税」とよばれます。

支払った分は、そのまま店舗の懐に入るわけではありません。税というだけに、税金として納付されます。その店舗を経営する人=納税義務者である事業者がまとめて国に消費税として納めます。 その中から、国に6.3%、地方に1.7%と分けられます。

【個人事業主でも、一般企業と同じで、消費税を納める必要がある!】

個人事業主でも、商品の販売価格やサービス提供を始め、ほぼすべての業種の取引では、内税もしくは外税で消費税を消費者から預かっています。 代金表示上や請求書上の「消費税項目があるかないか」ではなく、税法上では日本で営業している事業取引の売り上げにおいては「特別な例外の場合でなければ消費税が含まれている」とみなされます。 間接税として預かっている消費税においては『基本的に』 (消費者から受け取った消費税)から(仕入にかかった消費税+経費にかかった消費税)を差し引きして、その差額を納税します。 ですが、日本で事業を行うすべての人が、例外なく毎期必ず消費税を国に納付しなければいけないわけではありません。

【個人事業主で消費税を調べていたら、課税事業者/免税事業者とあったのですが、何?】

税法上等での「事業者」とは、「個人事業者や法人、団体などで事業を行っている者全般」を指します。 そして、「個人事業主」と「法人」というのは、税法上で全く別のものとして扱われます。

この中で、 消費税を納める必要がある事業者を、個人法人問わず「課税事業者」 納めなくてもよい事業者を、個人法人問わず「免税事業者」 と呼びます。

【個人事業主が支払う消費税が免除されているのはどんなとき?~特定期間】

個人事業者が消費税の支払いを免除されるのは、 1:開業から最初の2年間(ただし例外あり) 2:「基準期間」と呼ばれる期間の課税売上高が1000万円以下の場合、「特定期間」と呼ばれる期間の課税売上高が1000万円を越えない場合 です。

2が例外部分の判定にかかる事柄です。

・・・ちなみに個人事業主(個人事業者)の消費税課税判定は?

『個人事業者』では 「基準期間」と呼ばれるのは、その年の前々年。 「特定期間」と呼ばれるのは、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間。 個人事業主だけでみると、「基準期間」で該当すれば、2年後から消費税の課税事業者に。「特定期間」で該当すれば、翌年から消費税の課税事業者になります・・・

・・・ちなみに法人事業者の消費税課税判定は?

ちなみに『法人事業者』の場合には、 「基準期間」はその事業年度の前々事業年度。 「特定期間」は、その事業年度の前事業年度開始日以後の6ヶ月間。 ※「特定期間」に免税の基準となっている1000万円を超えているかどうかの判定については、個人事業主で「課税売上高」の代わりに、「給与等支払額の合計額」からも計算して判定することもできます。 この場合、本人以外の従業員がおり、年の給与等の支払い総額が1000万円を超えているケースでは、もうすこしややこしくなります。 前々年の課税売上高が1000万円を超えていなくても、 特定期間に課税売上高1000万を超えていてさらに同じ特定期間の給与等の支払い総額も1000万円を超えている場合には「翌年の課税事業者」となります。 また、1人だけ=個人事業主だけが働いている場合、支払い給与は0円。事業主と一体なので給与支払いという概念がない状態であつかわれ「売上-仕入-経費」の金額すべてが所得相当となります。生活費は「事業主貸」として処理。住宅兼事業場費なども同じ個人口座から支払いますが、個人事業主が借りたり等で増減する形です。 この場合は・・

表にまとめるとちょうどこんな感じ。 一度選択した課税事業者/免税事業者について変更を行うときは、「提出期限は前課税期間の末日」までに届け出を行う必要があります。 ですが定められた資産を購入した時や、以前にこの変更の届け出を出している場合には、一定の期間変更の届け出が行えないことがあります。 詳しくは、下リンク先の様式に付属している「記載要領」で確認できます。

課税免税区分や計算方法選択の決定や変更関連の諸届については、個人事業主の場合、「前課税期間の末日」までに行うものが多いと、便宜上覚えておきましょう。

## ぶっちゃけ、多くの手続きでは、次の課税期間の始まる前週あたりには手続きにでかけておけば大きな損は被りにくいということです。 ## 課税期間最終日はさすがに駆け込み的な人も少なくなく、書類作成に時間がかかったり。 ## 必要書類を都税や市区町村役所から取り寄せねばならなかったり ## また金融機関を始め、証明する一部の書類は、先端系都市銀でも、一週間ほど必要です。 ## ## 最終日ではなく、おそくとも最終週頭までにまとめて手続きに出かけておくのがSMARTです。

・・・個人事業主は、免税事業者/課税事業者のどっちがオトクなのか?

中に「免税事業者も選べる」とあります。多くの方は、通常は、「免税事業者」となったほうが、納税しない分もフトコロに入れることができ、お得と思われるかもしれません。 個人か法人かという切り口ではなく、取引内容で、仕入れやその他手数料等の経費に対しての消費税課税分と、自らが消費者=自分の顧客に対して請求する消費税課税分のどちらが多いか・・・でオトク度がきまります! たとえば、受け取る消費税よりも、免税販売・・・輸出をメインとした業務では免税。 消費税の非課税取引・・・中古やコレクター用販売などではなくプリペイドカードなどを発行する業務、一定の障碍者などに向けた車両や機材など物品のレンタルや販売、修理、製作などの業務が中心であれば、個人事業主側には消費税請求自体が、免除ではなく非課税なので発生しません。 こうした業務とその他の販売等の業務が混在している事業では、請求書や取引についても、より正確にきっちりと分けておくのは個人事業主にとって必須です。

この取引業務が多い事業者の場合、敢えて「課税事業者」としたほうが、控除などが多く、計算上はお得になることが多いのです。 1000万円以下の場合で、「免税事業者」ではなく、敢えて「課税事業者」を選ぶのは、こういった個人事業主などです。

※また、法人に限って「特定新規設立法人」と呼ばれるタイプに該当するときには、この免税は受けられません。

たとえば事業が非常に順調で、前年や前々年に売り上げが集中しており、かつ1000万円を超える場合には、本年の売上高は1000万円以下でも、消費税の課税事業者となります。 すると「開業から2年間まるごとの、個人事業主の課税免除」が受けられないことがあります。

文言上では該当してしまうと個人も法人も、その年やその事業年度から「課税事業者」となります・・・というと誤解されやすいのですが、判定は前年や前々年・・・???

整理しましょう。

<ここで、消費税にかぎらず、あらゆる納税の基本!>

\\\\\\\\\\\\ ここから納税の基本 \\\\\\\\\\\\

まず税金の基本は、個人でも法人でも、また会社に勤務している人でも、業績や収入に対して、事後的に税金を納めます。翌年の頭にもととなる確定した金額の申告を行い還付や納付そのものを行います。 消費税の「課税事業者」となるかどうかも、先ほど書いたように、前年や前々年の売上や企業の状態を判定して決定されます。 (蛇足ですが:人数が多い源泉徴収適用者の場合、これが例外的に年間に分割して少しずつプールされることで、期末にまとめて引き去る経済的&支払いの遂行上の納税&徴税双方のリスクを緩和。確定は期末なので、年末調整が発生すると考えます)

\\\\\\\\\\\\ ここまでが納税の基本 \\\\\\\\\\\\

・・・ということは、 新規に開業した「個人事業主」の場合、前々年と前年の売上や経営状態が存在しない初年度は、「その年に、消費税分を納付する必要」がありません。←ここは組織変更など、免除の根本にかかわる例外的な事柄がない限り、皆共通で大切です! こうした判定基準を満たしている「個人事業主の」場合、翌年もしくは翌翌年から「課税事業者」となり、基準を超えている時点から見て「納税額の計算はいずれも翌年もしくは翌翌年」がベース。 だから申告は基準を超えている時点から見て「『翌年もしくは翌翌年』の収支が確定する翌年はじめ」ということになります。 組織を変更したりその他の条件がかわらないかぎり「納付は申告した数か月先である春あたり」となるのが普通です。 ここはしっかり押さえておきましょう!!

よくテレビで見かけるタレントさんたちには、事務所に所属しながらも納税面では個人事業者の扱いとなっている方も多いのですが「今年は売れないけど、かつてのブームの時の税金が、今年になってからドンっと請求されて」なんていう話は、このケースのこともあります。

【個人事業主が消費税の課税事業者となった場合の手続きは?】

「個人事業主」の場合、開業時の届け出以外、多くは源泉徴収による頻繁な税納付などが行われません。そのため、外から営業状態が見えにくいのです。 ということで、開業から2年の消費税の免除。 そしてその後も、1000万円の売上高その他の条件で消費税の免除となっている方は・・・「課税事業者になることがわかった時点で、定められた書式で、税務署に届け出をする義務」があります! 免除の2年を経過した後の申告や納税手続き、また法人化などにあわせた各種証明の請求などのタイミング上「あれ、出してなかった?」なんて請求でもされない限り、税務署側から開業した人に積極的に届け出を請求してくることはありません。

  ※ちなみに、まれにですが、一次的な高額納税や、自らや関連する他人の何かの売買他にかかる際に、届け出を請求されることがあります。 マルサではありませんが、うっかり見つかっちゃったというやつです。 大概は見つかるものです。

ちなみに、このときに届け出が必要な書式は国税庁のWebサイトに用意されており、いずれも文字による説明が並んでいる「消費税課税事業者届出書の記載要領等」と一緒に配布されています。 記入欄などがわかりにくいときは、税務署に出かけて窓口で請求すれば、書き方サンプルやマンツーマンでの説明を聞きながら、じっくりその場で書類ごと作成することもできます。   「このあたりは、好みの問題ですね・・・」

書式自体は、先ほどご紹介した「1000万円を2つの異なる期間で判定する」2つのタイプに分かれています。

1:その年の基準期間(前々年の1年間)の課税売上が1000万円を超えた場合の「第3-(1)号様式 消費税課税事業者届出書 基準期間用」 これは「その翌翌年から課税事業者になります」というもの。 支払い自体は翌年の年が終わった翌年で3月31日が納税期限となる

この書式は、下リンク内の国税庁ページから、PDFでダウンロード可能です。

出典:www.nta.go.jp

2:その年の特定期間(上半期の6か月間)の課税売上が1000万円を超えた場合の「第3-(2)号様式 消費税課税事業者届出書 特定期間用」 これは「その翌年から課税事業者になります」というもの。 支払い自体は翌年の年が終わった翌年で3月31日が納税期限となる方がほとんどです。 が、1と同様に、振替納税なら4月下旬となります。

この書式は、下リンク内の国税庁ページから、PDFでダウンロード可能です。

出典:www.nta.go.jp

しつこいようですが、もう一度言うと、課税の算定=事業による収益で納付額が計算されるよりも前。 「2つの種類と2つの年の期間における1000万円の判定基準」を超えた時点で、速やかに届け出る書類です。 ですが、そこから、翌年、もしくは翌翌年が課税事業者として計算されるもの。 忙しくしていると、忘れてしまいそうですよね・・・ ちなみに、開業してから2年間の免除事業者であった場合、その2年が終わる前にこの様式が送られてくることがあります。 「至れり尽くせりです!」

【内税・外税…顧客に請求した消費税、納税免除された個人事業主だとどうなるの?~オトクの仕組み】

「益税問題」ってご存知ですか? 先ほど、日本で営業している事業取引の売り上げでは、「消費税が含まれている」と税法上ではみなされるとご紹介しました。 この消費税分にかかる金額は、消費者から受け取っています。 請求書上も、売り上げに対してこの消費税分が項目として記載されます。 支払ってもらった後、この部分は「消費税の一時預かり分」として口座などにプールされます。 ・・・が、納税を免除された事業者「免税事業者」の場合には、この分がまるまるフトコロに入るわけです。        これが、「益税問題」! フトコロには入りますがこの部分には「所得税」が発生します。 ですが、よほど業績が爆増でもしない限り、1000万円以下の場合で推移しているのであれば、所得税もそれなり。 やはり免除を受けているほうが、一般的にはオトクになります。

免税事業者でありながら、消費税分を課すことには特に問題がないこちに対して、違和感を覚える方も多いようです。 フィーリングとしては、業績向上などの状態によってはこの先どのくらい消費税を納めることになるか予測がつきにくい部分もあり、そのために「今は明らかに免税事業者ゾーンだけれども価格表示上は課税」ということが問題にならないと考えるとわかりやすいかもしれません。

【えっ!個人事業主が提供している、事業で使う不動産売買で、消費税が請求されないケースがあるの?】

法人ではないので、資本金といった概念がない個人事業主。 たとえば、従業員を持たずに1人で事業を行っており、給与という概念がないタイプ。 住宅兼事業場として中古住宅などを提供している場合、もしくは中古住宅などを住宅兼事業場として取得する場合・・・これは会計上「元入金」や「事業主借」として計上します。 反復的にこの売買を繰り返す事業であれば、その売買自体が事業と同等とみなされ課税は免除されません。 個人が所有する「居住用住宅」で、かつ投資目的保有や業として取り扱うための建物ではない中古物件を 「不動産業者との間ではなく、個人間で」取得するケース 「事業主個人が売却する」ケース ・・・では「消費税」はかかりません。

そんなこともあり、法人でいう建物・資産関連で、すこしでも節税したい・・・免除できる部分はしっかりカットしたいというケースでは、個人to個人での取引という方法もあります。

また、個人間売買に見せかけていても、継続的に売買が行われている個人との間の売買では、あとから消費税額分が請求されることもあります。 悪質だとみなされた場合には、それなりの対応を求められることも・・・

ですが、「個人事業主だからこその取引収支関連」としては、金額ではバカになりません! 覚えておくと便利なしくみです。

※ちなみにこのタイプの売買では、消費税が発生しないことを、一般の売買書式や請求、領収証の中で、項目として「0円」「×」などとしてしっかり記載していることが普通です。

※新古物件以外の新築物件の個人間売買は、消費税を免除されることは通常ありません。 というのも、新築物件は、その建築許可や建築そのもの含めて「業として行うもの」がほとんどすべてだからです。個人で建築する大工さんでも、それは業として建てているもの。 通常は建築中にも保険などをかけていることからも、業であることが通常認定されます。 例外的なのが、別荘地などに建てられるような小さな作業小屋的なもので、個人が趣味で建てたもの。建築許可関連の制約を受けない物件などもあります。 新築とはいえ、一般の不動産売買情報では「完全に新築」としては扱われにくいもの。ですが、売買する側の個人間でみれば、実質新築の個人といえるかもしれません。 新築後にだれか個人が住居用として購入しちょっと居住したものの、手放すことになった物件の個人間売買は「いろいろな実勢によって判断されるケースも無くはありませんが」通常は中古売買にあたります。

※個人が業務を兼ねて使用している車両については、判断が分かれるところです。通常は、通勤・通学用として使っていたものや、レジャー用として使っていたもので個人所有のものを個人が売却した場合は非課税扱いです。 ですが、業務で使用するために保有していた場合は課税対象となります。 このあたりは、自動車保険などでも同様の区分で契約内容や割引、等級判断が分かれてくるため、利用実勢の他に保険契約ベースでも消費税が必要な取引か否かが判断されるのが一般的です。

【個人事業主の消費税額計算って?】

先ほども簡単にご紹介したように、国に納税する消費税額計算式は、 ================================ [消費者から受け取った消費税]-([仕入にかかった消費税]+[経費にかかった消費税])=その差額を納税します。 ================================

ですが、いかに業務そのものを「1品目の製造販売」や、「販売方法をある程度絞った」形にしても、仕入れ量や返品、見本提供や、各種の送料、保険など含め、計算は複雑になりがちです。 そもそも事業では、さまざまな業種の取引が混在することが多いのです。

たとえばIT関連で「小規模企業の事務所で、インターネット端末のサポートやLAN配線と設備、システムのプログラミング、購入」などを行っているとすると「小売り、工事業、サービス業関連」となります。あとからご紹介する「みなし仕入れ率」とよばれるものを始め、税法上での取り扱いが、この業種などによってことなるため、計算は複雑。 ここに輸出入や外貨決済などが絡んでくると、さらに計算は複雑になります。 そこで、消費税額を簡単に計算するさまざまな仕組みが存在しています。

具体的には、一つ一つの仕入れなどを個別にみて計算していくものや、丸ごと業種別の仕入れの中の消費税の割合を概算するもの。 そして、課税額の計算に際しては、事業で発生する売り上げを、「免税・課税・非課税・(不課税)」に分けて「消費税が課された売上」を別に取り出す必要があります。この数字を『課税売上割合』といいます。

   ちなみにその計算式は・・・    『課税売上割合』=(課税売上+免税売上)÷(課税売上+免税売上+非課税売上)       この課税売上割合は、実は非常に重要!! どの計算方法を適用するかですが、

1:まず、「免税事業者」か「課税事業者」のどちらに該当するか 2:「課税事業者」の中で「簡易課税(※事前の届け出必要)」という方法を使うか、使わないか 3:使わないなら『課税売上割合』が95%「以上」か「未満」か 4:「未満」なら「一括比例配分方式」か「個別対応方式」か で分けて、「このなかからいずれか1つの」計算方法を適用していきます。

ちなみに、一般的な企業会計では、細かいあれこれの項目について「どの部分にどの計算方法を適用すれば、もっとも税額が小さく抑えられるか」をあらゆる角度から、複数で延々計算しつつ、今年の申告方法をセレクトするというのが基本。 個人事業主では、比較的、計算方法でこの差分が大きく出せます。 つぎからじっくり学んでいきましょう。

<個人事業主の消費税~免税事業者>

「業績が落ち着いた」ということで、先ほどまでにご紹介してきた1000万円を2つの期間で判定する方法で、「これまで課税事業者」だった個人事業主が「免税事業者」となる場合には、確定次第の届け出が必要です。

先ほど「・・・ちなみに法人事業者の消費税課税判定は?」の項でご紹介したように、「免税事業者」に該当しても、還付金他の手続きのために「課税事業者」、またどちらかが選べる状態で「免税事業者」を選択してなど、「消費税課税事業者選択(適用/不適用)届出手続」を行っているケースがあります。 届け出をしてから最低2年の間は、この適用が続きます。

<個人事業主の消費税~通常の課税事業者>

まず通常の納税額の計算・・・ 1年間に事業を通じて消費者等から預かった消費税から、事業主が仕入れや経費として実際に支払った消費税を差し引きして算出するものは「本則課税(「原則課税方式」)」といいます。 これが基本。

「免税事業者」「課税事業者」のどちらかが選べる状態で課税を選択し「消費税課税事業者選択適用届出手続」を行っているケースがあります。 届け出をしてから最低2年の間は、この適用が続きます。 これに加えて、この2年間に100万円以上の固定資産(1個当たり/=調整対象固定資産)を取得した場合は、課税事業者である状態がさらに1年つづき、「課税事業者としては3年縛り」となります。 「調整対象固定資産」とよぶ、 「課税売上割合が著しく変動した資産」や 「使用形態を転用した資産」があり仕入税額控除をしたときには、この分の消費税を3年後に納付する必要があることもあり、注意が必要です。

高額特定資産の仕入れ等を行ったことにより消費税法第12条の4第1項の適用を受ける課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった課税事業者

また平成28年度税制改正で新しくできた、この「調整対象固定資産」に上乗せする形で、1000万円以上の固定資産や棚卸資産を取得した場合に適用される「高額特定資産」というものがあります。 これを取得した時には、免税、課税は、現在ある固定資産などの価額の評価や、取得時の一時的な資金の減少によって、免税、課税などを使い分け、控除を受けたほうが良いケースもあります。 該当する「高額特定資産」を取得した時は、届け出が必要です。

<個人事業主の消費税~簡易課税事業者>

「簡易課税制度」は、業種別のみなし仕入れ率で、課税額を計算する方法。課税売上高が5,000万円以下の場合に選択できます。 「簡易課税制度」を選択もしくは不選択となる場合には、あらかじめ、前の課税期間の末日までに届け出て、適用を受けることになります。

簡易課税制度による課税額=事業により預かった消費税 -(事業により預かった消費税 × みなし仕入率)

一種類の事業だけを行っている場合は、上記の式で計算できます。 1社の業務内に複数分野に該当する業務を行っていれば、計算に使用するための「みなし仕入れ率」、それぞれで異なります。 この「みなし仕入れ率」部分は一覧があり、業種により分かれ、さらに取引により適用がことなります。 取引内部での適用では、たとえばITによくある機材購買と、工事と開発をひとくくりにした案件などでは、合計請求額面では合算したほうがビジネス上の書式では良いのです。 が、明細部分でそれぞれを分けて、個別に消費税などを出しておけば、こうした諸手続き面で便利です。

第一種事業(卸売業)90% 第二種事業(小売業)80% 第三種事業(農業、林業、漁業、工業、建設業、製造業等)70% 第四種事業(その他、飲食業などのサービス業等)60% 第五種事業(金融保険業、運輸通信業、飲食店以外のサービス業等)50% 第六種事業(不動産業等)40%

が、二種類以上の事業を行っている場合は、『簡便法』と呼ばれる方式もしくは計算が非常に複雑な『原則法』と呼ばれる方式で計算を行うことになります。

ちなみにこのうち『簡便法』は i)2種類以上の事業を行っており、「そのうち1つで課税売上が75%以上」の場合は、そのみなし仕入率で計算できます。 それ以外では、 第一種事業の消費税 × 90% + 第二種事業の消費税 × 80% + 第三種事業の消費税 × 70% + 第四種事業の消費税 × 60% + 第五種事業の消費税 × 50% + 第六種事業の消費税 × 40%= 仕入控除税額

ii)3種類の事業を営んでいる場合、「そのうち2つで課税売上75%を占める」場合は、その2つのうちで、「みなし仕入率の高い事業に関連の売上では、そのみなし仕入率を適用、低いほうのみなし仕入れ率でいちばん高い事業以外の売り上げを計算」することができます。 (これも『簡便法』) たとえば第二種事業がメインで第六種事業が2番目なら 第二種事業の消費税 × 80% + (課税売上全体の消費税―第二種事業の消費税)×40% = 仕入控除税額 ※この40%は第六種事業のみなし仕入れの消費税率 として求められます。

2種類以上の事業をおこなう事業者が、事業ごとに課税売上げを区分していない場合、   「区分をしていない部分」については、「区分していない事業」の中で「一番低いみなし仕入率」を適用して仕入控除税額を算出。 そのため、一般の事業者では、かなり不利な条件となります。

ちなみに、『簡便法』ですが、いずれにおいても「貸倒回収」があったり「売上対価の返還等で控除しきれない場合」などでは使用できず、『原則法』での計算を行わなければなりません。

ちなみに、どうしてもものぐさで帳簿がつけられない・・・という方、こちらの方法では簡単な消費税計算方法で、かつ、仕入れ税額控除のために帳簿を備えなくてもいいのです! やわらかく言えば「比較的ざっくりとした計算方法」なので、一般的にはIT系でPGやSE、コンサルなど頭をつかって、あまり機材や仕入れなどで支払いが起きない業種=これをサービス業などの区分で計算すると、かなりオトクに! ですがNWエンジニアでインフラ構築系などでは、たとえばケーブル敷設や有資格者を雇っての工事なども発生し、資材を提供していれば、仕入れだけでなく雑損他も増えます。税負担が増え、非常に損をしてしまいます。(この場合工事部分などは別に扱うと、こまめな適用でメリットが増えます) 仕入税額控除用の帳簿はつけていなくても、売上区分だけはしっかりやっておけば、「みなし仕入れ率」であまりに不利な扱いを受けることはありません。 その点は便利です。

<個人事業主の消費税~簡易課税を適用しない課税事業者>

簡易課税を適用しない課税事業者の場合、『課税売上割合』が「95%未満か、以上か」で異なります。

・・・課税売上割合が95%未満の場合 「個別対応方式」か「 一括比例配分方式」

i)個別対応方式 この二つの方式では、一般的に「個別対応方式」のほうが税制上有利。 ですが   ◆「課税売上のための仕入れ」   ▲「非課税売上のための仕入れ」   「課税売上と非課税売上のため共通した仕入れ」 にそれぞれかかる消費税を別々に記録しておかなければなりません。 そして、◆ + (▲ × 課税売上割合)= 「仕入れ控除税額」を計算し、 事業で預かった消費税額―「仕入れ控除税額」=納付する消費税額 とします。

ii)一括比例配分方式   非常に計算自体はシンプル。   課税仕入れ等の消費税 × 課税売上割合 = 「仕入れ控除税額」を計算し、 事業で預かった消費税額―「仕入れ控除税額」=納付する消費税額 とします。 この ii)の一括比例配分方式では、他の課税計算方式選択や、「免税事業者」、「課税事業者」の選択による各種届出と同じで、下の届け出を出した後は、2年間その方式を変えることができませんので、注意が必要です。

・・・課税売上割合が95%以上の場合

『課税売上割合』が95%以上= 課税仕入れの全額を控除できる「本則課税(「原則課税方式」)」となります。 とくに個人事業者の中で、1000万円を超える方は、非常にまれな存在です。 「儲かってるからどんぶり勘定でも、余裕かな!国税にくれてやる!」的な発想の方もないわけではありませんが、ゆとりある事業だからといって油断は禁物。 やはり控除額にかなり直接響くので、『課税売上割合』を意識したコツコツ事務作業は大切です。

【個人事業主が支払う消費税額によっては、納付や申告が年1回では済まないの?】

法人同様に、個人事業主の場合も、前年の消費税額に応じて、「消費税を年末でなく期の途中で納税」しなければならない方があります。 前年の消費税額が48万円を超えている場合が該当し、納める税額を計算してきて記入された納付書が、税務署から5月ごろ届きます。 通常は、年間の納付額の半額(もしくはそれ以上に分割された額)が送られてくるので、なかなか壮観です。 そういえば・・・!自動車税などと同じ時期です。 とくに収入に波のある方も多い個人事業主では厳しいものがありますね・・・ ちなみにこれは「中間申告・中間納付」と呼ばれます。 個人事業主の課税事業者のなかで、消費税額に応じて、必要とされる「中間申告回数」が課せられています。 消費税額4800万円を超えている  年11回      400万円を超え4800万円以下 年 3回 48万円を超え 400万円以下 年 1回 48万円以下は中間申告は不要(分納したいなどの理由で、申告してもOK)

これは義務なので、届いてしまえば、銀行等で払わなければなりません。 ちなみに仕訳は「租税公課」から直接か、 決算仕訳を「仮払消費税」で行うので「未払消費税」で処理します。

 !  ここで耳寄りなお知らせです  ! 税務署への届け出で「課税期間の特例制度の適用届出」を行っている場合は中間納税を行わずに済みます。 この手続きについては、その課税期間内の手続きで適用されます。

【個人事業主の消費税支払いについて、いかがでしたか?】

非常にわかりにくい納税関連。 とくに個人事業主の場合は、法人や源泉徴収を受けている人にくらべて情報がすくなく、経営管理に関しても、人事総務関連手続きに関しても、頭を悩ませる方が少なくありません。 制度自体も法や運用細部が頻繁に変わる部分もあり、毎年申告前に、しっかりリンク先の国税庁ページやタックスアンサーなどをご確認いただくことをお勧めします!