【お伺いします】お伺いいたしますは間違い?よく使われる敬語表現

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まずはどんな場面で「お伺いします」や「お伺いいたします」という言葉が使われているか考えてみましょう。商談や上司との会話やメールなどのビジネスシーンでしょうか。それとも目上の人と話す日常生活の場面でしょうか。いずれにせよ「伺う」を使う場面は、相手に失礼がないように敬語を使いたいと思う場面です。次に例文から使われている場面を考えてみましょう。 例文1 「それでは、明日〇〇時にお伺いたします」 例文2 「お話をお伺いします」 同じ「伺う」を使った文ですが例文1と例文2では異なる意味の動詞になっています。また、「お」や「いたします」をつけた方が丁寧な感じしますが、正しいのでしょうか。まずは伺うという言葉の意味から始めて、「お」や「いたします」などの正しい表現についても理解をしていきましょう。

「伺う」の意味

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伺うという言葉は2つの意味があり、それぞれの動詞の謙譲語になります。謙譲語は敬語の種類ですので、伺うという言葉は敬語になります。 ① 「聞く・尋ねる」 例文「お噂はかねがね伺っています」 例文を通常の言い回しに変えると「噂を前々から聞いている」となります。この聞いているのに対して、「伺っている」と敬語に置き換え相手に敬意を表しています。 ② 「訪れる・行く」 例文「先生のところへ伺います」 例文を通常の言い回しに変えると「先生のところへ行きます」となります。行くに対して「伺う」と敬語に置き換え相手に敬意を表しています。伺うの意味としては、こちらの使い方が一番知られているのではないでしょうか。

敬語の種類と二重敬語

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尊敬語

相手や話題に登場する人物の行為・ものごと・状態などについて、その人物に敬意を表し表現します。

行為についての尊敬語

相手の動詞を尊敬語にしたものです。例として「居る」は「いらっしゃる」、「する」は「なさる」、「言う」は「おっしゃる」などが挙げられます。 例文「○○さんはこちらにいらっしゃいませんか」

ものごとについての尊敬語

ものごと(名詞)を尊敬語にしたもので、「お名前」「ご住所」などがあります。

状態についての尊敬語

状態(形容詞など)を尊敬語にしたものになります。例としては「お忙しい」「お若い」などが挙げられます。 中見出し:謙譲語 謙譲語は自分側から相手側へ向かう行為・ものごとなどについて、向かう先の人を立てて使うものとしています。簡単に言うと自分を低めることにより、その相手方の人を高めることで敬意を表します。

行為についての謙譲語

「伺う」は、相手の行為に対する謙譲語になります。 自分か行くという代わりに「私が伺います」とすることで、相手を立てる言い方になります。その他には「申し上げる」や「ご案内する」などあります。謙譲語で注意が必要なのは、立てるべきでない相手に使用することです。「お待ちする」を使った2つの例文で考えてみます。 ① 「(私が)弟をお待ちする」 ② 「(私が)社長をお待ちする」 私が立てている相手は①では弟、②では社長です。①は立てるべきではない相手ですので間違いとなります。

ものごとについての謙譲語

「ご説明」や「お手紙」などが該当します。

丁寧語 

話や文章の相手に対して丁寧なに述べて敬意を表します。「~です」「~ます」「~ございます」などが代表的な丁寧語です。伺いますは伺うに丁寧語の「ます」を付けた形になります。

二重敬語

一つの語について、敬語を二重に使ったものを「二重敬語」といいます。例としては「ご覧になられる」があります。これは「見る」という意味の動詞の尊敬語「ご覧になる」に「られる」という尊敬語を使っています。二重敬語は一般に適切でないとされています。

お伺いいたしますとお伺いしますはどちらも二重敬語

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「お伺いいたします」と「お伺いします」を単語で敬語の種類で分け、それぞれ意味を考えていきます。

お伺いいたします

伺うという敬語に「お」という尊敬語をつけ、「する」という動詞を「いたします」という敬語にしていますので二重敬語になります。

お伺いします

こちらも伺うに「お」という尊敬語をつけていますので二重敬語になります。しかし、「お伺いします」は習慣として定着していると認められている二重敬語とされています。

例文でお伺いいたしますとお伺いしますを比較

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習慣として定着している言葉とは、どこかで聞いたことや使ったことがある言葉だといくことです。そこで主語と自分と他人に分けた例文を使ってお伺いいたします、お伺いしますと伺いますを比較したいと思います。ここでの評価は、正しいというよりは感覚的なものとなりますので、参考程度に捉えてください。

主語が自分の場合

小見出し:先生にお話をお伺いいたします/お伺いします/伺います  「先生に話を聞きます」という意味の文が元となっています。「お伺いします」については時折キャスターなど報道関係者の発言でも耳にすることがありますが、「お伺いいたします」は文面でみるとやはり過剰な表現だ感じます。

主語が自分でない場合

私の部下が先生のところへお伺いいたします/お伺いします/伺います 元の文は「私部下が先生のところへ行きます」になります。ここでの主語は部下です。先生と私、そして部下の関係から先生を立てる謙譲語を使っています。行くのが部下ということもあり、ついつい丁寧にと「いたします」とつけてしまいがちですが過剰になることは変わりありません。 例文の限りでは主語が自分の場合、相手を立てたいという気持ちからついつい過剰な表現をしてしまうのではないと考えられます。またお伺いしますについては、こちらの方がやはりどこかで聞いたことがあるなど耳馴染みがありました。このあたりが、一般的になっているという点でしょうか。どちらの例でも「伺います」と表現することが適切です。

お伺いいたしますは間違いか

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お伺いいたしますは一般的に適切でない二重敬語とされていることと、先の例文からみても過剰な表現と言えます。完全に間違いではなくとも、敬意を払いすぎる表現は時として相手にマイナスな印象も与えかねません。よってここで間違いとしたいとしたいと思います。

お伺いしますは間違いか

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お伺いしますも同様に二重敬語ですので間違いと言えます。しかし一般的に使われていることから、断定まではできません。よって敢えて使うべきではない表現であると言えます。

お伺いいたします・お伺いします以外によく使う二重敬語

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「伺います」とお伺いしますのように、よく使われる二重敬語についてまとめてみました。はじめに間違いとして二重敬語の例を挙げ、矢印のあとに正しい言い方にしています。 「おっしゃられていました」→「おっしゃる」 「お越しになられる」→「お越しになる」 「お帰りになられる」→「お帰りになる」 「お召し上がりになられる」→「召し上がる」 「お承りました」→「承りました」

敬語は人間関係を表す大切なもの

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敬語は個人の気持ちだけでなく年齢や経験、社会的立場や相手の存在自体など色々な状況に対しても敬意を払い表現するものです。正しく使えば自分の相手にどんな気持ちを持っているとか、立場や人間関係のような状況をどのように考えているかを伝えることができる便利な言葉です。

まとめ

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いかがでしたか?伺うという言葉の意味と敬語の種類を確認していくと、「お伺いいたします」と「お伺いします」は二重敬語でしたのでどちらも適切な表現ではなく、正確には「伺います」が適切な表現でした。しかし敬語は習慣化し定着しているものは認めていくものですので、「お伺いします」は広義では適切となります。 敬語は相手や場面に配慮して使うことが大切です。いくら一般的に使っているといっても、話をする相手によってはその敬語を間違いと理解するかもしれません。ですから正しく敬語を使用してより良いコミュニケーションが行えるよう心掛けたいものです。これを機会に敬語についての正しく使いたいと思って頂いたり、日本語について興味を持って頂けたら幸いです。