【お願い申し上げます】ビジネスでよく使われる敬語表現の意味と使い方

目次

「お願い申し上げます」と「お願いいたします」どちらが正しい?

「よろしくお願い申し上げます」と「よろしくお願いいたします」は、相手に何か依頼をする際に使う敬語表現になります。 しかし、この2つを使い分けているという方は意外と少なく、その時の雰囲気で使っているという方が多数いるようです。 どちらかというと「よろしくお願い申し上げます」を使用しており人が多いようです。 では「お願い申し上げます」と「お願いいたします」にはどんな違いがあり、どのような使い分けをするべきなのでしょうか。

<お願い申し上げますの前に>敬語とは?

敬語は大きく分けて「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種類があります。 ●丁寧語 →ものごとを丁寧に表現する。 丁寧な言葉遣いで相手を敬意を表すいい方 語尾を「~です」「~ます」「~ございます」とするのが、主な特徴です。 ●尊敬語 →相手に対して敬意を表現する 相手の動作や持ち物など、相手に関わるものごとについて述べるときに用います。 「お客様がいらっしゃいます」のように主語は相手になります。 また、「御社」「ご担当の方」など、相手をさす語は尊敬語に分類されます。 ●謙譲語 →自分や自分の身内についてへりくだって表現する 自分や自分の身内にまつわるものの動作や持ち物について述べるときに用います。 「私が伺います」「弊社の担当が参ります」のように、主語が自分やその身内、自分の組織の人になります。

「お願い申し上げます」と「お願いいたします」どちらを使っても丁寧!

「お願い申し上げます」と「お願いいたします」、結論はどちらを使用しても、文法上間違いがなく、丁寧というのがいまの答えです。 その理由を以下に書いていきます。

「お願い申し上げます」と「お願いいたします」の違いはお願いを「言う or する」

「何卒よろしくお願い申し上げます」「何卒よろしくお願いいたします」の違っている部分は、「もうす」と「いたす」の敬語と意味を理解しておくと簡単にわかります。 1. 「申す」は「言う」の謙譲語 2. 「いたす」は「する」の謙譲語 「何卒よろしくお願い申し上げます」は直訳すると「お願いを言う」(=動作を表す)となります。 「何卒よろしくお願いいたします」は直訳すると「お願いをする」(=言葉を発する)という意味になります。

お願いは「言う」なのか「する」どちらか?

常識的に考えると、お願いは「する」であって「言う」ではないはずです。 ただし、これに関して答えはありません。 お願いごとは「言う」ものだ、という人も中にはいらっしゃるでしょう。 なので結論としては、「お願い申し上げます」も「お願いいたします」もどちらも正しくとっているのが現状です。

「いたします」は良くて「致します」が違うと言う意見

同じ「いたします」だよね?という方もいらっしゃると思います。 本当に細かくいうと、ひらがなで書くのが正解という意見があります、 それは日常的に使う「よろしくお願い致します」という言葉。しかし「致します」と漢字で記載するか、「いたします」とひら仮名で記載するかで用法が異なるからです。 ●「致します」は動詞の用法になり、“そのことが元で、よくない結果を引き起こす”という意味が含まれます。 ●「いたします」は補助動詞「する」の謙譲語・丁寧語の用法です。 つまり、「よろしくお願いいたします」が正しい用法なのです。

「お願い申し上げます」「お願いいたします」の具体的な事例

「お願い申し上げます」「お願いいたします」、結論どちらでも大丈夫です。 人によっては、 ●一つだけ使疎くどいから使い分ける ●「お願いいたします」より「お願い申し上げます」の方が丁寧だと感じる ●文法を細かく見たら、お願いはするものだから「お願いいたします」を使う など様々です。 「お願い申し上げます」「お願いいたします」結論は一番使いやすい形で大丈夫です。 それでも心配だというあなたのために、念のためビジネスメールの例を書いておきます。

<「お願い申し上げます」「お願いいたします」の具体的な事例>例文1お詫びメール

件名:納期遅延のお詫び(転職会社・転職) 〜前略〜 このたびは、商品○○○につきまして、納期が遅れましたことを心よりお詫び申し上げます。 原因を調査しましたところ、弊社内における事務手続きの不手際であることが判明いたしました。ご迷惑をおかけしましたこと、重ねてお詫びいたします。 再発防止に向け、チェック機能の見直しを実施して参りますので、今後とも変わらぬお引き立てのほど、何卒よろしくお願いいたします。また、近日中にお詫びに伺いたく存じます。 本来であれば直接伺いお詫びすべきところ、甚だ略儀ではございますが、 まずは書面にてご連絡申し上げます。

<「お願い申し上げます」「お願いいたします」の具体的な事例>例文2転勤の挨拶(社内メール)

メール件名:転勤のご挨拶 メール本文: 皆さま お疲れさまです。 さて私こと、 ○月○日を持ちまして、○○支社に転勤することとなりました。 本社勤務中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。 新天地においても、これまで以上に日々努力を重ねていきたいと思っております。 今後ともご指導、ご鞭撻のほど、 何卒よろしくお願い申し上げます。

英語での「よろしくお願い申し上げます」

日本の「よろしくお願い申し上げます」はある意味、万能です。 だからこそ英語で使いたい!となった時、そのまま直訳して大丈夫かと言ったら違います。 その場面ごとによって言葉が変わります。

<英語×お願い申し上げます>初めて会った時の「よろしくお願い申し上げます」

Nice to meet you./It’s pleasure to meet you.(丁寧)  直訳すると「会えてよかった」という意味になります。 ここでの「よろしくお願い申し上げます」は、会えたことに対して、嬉しい気持ちを表して使います。

<英語×お願い申し上げます>●出会いが終わった時(別れ際)の「よろしくお願い申し上げます」

Nice meeting you./Let’s keep in touch. 直訳すると「会えてよかった」「関係性を続けましょう」 などここでの「よろしくお願い申し上げます」は、初めて会った時に言うより、今後に向けての言葉の意味になります。

<英語×お願い申し上げます>会議や打ち合わせの時の「よろしくお願い申し上げます」

Thank you for taking time to meet us./We appreciate you coming.  直訳すると「私たちに会うために時間をとってくれてありがとう」「きてくれてありがとう」と言う意味になります。 などここでの「よろしくお願い申し上げます」は、相手に敬意を表す要素が強い、言い方になります。

<英語×お願い申し上げます>頼みごとをした時の「よろしくお願い申し上げます」

Thank you./I’m counting on you. 直訳すると「ありがとう」「あなたを頼りにしているよ」と言う意味になります。 ありがとう、よろしく。などここでの「よろしくお願い申し上げます」は、感謝の要素が強い、言い方になります。

<英語×お願い申し上げます>その場にいない人に対して伝える時の「よろしくお願い申し上げます」

Please say hello to ~. ※その場にいない人に伝える時 直訳すると「〜によろしくと伝えておいて」と言う意味になります。 ここでの「よろしくお願い申し上げます」は、直訳通り、その場にいない人に対して、「よろしくお伝えください」という言い方です。

<英語×お願い申し上げます>ビジネスメールで伝える時の「よろしくお願い申し上げます」

Best regards/Most sincerely 直訳すると「敬意を込めて」「真心を込めて」と言う意味になります。 ここでの「よろしくお願い申し上げます」は、敬具など文末での決まり文句となっています。

「よろしくお願い申し上げます」に対する返事は?

「よろしくお願い申し上げます」に対して、より丁寧な答え方をこちらで書いていきます。

<「よろしくお願い申し上げます」に対する返事は?>「こちらこそ」をつけて返答する

会話の最後に、よく「よろしくお願いします。」と思います。 そんな時は、「こちらこそ、よろしくお願いします」のように、最初に言葉を付け加えるとより、丁寧なお返しになります。更により丁寧にと言う場合「何かと至らない点もあるかと存じますが、こちらこそよろしくお願い申し上げます。」とつけましょう。

<「よろしくお願い申し上げます」に対する返事は?>お願いされている動作や物事をつけて返答する

相手からお願いされていることを入れて、確認の意味を含めて返答することもできます。 例) ●お気遣いありがとうございます。 →相手から「健康にはくれぐれもご留意するよう、よろしくお願い申し上げます」と言われたときの返答 です。 ●それでは9時に伺います。 →相手から「9時に待ち合わせることが可能でしょうか。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」と言われたときの返答です。

「お願い申し上げます」以外の、気になる!?間違いやすい!?ビジネスで使う敬語

この言葉あっているのかな?と気になったら止まりませんよね。 もう少しだけ間違いやすい言葉をこちらで書いていきます。

「御社」と「貴社」

どちらも相手の会社を敬う丁寧な言葉ですが、話し言葉の場合は「御社」、書き言葉の場合は「貴社」を使います。 使い分けされる理由は、「貴社」には同音異義語がたくさんあるからです。口頭で「貴社(キシャ)」と言っても、「記者」「汽車」「帰社」など、どのキシャを指しているのか瞬時にはわかりません。

「お世話になっております」

仕事をしていると何かと「お世話になります」と言う人がいますよね。 しかし本来面識のない人や、まだ取引が始まっていない人には使えません。 「初めてメールを送らせていただきます」「突然のご連絡で、失礼いたします」といった言葉を使うと良いでしょう。 ちなみに個人で面識がないとしても、会社としては既に取引があるという場合には、「お世話になっております」という書き出しでも問題ありません。

「拝見させていただきました」

これは二重敬語といわれるもので、文法上間違いです。 言葉知らないのかな?と思われるので気をつけましょう。 「拝見しました。」と使うようにしましょう。

「お身体ご自愛ください」

これも文法上間違いです。 「頭が頭痛する」と聞いたらおかしいですよね? それは「頭痛」の言葉の中に、すでに「頭が痛い」という頭の要素が入っているからですね。 「お身体ご自愛ください」も同じ間違いです。 「自愛」の中に、すでに「体を大事にする」と言う意味が含まれているためです。

「了解しました」 → 「かしこまりました」

上司には「了解しました」は使いません。 「了解しました」は、「了解」に「しました」をつけた丁寧語で、尊敬語ではありません。 部下や同僚に使う場合は問題ありませんが、目上の人やお客様に対して使うのは失礼にあたります。 「承知しました」「かしこまりました」が適当です。

「大変参考になりました」 → 「大変勉強になりました」

「参考」という言葉は、“自分の考えを決める際の足しにする”といった意味で、目上の人や取引先の人に使うと失礼にあたります。 つまり、もともと知っていた知識に、上司の考えはプラスアルファしただけで、まーなくてもよかったよという意味になるんです。 相手に「参考程度だったのか」と思われないよう、「勉強になりました」という表現を使用すると良いでしょう。

「取り急ぎ◯◯まで」 → 「まずは、◯◯申し上げます」

「取り急ぎ」は、急用でも失礼のないように用件を伝えられる便利な言葉ですが、省略の意であることを忘れてはいけません。 「取り急ぎ」には、「もろもろの儀礼・説明を省略し用件だけを伝える意」という意味があり、親しい先輩や同僚には使っても問題ありませんが、目上の方や取引先の人に使うのは失礼にあたります。 今忙しいからちょっと言っておくなーと適当に省略して言ったような印象を与えてしまいます。 「まずは、◯◯申し上げます」「◯◯のみにて、失礼いたします」と書くようにしましょう。

「〜させていただいております」 → 「〜しております」

丁寧にと思って「させていただきます」を連発する人がいます。 しかしそもそも「させていただきます」は、基本的に「自分のすることが相手に良い影響を与えるとき」「相手の許可が必要なとき」のみ使える表現です。 相手からの要望があって成り立つ言葉なので、相手が頼んでいない場面で使用すると、失礼な印象を与えることもあります。 「〜しております」「〜いたします」を使うようにしましょう。

「ご承知おきください」→「お含みおきください」

「承知」は謙譲語となるため、「ご」をつけると二重敬語となります。 また、「ご承知おきください」は、「知っておいてくださいね」という意味の命令形になってしまうため、目上の人には使えません。 上司に向かって知っておけよ!と間違った敬語、かつ命令をしていることになります。 「お含みおきください」と、お願いする形の言葉を使いましょう。

きちんと敬語を使おう。「よろしくお願い申し上げます」は使いすぎに要注意

相手にお願いするときや依頼するときの締めの言葉として、「よろしくお願い申し上げます」はとっても便利な言葉です。 形式的に使っている人も多いですが、同じ言葉を使いすぎると、相手に上っ面だけの人と言うイメージを持たれてしまいます。 相手との関係や文章中のバランスを考慮しながら上手に使いましょう。