【遺産相続には期限がある?】遺産相続の手続きについてまとめてみた

目次

遺産相続とは?

遺産相続とは、人の遺産を次の世代に受け継がせることです。所有者が死亡した財産をすべて国有化することができないことは、明らかですし、死亡した人が借金をしていることもあります。そうした場合、債権者が誰にも請求ができなくなるのも不合理です。プラスもマイナスも含め、遺産相続するという制度が日本にはあります。 相続前に、そもそも相続するものは何かという「相続財産」、誰が相続をするかという「相続人」、相続する人でどのように分けるかという「分配割合」、そして相続するに当たってかかる「相続税」の4つを理解しておく必要があります。 この記事では、遺産相続の手続きをまとめました。

遺産相続における相続財産

相続財産とは、相続の対象になる遺産のことです。相続財産というと、一般的には現金や銀行に預けている預貯金、不動産などだと思われていますが、それ以外にも借金などの負債や権利なども対象となります。つまり借金などがある場合は放棄しないと代わりに支払わなければなりません。反対に、相続されると思われているけれども、実は相続財産にならない財産や権利もあります。 何が相続財産になり、ならないのかについて正確に理解しておかないと、適切に相続手続きを進めることができないので、まずは「相続財産」の内容を押さえておきましょう。

遺産相続における相続財産ープラスの資産ー

相続財産になるものとしては、プラスの資産が代表的です。これは、現金や銀行に預けている預貯金、不動産や投資信託、株、貴金属や骨董品、ゴルフ会員権などの資産です。遺産の中でも最もわかりやすいでしょう。 プラスの資産で問題になるのは、相続財産の評価方法、評価時期です。つまり期限があるということです。例えば現金や銀行の預貯金などの場合には、評価方法が問題になることはございませせん。ただ不動産や株などの価格変化が起こるものは、相続発生時が基準となります。 また不動産の場合には、路線価、固定資産評価額、実勢価格、公示地価の4種類の評価方法を使うか判断する必要があります。一般的には実勢地価をりゆしますが、相続税の計算の際には、相続税路線価という評価方法を使います。

遺産相続における相続財産ーマイナスの負債ー

借金などはマイナスの負債となり、相続の対象です。たとえば、生前に接触のなかった兄弟が亡くなった場合で、その兄弟がサラ金から借金をしていたら、ある日突然サラ金から督促が来ることもあります。死亡者に子供も親もいなければ、兄弟姉妹が相続人になってしまうためです。こうした場合、期限内に「相続放棄」という手続きをしないと、借金という相続を放棄できず、自分がサラ金に支払をしなければならないので、大変な目に遭います。 また、相続の対象になる負債は、借金だけではありません。未払の家賃や買掛金などの他の種類の負債がある場合にも、相続の対象になります。父親が事業を営んでいて多額の負債がある場合などには、相続しないためには放棄が必要で、相続の際に特に注意が必要です。

遺産相続における相続財産ー権利義務ー

お金や借金だけでなく、権利というものも相続の対象になります。亡くなった人がアパートを借りて住んでいたら、大家との間で賃貸借契約をしていますが、その賃借人の地位は、相続人に相続されますので、賃貸借契約を解約しないかぎり、その期限内において相続人は大家に家賃を支払わなければなりません。解約の際、原状回復が必要であれば、その分の費用も支払う必要がありますし、亡くなった人の荷物を片付ける必要もあります。 また、被相続人が誰かの借金を保証していた場合には、保証人の地位も相続の対象になるため、借金した本人が支払をしないときには相続人が支払をしなければならないのです。自分は保証した覚えがないのに、見も知らない他人の借金を返済しなければならない可能性もあり、大変な不利益が及びます。だからこそ相続放棄が必要です。

遺産相続の対象にならない財産

遺産の中でも、「祭祀財産」と呼ばれるものは、遺産相続の対象になりません。祭祀財産とは、墓地や墓石、仏壇や仏具、神棚、遺骨など先祖をまつるための資産のことです。祭祀財産は、遺言やその土地の慣習で決められている祭祀主宰者が承継します。慣習も遺言による指定もない場合には、家庭裁判所が祭祀主宰者を決定します。 また死亡保険金も、基本的には相続財産になりません。死亡保険金は、死亡者から誰かに受け継がれるものではなく、受取人の固有の権利であると考えられているためです。ただ、生命保険金は、民法上の遺産分割の対象にはなりませんが、相続税課税の際には相続財産とみなされて、課税対象になるので注意が必要です。 また、遺産分割の場面でも、死亡保険金が問題になることがあります。死亡保険金の金額があまりに高額で、それをひとりの相続人が相続すると他の相続人との間で不公平が大きくなるときには、是正が行われます。具体的には、生命保険の受取が「特別受益」と評価されて、保険金受取人の遺産の取得割合が減らされることになります。 最後に一身専属的な権利義務も相続の対象になりません。例えば身元保証人、年金の受給権や生活保護の受給権、養育費や婚姻費用、不容量の支払い義務、会社との労働契約などが当てはります。 遺産相続の対象になるものならないものをしっかりとし、銀行預金など相続できるものはし、放棄するものは放棄しましょう。

相続財産を確定する方法「相続財産調査」期限内にしよう!

まずは相続人の自宅を調べます。具体的には、被相続人宅に残された資料を調べます。引き出しやタンス、金庫や机の中などに、銀行に預けている預貯金通帳や証書、現金や積立金の証書などがないかを調べます。貴金属や骨董品などについても同様です。 その次に郵便物を確認します。役所から固定資産税についての通知が来ていたり、銀行や証券会社から連絡書や残高通知書などが届いていたりすることもあります。サラ金やカード会社からの葉書があったら、借金をしていることも判明します。 不動産については、市町村役場で、その自治体内での不動産とその所有者についてまとめられている書類である「名寄せ帳(固定資産課税台帳)」を見せてもらうことが良いでしょう。相続人であれば、被相続人に関する部分を開示してもらうことができるため、亡くなった人がその自治体内で所有していた不動産を一括で把握することが可能で、資産家の人が亡くなったときには、特に有効な手段です。 最近では、ネット上の銀行などでお金や株などのやり取りとしている人も多いので、注意が必要です。ネット証券では、郵便による連絡が一切ないことも多いため、ネットでFX取引をしていた人が死亡した事例で、家族がネット取引のことについて気づかないままに長期間放置していて、1000万円以上もの莫大な損失が発生したケースなどもあります。こうした場合、発生した損失についても相続人が責任を負わないといけません。被相続人がパソコンやスマホを使っていた場合には、そのようなものの内容まで調査しておくべきです。特に、証券会社や銀行のページを頻繁に訪れていた形跡がある場合には、注意が必要です。

遺産相続のトラブル回避!借金を相続しない方法ー相続放棄、限定承認ー

借金や未払金、連帯保証人の地位などを相続したくない場合、期限内に相続放棄か限定承認という手続きをする必要があります。 相続放棄とは、初めから相続人ではなかったことにし、一切の遺産相続をしないこと、放棄するということです。つまり遺産相続をしない(放棄する)ので、借金や保証人の地位も相続せず、相続人であっても支払をする必要がなくなります。ただし、相続放棄をすると、借金だけではなく、プラスの資産も受けとることができなくなるので、注意が必要です。 限定承認とは、遺産の内容を調査して、プラスの資産から債権者などに必要な支払いをして、あまりがあったら相続人が相続をする方法です。あまりがなければ相続しません。マイナスの借金だけしか残らない場合には、相続をせずに済みます(放棄することができます)。限定承認をするためには相続人が全員共同して行わないといけないので、相続放棄よりもできるケースが限られて来ます。 相続放棄も限定承認も、期限内に家庭裁判所で「申述」という手続きをすることによって行います。ちなみに相続があったこと(被相続人が死亡したこと)と、何らかの相続財産があったことの2点を知ってから3ヶ月以内という期限内に、家庭裁判所で手続きをしなければなりません。この期限を熟慮期間と言いますが、熟慮期間を過ぎると、相続放棄も限定承認もできなくなって、借金を相続するしかなくなるので、相続をしたくないならとにかく早めに相続放棄または限定承認をしましょう。

期限を延長することでしっかりとした遺産相続を!熟慮期間の期限延長

家庭裁判所に対し、熟慮期間伸長の申立を行い、申立が認められたら、3ヶ月~半年くらい、期限、つまり熟慮期間が延長されます。延長された期限までに再度申立をして、さらに期限を延長をしてもらうこともできます。ただし、この期限は必ずしも認められるものではないし、熟慮期間内の申し立てが必要です。期限を延長してもらえる場合は、相続財産が複雑であったり、相続人が多数で複雑な場合であったり、相続人が海外在住で手続きをすすめにくかったりなど、期限内に終わらない何らかの事情がある場合です。期限内に申立書に必要事項を記載して、被相続人の戸籍謄本、住民票除票、相続人の戸籍謄本などの必要書類を添えて提出します。費用は、収入印紙800円と連絡用の郵便切手です。

個人事業を行なっている方の遺産相続ー準確定申告ー

準確定申告とは、被相続人が確定申告をしなければならない義務を負っていた場合に、期限内に相続人らが代わって確定申告を行うことです。典型的なのは、被相続人が個人事業を営んでいたケースです。

遺産相続における相続人とは?

遺産相続において、相続するものの中には、貯金などプラスのものあれば、借金などマイナスのものもありますので、きちんと誰に渡すかという「相続人」を期限内に決める必要があります。相続人には大きく、法定相続人と遺言で決める方法があります。

遺産相続における法定相続人

法律上相続権のある人のことを、法定相続人と言います。まずなくなった人に、夫や妻などの配偶者がいた場合、配偶者はいつでも相続人となります。それ以外の法定相続人には、順位があります。 第1順位の法定相続人は、子供です。養子縁組をしていたら養子も相続人になりますし、別れた妻や夫との間に子どもがいたら、その子どもも法定相続人です。結婚していない女性との間に子どもがいて、認知していたら認知した子どもも相続人となります。子供が親より先に死亡していたら、孫(死亡した子供の子供)が法定相続人となります。 第2順位の法定相続人は、親です。両親が生きていたら両親とも法定相続人ですし、片親しか生きていなければ、生きている親が相続します。両親ともなくなっていて、祖父母が生きていたら、祖父母が法定相続人となります。 第3順位の相続人は兄弟姉妹です。兄弟姉妹が被相続人より先に死亡していたら、その兄弟姉妹の子供である甥や姪が相続をします。 相続人が不在となる場合、期限内に相続財産を管理するための相続財産管理人を選任してもらい、相続財産を精算してもらう必要があります。 遺産相続を受けられるかもしれない相続人がどのような人がいるかを調べる、「相続人調査」があります。具体的には、死亡した人が生まれてから亡くなるまでの、全ての連続した戸籍謄本類の収集が必要となります。特に「連続している」というのがポイントとなり、確実に日付が連続した戸籍を取得しないと、確実に相続人を調べることができませんし、各種の相続手続きでも利用することができません。ちなみに弁護士に相続人調査をしてもらったら、被相続人と相続人同士の関係を明確に明らかにしてくれる「相続関係説明図」も作成してくれるので、期限内にスムーズに相続関係が非常にわかりやすくなります。

遺言で相続人を指定する方法

婚姻届を出していない内縁の妻や、相続人になっていない可愛い孫に相続したい場合、「遺言書」で相続人を指定できます。遺言をする場合には、誰にどのような遺産相続をするかについて、遺言者の自由な意思で定めることができます。たとえば、相続権のない人に対してすべて、遺産相続させることも可能です。 ただし法定相続人に認められる、最低限の遺産相続「遺留分」に関しては、遺言によって侵害することができません。たとえば、遺言者が遺言によって、内縁の妻に不動産を残したとします。ところが、子供たちがこれに反発して、内縁の妻に対し期限内に遺留分減殺請求をしました。そうなると、内縁の妻と子供たちが、遺留分減殺調停や訴訟などの法的な紛争をしないといけなくなり、大きなトラブルにつながります。自分ではよかれと思ってした遺言がトラブル原因になるのですから、全く意味がありません。そこで遺言をするときには、法定相続人の遺留分を侵害しないように、十分注意する必要があります。

遺産相続の分配割合

遺産の分配割合は、基本的に民法によって定められています。民法では、各ケースに応じて、法定相続人と法定相続分が定められているので、相続が起こった場合には、その割合に応じて遺産相続を分配するのです。これと異なる割合で遺産相続を分配したい場合には、期限内に遺言書を残しておく必要があります。また、期限内に相続人同士が話し合いによって法定相続分と異なる割合で遺産相続を分配することも可能です。

遺産相続における法定相続分

法律上、どのくらい遺産相続をすべきかという法定相続分が決まっています。 まず、配偶者のみが相続人になる場合には、配偶者が全部遺産相続します。 その次に配偶者と第1順位の相続人である子どもが相続人になる場合には、配偶者が2分の1、子供が2分の1です。子供が複数いたら、子供の取得分が子供の人数で頭割り計算されます。たとえば、子供が2人いたら、1人ずつの取得分は、2分の1×2分の1=4分の1となります。ちなみに今の配偶者の子どもか前妻(夫)の子供かによって取得割合に違いはありませんし、養子と実子、認知した子どもによる違いもありません。 配偶者と第2順位の親が法定相続人になる場合には、配偶者が3分の2、親が3分の1の相続分となります。両親が生きていたら、1人1人の相続分は、3分の1×2分の1=6分の1ずつとなります。 配偶者と第3順位の兄弟姉妹が法定相続人になる場合には、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。兄弟姉妹が複数いる場合には、兄弟姉妹の分を頭割りで分けます。

遺産分割協議

遺産相続における法定相続分は決められているものの、期限内において相続人の意思によってはその分配の割合は変更可能です。その期限内に相続人が全員参加することを前提に、遺産分割会議が行われます。遺産分割協議、つまりその話し合いには特に方式は決まっていないので、電話やテレビ会議、手紙やメールなどを使ってやり取りをすることも可能です。 注意しないといけないのは、必ず期限内に相続人が全員参加しないといけないということです。期限内の話し合いに1人でも漏れていたら、遺産分割は無効です。相続人に未成年者がいる場合には、期限内に家庭裁判所で特別代理人という人を選任しなければならないことがありますし、認知症の相続人がいる場合には、成年後見人を選任しなければならないことがあります。 全ての相続人が合意したら、期限内にその内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名と押印をする必要があります。法律上実印である必要はないというものの、そのあとの不動産の名義書換で実印での遺産分割協議者が必要であったり、将来のトラブルを防ぐためにも実印で押したほうが良いでしょう。そして印鑑証明書も添付してあるなお良しです。

遺産分割調停

相続人が集まって遺産分割協議を行っても、意見が合わないとき、家庭裁判所の調停手続きを利用して期限内に遺産分割を決める「遺産分割調停」をしなければなりません。家庭裁判所の調停委員が話し合いを仲介してくれ、お互いが妥協して話し合いがまとまることも多いです。そして相続人が遺産相続内容に全員合意したら、調停が成立して、期限内に家庭裁判所が調停調書を作成してくれ、これが遺産分割協議書の代わりとなり、様々な遺産相続に関する手続きをすることができます。 遺産分割調停にも期限内の相続人の全員参加が必須であり、仮に遺産分割に関心がなくて、「どうでもいい」と思っている相続人がいる場合でも、必ず調停の当事者にしないといけません。ちなみに相手が遺産分割調停に来たくないなら、期限内に代理人弁護士を立ててもらう方法などもあります。

遺産分割審判

遺産分割調停が不成立になった場合、期限内に裁判官が遺産分割の方法を強制的に決めてしまう「遺産分割審判」に移行します。訴訟した場合同様、期限内に法律的に筋の通った主張をして証拠を提出する必要があります。審判によって遺産分割の方法が決定されたら、期限内に家庭裁判所から審判書という書類が送られてきます。その書類を使うと、不動産の名義書換など、遺産相続後に必要になるであろう手続きができます。

特別受益

特別受益とは、相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈をうけたりして利益を受けた人がいる場合のその利益のことです。そして、特別受益があると、期限内に手続きを済ませ、特別受益者の遺産相続分を減らします。たとえば、姉、兄、弟の兄弟3人が相続人になっている場合を考えてみましょう。このとき、姉は結婚するときに父親から家を買ってもらいました。兄は、事業を始めるときに父親から開業資金をもらっていました。弟は何ももらっていないとします。この場合、本来の法定相続分は、兄弟それぞれが3分の1ずつですが、そうなると、弟にとってあまりに不公平です。そこで、姉がもらった家の分や、兄がもらった開業資金の分を、姉や兄の遺産相続分から減らすのです。この場合、姉や兄が、不動産やお金をもらったことが「特別受益」です。そして、姉や兄のように特別受益をもらった人のことを「特別受益者」と言います。

寄与分

寄与分とは、相続人の中に、遺産の増加や維持に特別に貢献した人がいる場合に、期限内に手続きを済ませ、その相続人の遺産取得割合を増やすことです。たとえば、相続人が長年無給で父親の事業を手伝い続けてきた場合や、相続人が長年献身的に母親の介護を続けてきたケースなどにおいて、寄与分が認められやすいです。

不動産の名義書換の方法

不動産の所有者が死亡しても、登記名義は被相続人のままなので、期限内に名義を換えないと誰が所有者なのかがわからない状態にならないように、期限内に「不動産の名義書換」が必要です。 期限内に名義書換をするためには、不動産のある場所を管轄する法務局に行って、相続登記の申請をします。このとき、登記申請書という書類を期限内に作成して提出しなければなりません。また、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、被相続人の住民票の除票(戸籍附票)、遺産分割協議書または遺言書、印鑑証明書、相続人の戸籍謄本、固定資産評価証明書などの書類が必要です。さらに、登録免許税という費用が発生します。金額は、不動産の評価額(固定資産税評価額)の1000分の4の価格となり、収入印紙を購入して、登記申請書に貼付することによって支払をします。 このようにして期限内に登記申請をしたら、無事に不動産の登記名義が自分に変わり、法務局からは「登記識別情報通知」という書類をもらうことができます。

銀行預金の払い戻しの方法

遺産相続では、銀行預金の払い戻しをすることも多いです。この場合には、対象の銀行の窓口に行き、解約払い戻しの請求書を書いて提出する必要があります。銀行には、遺産分割協議書か遺言書を提出する必要があります。銀行によっては戸籍謄本や相続人の身分証明書なども必要になることが普通です。具体的には銀行、金融機関によって多少の取扱の違いがあるので、銀行などに事前に何が必要か聞いて、用意していくと良いでしょう。 株の名義書換をするときにも、同じような書類が必要です。上場会社なら証券代行会社や証券会社に連絡をして、指示通りに手続きを行います。上場していない会社なら、株式を発行している会社に直接連絡を入れて、名義書換の手続きをする必要があります。 銀行預金や株など、きちんと払い戻し手続きをしましょう。

相続税

「3000万円+法定相続人数×600万」という基礎控除を超えた場合に発生する「相続税」について忘れてはいけません。というのも都市部に自宅や土地があると、不動産の評価額が高額になるために、思ってもみなかったような高額な相続税が突然課税されることもあり、こうしたとき、相続税を支払うだけの現金がないため、期限内に支払ができなくなって税務署から督促をされたり、泣く泣く土地建物を売却しなければならなくなったりすることもあるので、期限内、つまり事前に相続税対策をしておくことが重要です。

相続税の節税「生前贈与」

生前贈与とは、生きているうちに、相続予定の人に財産を贈与することです。贈与した分は相続財産にならないので、その分遺産評価額を減らして相続税を節税することができます。 ただ、贈与をすると、贈与税がかかることが問題です。そこで、生前贈与を成功させるためには、なるべく贈与税がかからない方法で生前贈与をしなければなりません。 生前贈与で相続税を節税する方法にはいくつもの方法がありますが、代表的なものは、贈与税の基礎控除を利用する方法です。贈与税は、毎年110万円までの贈与分には税金がかからないという基礎控除があります。期間や期限に制限はありません。また、贈与の対象者が複数でもかまいません。そこで、毎年110万円ずつ贈与を繰り返していけば、死亡するまでに多くの財産を贈与することができます。 このような方法を暦年贈与と言いますが、暦年贈与の方法の場合、贈与する財産にも限定がありません。現金、銀行の預貯金、不動産、貴金属など何でも対象にできるので、非常に役立ちます。

相続税の節税「不動産を購入」

不動産は、現金や銀行の預貯金などよりも相続税の評価額が低く、地域や対象の不動産にもよりますが、だいたい時価の8割程度の評価となりますので、相続税の節税につながります。 不動産を賃貸に出すと、借地権割合や借家権割合を引いてもらえるので、評価額をさらに2割~4割など下げてもらうことができます。小規模の宅地の場合には、小規模宅地の特例という措置があり、最大80%の評価減をしてもらえます。 ただし、相続税は現金での支払いとなるため、手元(銀行)に相続税支払いができる金額は残しながら、不動産を購入する必要があります。

相続税の節税「養子縁組」

養子縁組をすることで相続人を増やすことができ、相続人が増えれば相続税の基礎控除を増やし、節税ができます。例えば本来の相続人は子供2人だけなので、基礎控除は4200万円です。ここで孫2人と養子縁組をすると相続人が4人になり、基礎控除の金額が5400万円になるので、その分相続税がかかりにくくなります。

相続税の節税「配偶者控除」

配偶者控除とは、配偶者が相続した遺産については、配偶者の法定相続分または1億6000万円までの相続分について、相続税が不要になります。

相続税の節税「小規模宅地の特例」

小規模宅地の特例とは、被相続人が事業用や居住用に使っていた宅地を相続する際、事業を継続したり住み続けたりなどの一定の要件を満たしたら、330平方メートルの部分まで最大80%までの相続税の評価源をしてもらえるという制度です。これは相続開始後10ヶ月という期限内に手続きをしなければならなく、相続税の申告期限までに遺産分割協議が期限に間に合わない場合には、配偶者控除や小規模宅地の特例による減額を受けられないことになってしまいます。

相続税の節税「控除を確実に利用する」

配偶者控除や小規模宅地の特例などを利用し、控除の制度を確実に期限内に利用することが節税に繋がります。このような控除や特例を受けるためには、期限内に相続税の申告が必要です。また、税務署は「控除があるよ」「特例があるよ」と言ってくれないため、控除の制度を利用できることに気づかないまま高額な相続税の支払をしても、誰も指摘してくれません。相続税の控除を利用したければ、自分で知識を持って適用することが必要です。

期限内に相続税を払えない場合の対処方法

期限内に相続税が払えない場合、相続税の分割という「延納」という方法があります。期限内に相続制が支払えない際に用いる延納には、「相続税の金額10万円を超えている」、「金銭での納税が困難な金額である」、「延納申請書および担保提供関係書類期限内に提出する」、「相当な担保を提供する(ただし、延納税額が100万以下であり、延納の期間が3年以下である場合には不要)」という条件があります。ただし、延納する場合には利子税1.2%〜6%までが加算されるので、税金支払額は期限内に支払うより高額になります。 延納でも期限内に支払いが出来ないなら、不動産は相続税評価額で評価されるので、市場価格より安くなってしまいますが、物納という方法があります。物納できる財産の順位は、第1順位の財産「不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等」、第2順位の財産「非上場株式等」、第3順位の財産「動産」があります。 仮に相続税を支払えないなら、期限内に自分で不動産を市場価格で売却して、その売却金で相続税を支払うことをおすすめします。 以上のように、期限内に相続税を支払う現金を用意していないと、さまざまな不利益を受けるおそれが高いです。遺産相続が起こる予定があるなら、期限内に手元に資金を残しておきましょう。

遺産相続に関する期限一覧

ここでは遺産相続に関する期限を一覧にしておきます。最後にこちらを参考にして動きましょう。 ●死亡手続きの期限…1週間を目処 ●お通夜・葬儀の期限…1週間を目処 ●遺言書の確認期限…3ヶ月以内を目処 ●相続人の確定期限…3ヶ月以内を目処 ●税理士の確定期限…3ヶ月以内を目処。もし必要ならです。 ●相続放棄期限…3ヶ月以内を目処 ●限定承認の確定期限…3ヶ月以内を目処に期限。 ●故人の所得税準確定申告期限…4ヶ月以内を目処に期限。 ●相続財産の調査期限…期限はない ●相続税対象財産の確定期限…10ヶ月以内を目処に期限。 ●相続税評価額調査期限…10ヶ月以内を目処に期限。 ●相続税申告書作成期限…10ヶ月以内を目処に期限。 ●相続税申告・納税期限…10ヶ月以内を目処に期限。 ●財務調査期限…1年を目処に期限。 ●遺産直調査期限…10ヶ月を目処に期限。 ●遺産分割協議期限…10ヶ月を目処に期限。 ●遺産分割協議書作成期限…11ヶ月後〜3年を期限。 ●相続登記期限…11ヶ月後〜3年を期限。 ●遺留分減殺請求期限…1年を目処に期限。

遺産相続はトラブルの元になりやすいので、早い段階で準備をしましょう。

遺産相続の順位に関する話題は、被相続人の意思とは関係なく、揉める可能性の高い問題です。人がなくなり悲しいという想いはあるものの、金額的に相続額が多くなれば、それだけ相続人が「貰えるものは多く貰いたい。」と考え、もらうために争いを始めてしまうかもしれません。 亡くなった方からしては、自分の死んだ後で子や孫たちの争いは見たくないはずです。こじれる前に、期限内に事前に準備しましょう。