【雑所得の確定申告】必要な場合と不要な場合、書き方など

10種類ある所得のうちの一つ

私たちは日々お金を稼いで生きています。 稼いだお金や利益などを所得といい、所得は全部で10種類に分類されています。 1 利子所得 2 配当所得 3 事業所得 4 不動産所得 5 給与所得 6 退職所得 7 譲渡所得 8 山林所得 9 一時所得 10 雑所得 所得の分類と金額によっては、確定申告が必要な場合もあります。 給与所得者(≒サラリーマン)であっても、雑所得があると確定申告をしないといけなかったりもします。 でも、確定申告は面倒そうだからできるだけしたくない…という方も多いと思います。 この記事では、どんな場合は不要なのか、しないためにはどうすればいいかや、確定申告をする場合の書き方についてもお伝えしていきます。

「雑」な所得という意味ではない

雑な所得ってなんだ?と思われるかもしれません。 ネーミングの問題ですが、簡単にいうと「他の9種類の所得に分類されない所得」という意味です。 具体的には以下のような収入が該当します。 ・フリマアプリやネットオークションで得た収入 ・FXで得た利益 ・公的年金 ・印税、原稿料、講演料など 全部が雑所得になるのかというと、もちろん必要経費などは差し引くことができます。 それでは、詳しく見ていきましょう。

こんな収入が雑所得になる!

ネットオークションやフリマアプリでの収入

今の時代、家にある不要なものや少しレアなコレクションを出品して、おこづかいに充てる方も多いと思います。 ネットオークションやフリマアプリで物を売って得た収入は雑所得になります。 雑所得になるので、一定の金額を超えると確定申告をしないといけません。 ただし、衣類や食器、インテリアなどの家にもともとあった不用品を売って得た収入は「生活用動産」となり、確定申告は不要です。 ハンドメイドのものや、転売を目的に買ったものを販売して得た収入も雑所得になります。 ただし、規模によっては事業所得になる場合もあるので、確認が必要です。

FXでの収入(損失)

銀行に預けたお金につく利子は、源泉分離課税といい、銀行が利子の中から所得税を徴収しています。 しかし、FXで得た収入については、申告分離課税といい自分で申告しないといけません。 FXで利益が出たらいいのですが、マイナスになってしまう年もあるかもしれません。 利益が出なかったら確定申告の必要はないのかというと、違います! FXで負けているときには、繰越控除と損益通算の2つの制度が使えます。 繰越控除は、前年度までのマイナスと今年度のプラスを相殺させて、利益が出た年の納税額を抑えられる制度です。 損失は3年まで繰り越すことができます。 損益通算は、条件がありますがFX以外の金融商品とプラス・マイナスを合算できる制度です。 損益通算ができる金融商品だ決められているので確認が必要です。 雑所得というと収入がプラスのイメージがありますが、マイナスが出ていても確定申告が必要な場合もあります。

老齢年金や個人年金

老齢年金や、生命保険会社などから支払われる個人年金は、雑所得になります。 同じ公的年金でも、遺族年金や障害年金は所得税が非課税なので雑所得にはなりません。

印税・講演料・原稿料

印税には、音楽が対象のものと書籍が対象ものの2種類があります。 どちらも、雑所得の対象となります。 1年間にどれだけの印税や講演料・原稿料があったかは「支払調書」に記載されています。 支払調書は源泉徴収票と似た形の書類です。 もし発行されなかった場合、取引明細や帳簿を確認して確定申告をする必要があります。

雑所得の金額の出し方

必要経費を差し引いて考える

売上金額が1000円であっても、全額が雑所得になるわけではありません。 ハンドメイト作品を販売する場合、もちろん材料費が必要になります。 材料費が300円、送料が200円だったとすると、収入は500円になるので、雑所得は500円となります。

こんなものも必要経費になる!

必要経費は材料費だけではありません。 PCを使ってライティングをしている人はもちろんネット環境が必要になります。 プライベートで使用している割合と、雑所得を得るために使用している割合を出して、ネット代を必要経費に入れることも可能です。 ただ、あまりに経費が多すぎると税務署からにらまれてしまいます。 過剰に必要経費を上乗せすることはやめておきましょう。

雑所得と確定申告

サラリーマンの場合、年末調整があるので会社が税金などを全て計算してくれます。 しかし、自営業の人、サラリーマンでも給与所得以外の所得がある人は確定申告をしなければなりません。 サラリーマンの場合は、副業で一定以上の収入があると確定申告が必要になります。 「少しでも副業すると確定申告しないといけないの?」 「確定申告すると副業が会社にバレるって聞いた」 などなど、色んな疑問があると思うので一つずつ解決していきましょう。

雑所得があっても確定申告が不要な人

雑所得があっても、全員が確定申告をしないといけないわけではありません。 では、どんな場合は確定申告が不要なのかを確認していきます。

給与所得者の場合で以下の条件を満たす場合

給与を1カ所からのみ受けていて、かつ雑所得の金額が20万円以下の場合は、確定申告が不要になります。 ここでの雑所得の金額は、必要経費を引いた金額になります。 上のハンドメイドの例の場合で考えてみます。 本業として企業に属して給与所得をもらっている人が、副業として1つ1000円の商品を200個売り上げたとします。 売り上げ金額は20万円ですが、材料費と送料が500円×200個の10万円かかっていますね。 この場合、雑所得は10万円となるので確定申告は不要です。

専業主婦で雑所得が38万円以下

専業主婦の場合は、配偶者控除があるので年間の雑所得が38万円以下であれば確定申告は不要です。 38万円をオーバーした場合は、配偶者控除から配偶者特別控除に変わるので確定申告の必要が出てきます。 配偶者の所得によって家族手当などの金額が変わる会社もあるので、基準などは確認しておいたほうがよいでしょう。

雑所得で確定申告が必要な人

雑所得が20万円以上の給与所得者

上で書いた通り、給与を1カ所から受けていて雑所得が20万円以下の場合は確定申告は不要です。 そのため、逆の雑所得が20万円以上の場合は確定申告が必要になります。 年末調整されていても、確定申告をして正しい税額を申告しなければなりません。

雑所得が20万円以下でも必要な場合

給与所得者で雑所得が20万円以下の場合でも、譲渡所得や不動産所得があり、他の所得との合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です。 また、給与所得者で年末調整では使えない控除を使う場合も確定申告が必要です。 医療費控除や住宅ローン控除の初年度などがこれに該当します。

公的年金等の収入の合計が400万円以上

公的年金を受け取っている場合は公的年金自体が雑所得になるので注意が必要です。 年間の公的年金の合計額から、公的年金等控除額を引いた金額が400万円以上の場合、確定申告が必要になります。 公的年金等控除額は、年齢や収入額に応じて決められています。

確定申告までにしておくこと

要件を見て確定申告をしないといけないとわかったものの難しそう…とブルーになる方も多いと思います。 しかし、確定申告はポイントを押さえると簡単にできます! 書き方もそこまで複雑ではありません。 確定申告までたくさん時間がある方でも、今から準備することで負担を軽くすることができます。 具体的にどんなことがあるのか、一つずつ確認していきましょう。

経費にできる領収書

上でも触れましたが、雑所得は経費を差し引いた金額になります。 そのため、必要経費がいくらかを出すために領収書を取っておく必要があります。 スマホをプライベートとビジネスで使っている場合は、どのぐらいの割合がビジネス使用かを出す必要があります。 割合は目安で問題ありませんが、毎月のスマホ代の明細は出力しておきましょう。 他にも、仕事のために買った書籍や文具なども経費にできます。 日ごろから意識してあつめておくと確定申告の時期に慌てずに済みますね。

使えそうな控除を調べておく

確定申告をするときに一緒に申請できる控除はたくさんあります。 たとえば、医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた場合に還付を受けることができます。 また平成29年に始まったセルフメディケーション税制も同時に申請ができます。 セルフメディケーション税控除対象のマークがついた医薬品を年間12000円以上購入した場合に控除を受けることができます。 他にも寄付金控除など、様々な控除があるので詳しくは国税庁HPを確認してください。

確定申告の書き方とは?

所得の種類によって用紙が違う

確定申告の用紙には、申告書Aと申告書Bの2種類があります。 大きく様式が異なるわけではなく、所得の種類によってわけられています。 書き方も基本は同じです。 〈申告書A〉 給与所得・配当所得・一時所得・雑所得がある場合 〈申告書B〉 上記に加えて不動産所得や事業所得がある場合 給与所得者が雑所得の申告をする場合は申告書Aで大丈夫です。

確定申告書Aの第二表(右側)の記入例

雑所得の書き方としては、どこからもらったお金か内訳を書くのがメインです。 住所氏名の枠の下に「所得の内訳」があります。 ここに、雑所得を何の名目でどこの会社から支払われたのか記入します。 所得の種類に「雑」、次の欄には「原稿料・○○株式会社」、収入金額と所得税の源泉徴収金額を記入したら次へ進みます。

確定申告で住民税の支払い方法を選べる

副業が会社にバレるきっかけはいろいろありますが、給与天引きになっている住民税の金額もその一つとしてよく挙げられます。 そんな方は確定申告の書き方に一つプラスするだけで不安が減らせるかもしれません。 確定申告をする場合、第二表左下に「住民税に関する事項」があります。 その中に「住民税の徴収方法の選択」があり、給与から天引きか自分で納付かを選ぶことができます。 自分で納付を選んだ場合は、振込用紙で振り込むか、市町村によってはクレジットカードで納付します。 確定申告で住民税の納付方法を選べるのはありがたいですね。

確定申告は雑所得の有無だけでは決まらない

仮に雑所得が20万円以下であっても、一概に確定申告が不要とは言い切れません。 例えば、住宅ローン控除を受ける場合は初年度のみ確定申告の必要がありますし、医療費控除も確定申告をしないと使えません。 今年の自身のお金の流れから、年末調整だけで大丈夫なのかどうか、考える必要があります。

確定申告と雑所得のまとめ

副業解禁の流れで、今後は給与所得の他にも所得がある人が増えていくかもしれません。 収入が増えるのはもちろん嬉しいことですが、税金の話は切っても切れない関係ですよね。 雑所得は必要経費を差し引いた儲けの部分が年間20万円を超えたら確定申告の必要があります。 これは基本中の基本なので、頭に入れておいて損はないでしょう。 確定申告の書き方も国税庁HPで詳しく解説されています。 自分の場合いくらぐらいになるかシミュレーションできるサイトもあるので活用してみるのもいいかもしれません。 また、確定申告も今はネットでできる時代です。 少しずつ準備をして直前に慌てないようにしたいですね。 この記事で副業収入の不安が減れば嬉しいです。