【大丈夫です】はNG?ビジネスにおける正しい敬語の使い方

「手伝おうか?」「大丈夫です。」 「明日までにできる?」「大丈夫です。」 こんな感じで日常的に使う敬語の「大丈夫です」という言葉。 私も今日何回言ったかわからないぐらい「大丈夫です」と言っています。 口頭でも使いますし、メールでもよく使う敬語のフレーズですね。 実は、本来の意味とは違う形で「大丈夫です」が使われているのはご存知ですか? さらに、「大丈夫です」は一見敬語の表現ですが、ビジネスシーンではあまりよくないとされています。 この記事では「大丈夫」の意味や語源から、適切な使い方まで詳細にお伝えします。 便利な敬語の言い換え表現もご紹介するので、明日から使ってくださいね!

「大丈夫です」の意味と由来

「大丈夫」を辞書で調べると…

1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。 2 まちがいがなくて確かなさま。 [副]まちがいなく。確かに。

出典:goo辞書

1の意味は言い換えるなら、オッケーに近いです。 例えば、「明日の予定は大丈夫」「水にぬれても大丈夫」といった感じです。 2の意味も似ていますが、「この後の時間は大丈夫?」と確認するニュアンスが含まれます。 これだけ見ていると、断る意味での「大丈夫です」がありません。 補足として以下のように記載されています。

[補説]近年、形容動詞の「大丈夫」を、必要または不要、可または不可、諾または否の意で相手に問いかける、あるいは答える用法が増えている。「重そうですね、持ちましょうか」「いえ、大丈夫です(不要の意)」、「試着したいのですが大丈夫ですか」「はい、大丈夫です(可能、または承諾の意)」など。

出典:goo辞書

辞書に載っている使い方ではなく、近年現れた使い方だということがわかりますね。

「大丈夫」の由来は中国

勘のいい方は「丈夫」という言葉と関係があると考えると思います。 その通りですが、「丈」と「夫」のそれぞれにも由来があります。 言葉の由来は、遠い昔の中国にさかのぼります。 周の時代(紀元前1050年頃~紀元前260年ごろ)に、「丈」という長さの単位がありました。 「一丈」は今で言うと180センチほどで、成人男性の身長に近い単位です。 「夫」というと「おっと」のイメージですが、当時の「夫」は未婚既婚問わず男性を意味していました。 そこで「丈夫」という言葉は成人男性を表すようになったと言われています。 「大丈夫」と頭に大をつけることで強く立派な男性という意味になったようです。

伝わるときに意味が変わった

中国では「強く立派な男性」という意味だった「大丈夫」ですが、日本には少し違う意味で伝わりました。 強く立派な男性がいると、周りが安心できるということから、現在の意味に変わりました。 変遷を聞くと、なるほどって感じますね。

「大丈夫です」は敬語?

「大丈夫」という名詞に丁寧語の「です」がついているので、敬語としては成り立ちます。 では、なぜ敬語なのにビジネスシーンでは好ましくないのでしょうか? 「大丈夫です」は冒頭の通り、Yesの意味もあればNoの意味でも使われます。 例えば、日程確認のメールで「大丈夫です」と返信すると、どちらの意味か伝わりづらくなってしまいます。 受け取る側の判断に委ねる部分が多いため、敬語ですがビジネスではあまりおすすめできません。 もしも間違って受け取られると、後から問題にもなりかねません。 「大丈夫です」以外のもっとわかりやすい表現を使って返答する方がよいでしょう。

「大丈夫です」の言い換えで便利な敬語表現

私たちは「大丈夫です」を、YesとNoのどちらの意味の敬語としても使っています。 もしも明日1日を「大丈夫です」と言わずに生活するとしたら、どんな敬語を使いますか? 代わりの敬語のバリエーションは数多くあるものの、なかなか出てこない人も多いのではないでしょうか。 それぞれ、どんな言葉に言い換えたら良いか、例文と一緒に言い換えられる敬語表現を確認していきましょう。

不要なことを伝える敬語表現

コンビニでお弁当を買った場合に「あたためますか?」と聞かれますよね。 「大丈夫です」と答えても相手に伝わりますが、はっきりと伝えたいなら「結構です」がよいでしょう。 ビジネスシーンでも、相手から「~しましょうか?」と聞かれた際に「結構です」と答えると、一言で伝わります。 しかし、敬語ではあるものの、相手の善意を一言でシャットアウトしてしまうため冷たいと感じられることも多いです。 場面に応じて、次からの敬語表現を使い分けることをおすすめします。

相手の善意を断る敬語表現

職場で後輩や同僚が「手伝おうか?」と言ってくれたとき、「大丈夫です」と返答していませんか? もちろん「大丈夫です」と答えても相手に手伝いが不要なことは伝わります。 さらに丁寧に伝えるなら「お気持ちだけありがたく頂戴します」も良いでしょう。 相手の善意に対する感謝も伝わる敬語表現ですね。 他にも、「もう少し自分でやってみます」という敬語表現も前向きな姿勢が伝わるフレーズです。 自分でやってみて、できなければ手伝ってくださいと伝えるのも一つです。

遠慮するときの敬語表現

「一緒にランチ行かない?」 「今からちょっと飲みに行かない?」 など、上司や先輩からの誘いをやんわりと断りたいときでも、つい出てしまうのが「大丈夫です」という敬語。 便利な言い換えの敬語表現で以下があります。 「申し訳ありませんが遠慮しておきます。急ぎの仕事がありまして…」 相手との関係性に応じて、「申し訳ないです」や「すみません」などに置き換えて使いましょう。 断る理由も一緒に伝えると、受け取る側が不快な気持ちになることも少なくなり、ベターです。 「大丈夫です」より相手に配慮が伝わる敬語表現ですね。

誘いを断る敬語表現

上司から「明日一緒に飲みに行かない?」と誘われたものの断りたい! そんなときに使う表現は「申し訳ありません。別件がありまして…」があります。 日程が合わないことをメールで伝える場合でも、使える敬語表現ですね。 ただし、断ることで関係がギクシャクしてしまいそうな場合、代替案も伝えられると丁寧な印象を与えられます。 「申し訳ありませんが、今日は急ぎの案件がありまして…明日はいかがでしょうか?」のように対応できると、丁寧な敬語で嫌な感じはしませんね。 「大丈夫です」だと、会話も終わってしまうので、他の敬語表現をおすすめします。

オッケーという意味の敬語表現

「明日の14時から空いてる?」「大丈夫です」などの日程調整で問題ないときに使いがちです。 言い換えとしては「構いません」や「お願いします」などの敬語表現が挙げられます。 「構いません」はちょっと堅苦しいと思う場合、「問題ありません」などでも大丈夫です。 他にも「承知しました」「差し支えありません」でも構いません。 「了解しました」は目上の人に対して使うのはあまりよくないとされているので注意しましょう。 「大丈夫です」「了解しました」以外をサラッと言えるといいですね。

正しい日本語を心がけよう

「大丈夫です」についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか? 敬語ではあるものの、ビジネスシーンではあまり使わないほうがいいかもしれませんね。 毎日の仕事で、日程調整のメールや、さりげない質問に「大丈夫です」と返答することも多いと思います。 「構いません」や「お気持ちをありがたく頂戴します」など、他の敬語表現で返答できると、スマートな印象を与えられます。 明日からぜひ試してみてください! 「大丈夫です」以外の敬語で上司や取引先とやりとりできるといいですね。 この記事が日々のプラスになれば幸いです。