【伺う】ビジネスシーンでの正しい敬語の使い方

まずは、「伺う」という言葉がそもそもどのような意味を持っているものなのか、そしてどのような言葉の敬語として使用されているのかを確認していきましょう。(参照:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp)

「伺う」という敬語の意味は?

「窺う」と同語源。 目上の人のようすをうかがいみる意から、 その動作の相手を敬う謙譲語となる。 1,「聞く」の謙譲語。拝聴する。お聞きする。 2,「尋ねる」「問う」の謙譲語。 3,「訪れる」「訪問する」の謙譲語。 4,神仏の託宣を願う。 5,寄席などで、客に話をする。また、一般に、大ぜいの人に説明をする。

「伺う」は主に謙譲語で用いられる敬語

上記の内容から分かるように、「伺う」という言葉は敬語の種類の中でも謙譲語に当たるものに区分されます。 ■尊敬語 主に目上の人に対して使う言葉として使用される敬語です。その文字通り、「尊敬の意」をあらわして使用する敬語のため、自分が務める企業の上司や取引先の担当者などに対して、「相手を立てるとき」に使われることが多い表現法の敬語です。目上の方が主体となる場合に使われる敬語で、主語がその相手(対象者)となるときの動詞を尊敬語に変えて使います。 ■謙譲語 尊敬語と同様に、主に目上の人に対して使う言葉として使用される敬語ですが、謙譲という言葉自体には、「へりくだる」「謙遜」という意味があります。尊敬語と決定的に違う点は、自分の地位や立ち位置を低く表現することで、相手の立場が自分よりは上であるという意味を持たせる敬語であるということです。会社の上司にも営業先の担当者などに対しても使いますが、主体はあくまで自分です。主語を自分に当てたときに動詞を謙譲語に変えて使う敬語です。 ■丁寧語 敬語のひとつとして利用される言葉で、助動詞である「〜ます」「〜です」「〜でございます」など、行動や結果を表現する言葉に丁寧な印象を添える語を指します。広い意味で、「お菓子」「お飲み物」「お洋服」のような、物の言い方に上品さを添える美化語を含めた敬語です。 上記を見比べてみると、「伺う」という敬語を活用する際には相手が自分よりも立場が上だという状況の中で、「聞く」「尋ねる」「訪れる」という行動をへりくだった印象で表現したい場合に用いることが適切な使用方法だということがここでわかります。相手が目上の立場であったとしても、「尊敬語」で表現するか、「謙譲語」で表現するかの違いによって、言い回しやメールでの表記が大きく異なってきます。

「伺う」と同じような敬語や使い方には注意!

敬語に限らず日本語の表現や単語自体には、ひとつのものに複数の意味合いが込められているケースが数多くあります。「伺う」という敬語もそのひとつであり、似たような言い回しの言葉や単語の敬語が数多く存在します。ここで注意しなければいけないのは、その言葉や単語が持つ微妙なニュアンスの違いです。もとを辿っていくと同じ言葉や意味をもっている敬語であったとしても、使うシーンや場面によっては、適切な言葉遣いやメールなどでの正しい意味での使い方から逸れてしまうこともあります。ぜひこの機会に、「伺う」という敬語の類似語にまで目を向けて、正しい敬語使いを会話においてもメールでのやりとりでもマスターしていきましょう。

「伺う」と「参る」の敬語の違い

皆様はこちらの「伺う」と「参る」の違いに関して分別がつきますか?一見すると、同じような意味として使えそうな敬語ですが、実は「伺う」と「参る」の使い方にそれぞれ少しだけ個性があります。 実際に「伺う」も「参る」も、自分もしくは自分の周囲がおこなう行動について用いる表現の敬語です。実際には、相手に対して自分がへりくだった状況で使うには、どちらを使っても誤りではありません。しかし、下記のような例の場合には少し言葉選びが必要になってきます。 ・観光で京都に参りました ・気候もいいので、どこかへ参りましょう 上記の「参る」という言葉は自然と使える敬語の言い回しになっていますが、上記の文章で「参る」の部分を「伺う」に変えることは、正しい敬語表現とはなりません。なぜなら、「参る」という敬語は丁寧に相手に対して物事を伝える敬語であり、「伺う」は行き先の相手方に対する敬語であるからです。そのため、相手や場所が敬意を払わなければいけない対象でなければ、「伺う」という敬語は使う必要がないのです。

「伺う」と「お聞きする」の敬語の違い

相手に対して取る行動や動作としては、どちらの敬語も「聞く」という同じ内容を意図しているように感じますが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。「伺う」という敬語は先ほども説明した通り、相手を敬う表現である謙譲語として用いられます。その一方で、「お聞きする」という敬語は、「聞く」という動詞に「お〜する」という丁寧語を付随させた敬語です。そのため、「伺う」も「お聞きする」も意味は同じですが、謙譲語なのか丁寧語なのかの違いがあるだけなのです。

「お伺いする」という敬語表現は間違い!

よく使われる敬語の言い方ですが、「お伺いする」という敬語は間違っています。「どの部分が間違っているだろう?」という方もいらっしゃるかと思いますが、いわゆる二重敬語に該当されてしまうからです。 「伺う」という敬語が謙譲語でありながら、「お〜する」という謙譲語を付随させてしまっているので、ひとつの言葉に2つの敬語が使われてしまっています。同様に「お伺いさせていただきます」も、「伺う」と「お〜させていただきます」という2つの謙譲語が混ざってしまっているので、誤った敬語表現だと言えます。ただし、慣習として一般的に使われている敬語になってしまってはいますので、失礼な印象になることはないでしょう。

「伺う」の類義語をまとめ

「伺う」という敬語に似た、もしくは同じ意味の敬語もたくさん存在します。実際にどのような類義語が存在していて、どのように広く一般的に使われているのか、事例をご紹介させていただきます。時と場合に合わせ、適切な敬語をご自身で聞くことによって選ぶことまで出来れば、非常に知的な印象を相手に抱いてもらうことが出来るかもしれません。

「聞く」という意味で用いられる「伺う」の類義語

まずは「聞く」という意味を「伺う」以外の敬語でどのように謙譲語の表現をすることができるのか、3つの例でご紹介していきたいと思います。例文も合わせてご紹介しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。 ■拝聴する →今後の糧となるような助言を拝聴することができました。 ■お聞きする →ご提案いただいた内容に関して、お聞きしたい内容があります。 ■承る →珍しいお話を承りました。 上記の例はどれも謙譲語のため、自分がへりくだって相手を敬う場合の敬語として用いるものです。「拝聴する」や「承る」は、かなり丁寧な表現の敬語なので、メールなどで使う場やビジネスの場ではそこまで一般的ではないかもしれませんが、ぜひ敬語の引き出しのひとつに取っておいてみてはいかがでしょうか。

「訪問する」という意味で用いられる「伺う」の類義語

続いては、「訪問する」「行く」という意味で用いる「伺う」の類義語について見ていきましょう。少し昔ながらの敬語の言い回しに感じるものもありますが、場合によっては相手に対して非常に丁寧な印象を与えることが出来る敬語も含まれています。 ■参る →明日、私と上司の●●が御社へ参ります。 ■参上する →近々、●●様のもとへお見舞いに参上します。 ■まみえる →●日に御社の代表にまみえます。 ■お目通りする →久しぶりに●●様へのお目通りが叶います。 高貴な方への敬語の言い回しや、普段そこまで使い慣れない様な敬語かもしれませんが、改まった場であったり、特別な場での敬語やメール上での書き言葉としては現在も使用できる類義語です。

どんな時に「伺う」を使えばいい?

では実際にどういった場面において、「伺う」という敬語は適切なのかを考察していきたいと思います。先ほどの表現で、自分がへりくだって行動を敬語で表現したい場合に用いるとの解説をさせていただきましたが、具体的にはどういった場面が該当していくのか、例をもとに見てみましょう!

敬語の正しい使い方「伺う」編:その1

まずは「伺う」の中でも、「聞く」という意味で敬語を使用するケースから考えてみましょう。ビジネスの場においてだけでも、非常に活用できるシーンが様々あります。ぜひ下記の文章例を参考にしてみてください。 ・まずは、●●様のお考えを伺えますか? ・お名前を伺いたいのですが、よろしいでしょうか? ・先日はたくさんのお話を伺うことができ、心より御礼申し上げます。 ・御社製品について、皆様にいくつか伺いたいことがあります。

メールの場合の注意点

先述の「伺う」という敬語を用いる上で、話し言葉の中で多少の二重敬語になってしまう場合などがあるかと思いますが、そこまで気になるという方は少ないと思います。慣習として一般的に使われている敬語の範囲であれば、許容の敬語表現だと言えるでしょう。しかし、文章に起こした際に二重敬語は少し回りくどい印象を与えてしまいがちです。「お伺いさせていただきます」など、丁寧すぎる敬語表現はしないように、メール上では一層気を付けましょう。端的に、かつ丁寧な敬語表現を意識することができるとベストです。

敬語の正しい使い方「伺う」編:その2

次は「伺う」の中でも、「訪問する」や「行く」という意味で使用される敬語のケースをもとに文章例を見ていきましょう。先述の項目にも記載をさせていただきましたが、相手や場所に対して敬意を払う必要があるシーンで用いる敬語であるという認識をもって使用するようにしましょう。 ・お約束の通り、明日は午後●時に伺います。 ・明日の●時にそちらへ伺ってもよろしいでしょうか。 ・●●課長がいらっしゃる日程に、こちらから伺います。 ・あいにく●日はアポイントの為、伺うことができません。

メールの場合の注意点

「訪問する」「行く」という言葉の謙譲語として、「伺う」という敬語を使う際に気を配りたいポイントは、先述したように相手に対して敬意を払う必要があるか無いかの判断基準です。自分自身がへりくだって敬意を払う相手が存在するのか、もしくは存在しないのか。スマートな敬語表現を使う為にも、細かいところにまで意識をしてみてください。

「伺う」という敬語のまとめ

「伺う」という敬語だけをみても、非常にたくさんの使い方があり、それと同時に日本の敬語ならではの注意点もはっきり見えてきました。正しい敬語を使える社会人は、ビジネスの場ではたくさんの人たちから好印象を受ける機会も多いはずです。ぜひ皆様もご自身のスキルアップ、キャリアアップのために今回の敬語に関する学びを活かしていただければ幸いです。