【ボーナスの手取り】計算方法、平均値などまとめました

目次

ボーナスとはなにか

そもそもボーナスとはどういう報酬を指すのでしょうか。

ボーナスとは

ボーナスは当たり前のようにもらっていますが、実は給与などのように労働基準法で支給を保証されているものではありません。したがってもらえる会社ともらえない会社、もらえる年ともらえない年があって当然の報酬です。 ボーナスを支給している企業の多くは、年2回、6月、12月に支給していますが、しかしこれも世間の慣行に従っているだけで、その時期に支給することが法律で決まっているわけではありません。 ただもちろん、支給している会社は手取り金額の計算方法などを自社の賃金規定に記載していますので、ボーナスは報酬の1つであり、したがって所得税の対象になり、それが差し控えた手取り額が支給されます。

決算ボーナスとは

ボーナスの支給のほとんどは6月と12月と書きましたが、実はそれ以外にも支給される月があります。それは決算ボーナスです。 決算ボーナスは、会社のその年の決算状況が見通せ、その上で想定以上の利益が出てしまうと分かった段階で、その利益を社員に還元する意味合いで支給されるものです。とはいえそれは表向きの理由で、実際は利益を出しても法人税で徴収されてしまいますから、それであれば社員にボーナスとして支給したほうが意味がある、と考えて実行する節税対策の意味合いが強いです。 ですから支給基準は特には設けておらず、その年の会社の業績に応じて都度、ある分配基準を決めて、社員に支給するものです。したがって手取り額もある年には数万円だったものが、ある年には数十万円になる、というように幅があります。当然手取り額が0円の、決算ボーナスが支給されない年もあります。 手取り額がいくらになったとしても、社員にとっては臨時収入であり、同時に報酬の1つです。したがてやはり所得税の対象となり、それが差し引かれて手取り額が支給されます。

ボーナスの手取り額はどのように計算される?

ではボーナスの手取り額はどのように計算されるのでしょうか。

ボーナスは額面から税金などを引かれて手取り額となる

ボーナスに限らず、会社が社員に払う課税対象の報酬は、必ず額面の金額から社会保険料、つまり健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料が差し引かれ、その残った額に対して一定の率で計算した源泉徴収税が差し引かれて支給されます。これがボーナスの実際の手取り額です。手取り額の計算方法を式にすると以下の通りです。 ボーナスの手取り額 = ボーナスの額面額 -(A社会保険料+B源泉徴収税) A社会保険料は、ボーナスの額面の金額から計算 B源泉徴収税は、ボーナス支給の直前の給与の額面額、扶養人数などから一定の率を計算し、それをボーナスの額面額からAを引いた金額に対して乗じて計算

ボーナスの手取り額の計算方法<健康保険料控除>

続いて差し引かれる各社会保険料の計算方法を解説します。 健康保険の計算方法は 健康保険料 =標準ボーナス額×健康保険料率÷2 標準ボーナス額 = ボーナスのの額面額の1,000円未満を切り捨てた額 になります。この中で健康保険料率は、その会社がどの健康保険組合に加盟しているかで変わってきます。 たとえば東京都の全国健康保険協会、いわゆる「協会けんぽ」に加入している企業ので39歳の会社員の場合は 健康保険料 = 標準ボーナス額×9.96%÷2 になります。2で割っているのは、健康保険料の半分は会社負担になるからです。

ボーナスの手取り額の計算方法<厚生年金保険料控除>

次に厚生年金保険の差し引き額の計算方法です。 厚生年金保険料 =標準ボーナス額×厚生年金保険料率÷2 がその計算式です。 健康保険料と同じ例で、かつ一般の被保険者の場合に当てはめると 厚生年金保険料 = 標準ボーナス額×17.828%÷2 になります。厚生年金保険料も会社が半分負担するので2で割っています。

ボーナスの手取り額の計算方法<雇用保険料控除>

雇用保険料は健康保険料、厚生年金保険料とは違って、標準ボーナス額ではなく、ボーナスの額面額そのものに対して計算します。その点では毎月の給与計算に同じ方法です。 雇用保険料 = ボーナスの額面額×雇用保険料率 雇用保険料率は勤めている企業、組織の業種によって異なります。一般企業の場合は4/1000、農林水産、清酒製造の事業、建設の事業では5/1000になります。

ボーナスの手取り額のの計算方法<源泉徴収税額>

ボーナスの源泉徴収税額は、ボーナスから上記の社会保険料を引いた残りの額に、一定の税率を乗じて計算します。 ボーナスの源泉徴収税額 =(ボーナスの額面額-社会保険料)×源泉徴収税率 ということです。 この源泉徴収税率は、国税庁が定めた、前月の給与と扶養親族の数によって決められる算出表から算出されます。 ですからボーナスの手取り額は以上のような、控除項目をすべて差し引いた残りの金額、ということになるのです。

民間企業のボーナスの手取り額は?

ではいよいよ企業ごとにボーナスの手取り額の平均はどうなのかを見ていきましょう。

民間企業のボーナスの支給額は40万円弱、手取り額は約30万円

厚生労働省の調査では、2016年に民間企業が支給したボーナスの手取り額ではなく額面額は、夏が36.5万円、冬が37万円と40万円弱でした。したがって、手取り額はだいたい平均するとこの8掛けですので、30万円前後ということになります。 これを社員のカテゴリーで見ると、大卒の20~24歳のボーナスの平均支給額は35万円ですから手取りでは28万円です。単純計算すると夏、冬それぞれで14万円のボーナスの手取り額があったということです。 その後は平均的には、年齢が1つ上がるごとに約3万円ずつ額面は増えます。つまり手取りでは2.5万円程度増え続けるわけです。そして、50~54歳になると年間のボーナス支給額は平均125万円、手取りでちょうど100万円になります。 自社のボーナスが平均よりも上か下かを見るには額面が40万円、手取り額が30万円が1つの境目のようです。

60歳以降はボーナスの手取り額は激減

しかし多くの企業が定年としている60歳以上になるとボーナスの平均支給額は年間60万円と、約半減します。つまり手取り額では、約50万円です。 これは定年後も、国が企業に設置を義務付けている再雇用制度、あるいは勤務延長制度によって働き続ける人が多いことと関係があります。再雇用制度では、正社員からパートや嘱託社員などに雇用形態が変わることと併せて、あるいは正社員のままでも、給与基準が6割程度になるので、その額を基準に支給額を決めるボーナスも半減してしまうのです。 ただし手取り額は、社会保険料の控除が減るので8掛けよりは多くなる傾向です。

公務員のボーナスの手取り額は

では公務員のボーナスの平均の手取り額はどの程度なのでしょうか。これは国家公務員と地方公務員ではその額に差が出ています。 まず国家公務員のボーナスの平均支給額は夏が64.2万円、冬が70.5万円です。つまり手取りで言うと夏が51万円程度、冬が55万円程度ということで、民間企業全体の支給額40万円弱と比較すると恵まれていることがわかります。 一方で地方公務員の年間合計のボーナスの支給額の平均は156万円で手取りは、125万円です。これだけを見ると、国家公務員よりも地方公務員の方がボーナスは多いということが言えます。

ボーナスの手取り額ランキング!多く貰っている企業はどこだ

では今度は民間企業の中でどの業種がボーナスの手取り額が多いのか見てみましょう。

ボーナスの多い企業ベスト5 ※かっこの中は推定手取り額

電気ガス 677,573円(54万円) 情報通信636,878円(51万円) 金融、保険638,645円(51万円) 学術研究等549,911円(44万円) 教育学習支援 551,246円(44万円)

やはりインフラ系と金融系は、平均の40万円弱を2割以上上回っていますので、待遇がよいということは言えそうです。

ボーナスの少ない企業ワースト3

逆にボーナスの少ない業種は以下の通りです。 飲食サービス65,499円(5万円) 生活関連サービス164,558円(13万円) その他のサービス218,064円(17万円) 引用元:同上 飲食業、主に介護ビジネスを指す生活関連サービスは、平均の40万円弱をはるかに下回り、待遇面でも厳しことがわかります。

ボーナスの手取り額は企業規模で違う?

民間企業のボーナスの手取り額は以上で見てきたように、約30万円です。しかし、業種によって支給額が異なるように、当然と言えば当然ですが、企業規模によっても異なります。それを以下で見てみます。 従業員500人以上611,727円(48万円) 従業員100~499人424,984円(34万円) 従業員30~99人334,083円(27万円) 従業員5~29人260,054円(21万円) やはり大企業ほどボーナスの手取り額は多いということがわかります。ここでも40万円というのが大企業と中小企業の境目だということも言えるでしょう。そもそも、ボーナスの支給基準は、よく月給に対して何か月分かという計算をしますが、そこでもおおむね大企業と中小企業は、以下のように差が出ています。 大企業:1回あたり2.5ヶ月分 中小企業:1回あたり1ヶ月分 大企業は中小企業の2.5倍のボーナスを支給しているということです。

特にボーナスの手取り額の多い企業はここだ!

さらに業界ごとに、ボーナスの手取り額が多い企業を抽出しました。

大手自動車メーカーのボーナスの手取り額

トヨタ自動車257万円(205万円) 日産自動車223万円(180万円) 本田技術工業 222万(178万円) 平均の40万円弱などをはるかに上回っています。

通信サービスのボーナスの手取り額

今業界自体が伸び盛りの通信企業のボーナスの年間支給額と手取り額を見ると以下の通りです。これらの企業も40万円という平均額を大きく上回っています。 ソフトバンク285万円(228万円) NTTドコモ176.3万円(140万円) 富士通  158万円(126万円) NTT東日本149.4万円(120万円)

全業界ボーナス支給額、手取り額トップ3

では、年間で最もボーナスを多くもらった企業はどこなのでしょうか。 ヒロセ通商563.9万円(450万円) ディスコ332.6万円(265万円) ケネディクス325.2万円(260万円) この中でヒロセ通商はFXの運用会社です。やはり、大きくお金が流れ込む会社はボーナスの手取り額も多いと言えそうです。

どうやって決めている?ボーナスの支給額の計算方法

このようなボーナスの支給額はどのように決められているのでしょうか。それは企業によって、おおむね3つの方式がありあす。

一定額支給方式

これは定められた範囲の社員に、全く同額のボーナスを支給する方式です。たとえば一律40万円、という具合です。この中にもパターンがあって、全社員が本当に同額という企業もあれば、新入社員の夏のボーナスだけ、中途入社した社員の最初のボーナスだけ、一律に同額を支給している企業もあります。

月給×月数方式

これは各社員の月給を基準に、その何か月分という方法で支給額を決める方式です。多くの企業は社員個々の業績や成績、評価は月給に反映していますので、それを基準に何か月分、という支給の仕方をすれば自然に、成績や評価を反映した支給額になる、という考え方です。 それが何か月分になるか、というのはその時の企業の業績によります。

月給×月数+個人業績方式

最近増えているのは、月数を乗じるだけではなく、さらにそこにアグレッシブに社員個々の業績を反映させる企業です。ですので、同期社員でも、業務成績によってボーナスの手取り額に大きく差が出ることもあります。 この方式をとる場合は、一般的には6月支給であれば前年の後半期の業績、などのように評価する期間が定められています。これを「考課査定期間」「算定期間」などとも呼びます。

本当はボーナスの手取り額が多くない会社の方がいい?

このように見てくると、やはりボーナスの手取り額の多い業種、多い企業がよいように思われますが、本当にそうなのでしょうか。中にはボーナスが支給されない会社もありますが、実はその方が社員にメリットがある場合も存在するのです。

ボーナスが出ない会社のメリット

ある見方ですが、ボーナスが出ないほうが長期的には総報酬額が多い、ことが言えます。それは主には年俸制や「月給×12カ月=年収」という企業です。 このような会社の社員は、会社の業績で減額される可能性があるボーナスも含めた年収よりも、業績にあまり左右されない月給だけでもらうことによって、結果的にボーナス込みの年収よりも多くなるのです。 またそのような会社は、他社ではボーナスとして支給されている額が月給に回っていますので、基本給のベースが高くなります。そうすると、住宅ローンを組む際などに利率が低くなるなどの有利な点が発生することもあります。さらには、残業代や時間外手当は基本給がベースですから、その点でもボーナスを支給せずに基本給に上乗せしている企業の方がメリットがあります。

会社の体質とボーナスの有無は連動している

一般的には、古い体質の会社、歴史のある会社、年功序列が残っている会社はボーナス制度を残している場合が多いです。それに対して、新しい感覚の会社や、年功序列ではなく実力主義の会社はボーナスを支給せずに、年俸制などに移行している場合が多いです。

まとめ

いかがですか。 ボーナスの手取り額の計算方法と、企業別、業種別のボーナスの手取り額の平均でした。ボーナスをもらう以上多い方に越したことはありませんが、しかし一方ではボーナスが少なくて月給ベースが高い方がメリットがある場合もあるので、この結果を見て一喜一憂しないようにしてください。