【スマホ・タブレット】AMOLEDとは?PMOLEDとは?

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電気店の売り場で、急に表示が増えた「謎のことば」… 「AMOLEDとは?」「PMOLEDって、何?」「AMOLEDメリットデメリット?」 IT系では先端情報をチェックするのが普通。AMOLEDも知らなければ恥ずかしい単語。

●AMOLED(アモレッド)はActive Matrix Organic Light Emitting Diode(或はActive Matrix Organic Light Emitting Display)の略。

●PMOLEDはPassive Matrix Organic Light Emitting Diode (或はPassive Matrix Organic Light Emitting Display)の略。

見たまま、AMOLED=AM OLEDで、後ろ部分はOrganic Light Emitting Diode(OLED)=有機発光ダイオードを、駆動方式によって呼び分けた名称です。
そのため、AM OLED やPM OLEDあるいはAM-OLED や PM-OLEDとも書きます。

【AMOLED・PMOLED?~LCDとOLEDの違い?】

 

<液晶LCD>

LCD(liquid-crystal display 、液晶ディスプレイ)は、バックライト含め複数の膜で構成されます。 透明な油状物(液晶組成物)が、2枚の透明な基盤の間に挟まれます。 中に含まれる液晶分子にはいくつかのタイプがあり、多数使用される液晶分子は「ネマティック液晶」。 細長い有機分子に電圧をかけ、配向方向との組合せ等で変化を出し、表示させます。 液晶部分の配向方向自体は、AMOLEDと似たイメージです。

これを封入した層を、着色を行うカラーフィルタ基盤や、偏光フィルタなどで挟んで、光を通す、通さないなどをコントロール。 ほとんどの汎用型表示(一般のPC用やテレビなど)の液晶ディスプレイの中は、ほぼ大きくひとかたまり。電気をかける部位や強さごとに、光を通す通さないなどをコントロールしているイメージです。 (※実際は、画面サイズ、表示させるものによりタイプも様々)

<有機LED>

対して、有機EL一般(Organic Light Emitting Diode/Display、OLED)では、1画素ごとに電極、輸送層、発光層などまとめた発光素子を配置。

発光材料に使われているのは、「蛍光」を放出する一重項発光の材料の有機的化合物。 これは研究当初の、セルロース+アクリジンオレンジや、アントラセンや、アルミキノリノール錯体+ジアミンから始まり、現在は様々な有機化合物が作られています。 三重項発光には、希少金属のイリジウムや白金を用いたりん光を発光させる材料。

AMOLED含めたOLEDでは異なる励起状態を利用しており、一重項発光の後に三重項発光を迎えます。 2つの発光状態調整のため、他に加える層や、中に添加する材料で励起を遅延させるものなど含め様々な材料があります。

AMOLEDでは周囲を気にすることなく、1つ1つの画素が、高い視認性やコントラストできれい。この美しさや自然な見た目は、この技術やハード構成部分の違いに由来します。 画素ごとに光が独立しているために、「ひとが知覚できる発色が豊か」です。

ちなみに、AMOLED等現在の有機ELで最も用いられるのは「有機EL積層機能分離型デバイス発光素子」(論文はこちら)です。

有機ELは米イーストマン・コダック社、有機ELのりん光材料は米ユニバーサル・ディスプレイ・コーポレーション(UDC)社がそれぞれ開発し、基本特許をもっていました。

【AMOLED・PMOLED?~LCDとOLEDの駆動方式 アクティブマトリクス・パッシブマトリクス】

 

通常画素面では、ドットマトリクスと呼ばれる「格子状にサブ画素を配して、その点(周辺)を光らせる構造」をもちます。 ですが、LCD液晶の画素部分となる1点1点に直接個別に電極を配線すると、基盤周りや端子取り出しにに十分なスペースを取るのは困難。バックライト部などにただでさえサイズを取るデメリットもあり、配線関連+その制御装置で、現行サイズをはるかに上回り・・・デメリット増です。

そこで、
1:各画素部分にあわせてTFT(薄膜トランジスタ)などの小型の膜状のアクティブ素子を直流駆動回路上に配置して行う「アクティブマトリクス(AM)駆動」方式とするか、
2:ストライプ電極を直交させてタイミングを制御しながら液晶1ラインごとに交点を順に光らせるSTN (Super twisted nematic) 型 などの「パッシブマトリクス(PM)駆動」方式
・・・のいずれかを採用します。

PM型は、単純マトリクス(Simple Matrix)駆動方式に分類され、あまり表示精度の要求されないディスプレイなどを中心に、現在でも広く採用されています。 ※ちなみにSM駆動方式の中で、液晶で現在も比較的多く使われているのが、ねじれネマティック型とも呼ばれるTN(Twisted nematic)型。 液晶自体が長い形状なので、そのねじれ角を利用して、さまざまな表示を行います。 他にも、2枚の液晶を張り合わせるものや、高分子フィルムをかさねることで「利用消費エネルギー」や「人からの見た目を整える」ものなどが多数あります。

いずれも、各点間の明滅の自然なバランス調整やばらつき調整、焼き付き防止や、その調整などのため、様々な回路をプラスしています。

この「アクティブ」と「パッシブ」の駆動方式を比べた場合・・・ 「人の目にとって」あるいは「劣化し始め」「低温下などの厳しい環境」(※ただし、仮に機材のドライバ精度が3者ほとんど同じなら) で使用される液晶では、みづらさや表示不良のような状態」を感じることが多いのは「パッシブ」方式。

この「アクティブマトリクス(AM)」と「パッシブマトリクス(PM)」の通電部の切り替え方法はさまざまありますが、LCDでも有機ELディスプレイ(OLED)でも基本的に同じです。 このなかから、そのハードごとにどの方法をとるかを決めて設計されます。

<パッシブ方式で電気無駄のデメリットが発生する理由>

直行で配された2電極線をXとYとすると、
1:XYがともに選択=周辺画素も含めて回路ができ電圧が加えられる
2:XYがともに選択されない=基本電圧は加えられない
3:XもしくはYいずれかが選択=周辺の画素にも使用されない回路ができ電圧が加わる(=液晶でいうクロストーク)

この3の場合には、一瞬1ラインごとに光らせているため、エネルギー消費大となるデメリットや、画面がにじんだり、一瞬線が見えるデメリットもあります。 とくに酷使され部分焼き付きがでた画面や、低温下などで反応が悪いときなどには、新しくても画面の見づらさをつよく実感させられます。

【AMOLED・PMOLED?~AMOLEDの特徴】

 

先ほどの「アクティブマトリクス(AM)」を採用したのがAMOLED(AM-OLED)。
AMOLEDは点ごとに表示させるため、いつも同じ絵を見ているケースなどではとくに、焼き付きや素子の劣化にばらつきが。全体の表示ばらつきが大きく小さな点での焼き付き等デメリットが感じられやすくなります。 この調整のため、画質を均質に見せるための描画系や表示スタンバイの回路などを別に持たせることもあります。焼き付き個所をツールでキャリブレーションするものなどもあります。 ツールによる焼き付き防止画面設定や、焼き付き位置を細かな設定で調整するものなどもあります。

【AMOLED・PMOLED?~PMOLEDの特徴】

AMOLEDともう一つの方法でご紹介した「パッシブマトリクス(PM)」を採用したのがPMOLED(PM-OLED)。 AMOLEDに比較して無駄な電圧が多く発生。大型化するほど、あるいは画素が増えれば増える程、画質のあいまい感やにじみ。無駄な電圧による素子劣化が早期にすすみます。 大画面では、AMOLEDに比較し、電気の減りが速くなります。

【AMOLED・PMOLED?~有機ELだからこそのメリット】

 

色空間と色域が広い

 液晶に比べても、色空間(「sRGB」、「Adobe」、「RGB」、「DCI-P3」)や色域(色のサブセット)が広く、画素ごとカスタマイズ含めはっきり見た目が出せる。 LCDでは、細かな色調整を行えない端末が多いデメリットも。 有機ELに各社が徐々に切替を進める中、カスタマイズ項目も多い液晶とシステムを新採用したところもあります。 AMOLED等のOLED系は高輝度高コントラスト、データに高速応答し、精細な動画や写真が楽しめます。 黒色深く、星空好き、写真マニアに特に好評。

省電力

AMOLEDなどのOLEDでは、バックライトを通した後フィルタをかけて一部を見えなくしているLEDとは違い、光の波長到達に対し無駄がありません。 ドライバやPGによっては最小限の画素分だけ表示させることも可能で、液晶より30%ほど省電。 一つ一つの画素が自発的に発光するため、省電力。

画素1つ1つが独立!画面折り曲げに強い

液晶のように全体がある程度の1まとまりではないため、かなりおりまげは可能。

量産化が進むと低コスト

AMOLEDなどOLEDでは1つずつの画素を組み込んでも層が少なく、液晶よりも単純な工程。 量産がすすみ、素材・技術の特許関連がおちつけば、低価格といわれます。

【AMOLED・PMOLED?~有機ELにもデメリット】

 

直射日光下での視認性が弱い

強い日光下では発光方式や光の種類のために、視認性が弱めな点は日常の大きなデメリット。 ですがスーパー有機ELでは、直射日光下でもかなり改善。 ハイコントラストの液晶画面の視認性に匹敵するとも言われます。

焼き付き等で劣化しやすい

1画素ごとが独立。 LEDに比べても携帯電話ないつども同じ表示がされる時は焼き付きが起こりやすいといいます。 画面表面そのものではなく、1画素ごとの材料劣化なども焼き付きに見える原因です。最小起動面を移動できるUI組み込みなどで防ぎやすくなります。 素材によっては画面表面からの酸素・湿気の影響で徐々に劣化。焼き付き以外でも輝度が低下しやす面も。 現行モバイル用では50000時間程の寿命です。

【AMOLED・PMOLED?~これまで話題の端末は?】

 

有機ELの雄 サムスン

AMOLED等有機ELは、折り曲げなどに強く、消費エネルギーに無駄がでにくい点は前述の通り。 開発初期、次々課題をクリアして消費者を驚かせてきたのが、サムスン。

2014年には、有機ELのデメリット、外光下での表示などに対応。 通常ディスプレイより1.3倍の濃い色合い域を確保したスーパー有機EL(Super AMOLED)搭載のモバイル「GALAXY Tab S」などを発売。 当時よく、ポケットでモバイル端末が折れてしまうという事象が各社製品で多発。最初から曲がった液晶画面なら、落下や折れ曲がりが少なく、身体にもフィットするだろうと、湾曲した液晶表示画面を持つ携帯電話(GALAXY ROUND 2013年他)もありました。 この時、AMOLEDって何?といった声が多数。

Appleらしさをのりこえた2017年~AMOLEDでiPhoneX

またジョブズのころ、海辺では「曲がる端末」で業界各社大盛り上がり。 「当社はまだ追い付けない(?)と『Appleらしいコメント』を出していたApple社」は、2017年発売のiPhone XでAMOLEDを採用。

ちなみに製造は、その話題の中心。曲がるモバイル端末でおなじみのサムスンディスプレイ社で、iPhone X のために5000万枚のAMOLED購買を実施。 ちなみにAppleの2018年リリース予定端末用に、このサムスンや中国のBOE、JDIやLGが受注を狙っているとの噂もあります。

2018年どこが最初にリリース?~AMOLEDだから曲げ伸ばしに強い

2014 Samsung Flexible OLED Display Phone and Tab Concept - YouTube

こちらは2013年CESでのコンセプト動画。

2018年1月のラスベガスの家電見本市「CES2018の参考展示」では、サムスンモバイルが、画面自体を折り曲げることができる、AMOLEDのGalaxy Noteを一部に展示。 これまで発売は度々延期。本年は日本各社も、折り曲げ関連には様々な技術を提供しているといわれています。

曲げ伸ばしで表面劣化した時の酸素等透過部分の差といった原因による「劣化焼き付き」などのトラブルは気になります。 ですが、効率よく操作可能&片手に収まるハンディさ。 なによりも、あれだけあこがれてここまでやってきた人たちにとっては、あこがれの技術が自分の手に入るということで、かなり期待されている状態にあります。

こうしてあらためて振り返ってみると、有機EL端末は、爆速で進化していますね。

【AMOLED・PMOLED?~いかがでしたか】

 

現在は、AMOLEDが中心となっている製品への採用。 この有機ELディスプレイをはじめとする表示方式、ディスプレイの種類や技術の世界は、まだまださまざまな開拓できるフィールドが広がっており、AMOLEDのような画質と省電対応の技術進化面では、非常に奥が深い展開があります。 実際工学部でも、ノーベル賞受賞者が相次いだことで、材料系人気復活、そして量子クラッキングなどとの兼ね合いでの高度技術者を求めるハードやソフト界の背景などの記事も見られます。 ITからスタートして組み込みやインフラ系を目指すなどが高度IT系人材間に流行ったこともありました。 そんなこともあり、幅広い技術を押さえるのは必須。

特許が出願されてから、表示で保証される品質を一般向けに整え、また家電としての耐用性や堅牢さを備えるには、いくらスピーディーで技術力の高い家電業界やパーツ製造各社とはいえ非常に時間もかかります。

そんなこともあり、いま先端の技術が、製品として私たちが広く認知するまでの間には、ちょっと、、、いいえ、このAMOLED・PMOLED関連のようにかなりのタイムラグもあります。 常にアンテナを張り巡らせての各種技術知識吸収は非常に大切です。