梅の季節と生活の中での活用術(梅干し・梅酒・着物の柄)

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梅の花の季節はいつごろ?

梅の花にはさまざまな品種があって、冬の終わりから春あたりの季節にかけて全国で楽しめる、という点もその魅力のひとつです。 梅の花が開花する季節は一般的に二月頃として知られていますが、桜の花と同様に、梅も日本全国で開花季節にずれがあります。 これは、高い気温によって梅の花の開花が早まることが原因で、桜と同じように、日本列島でも平均気温の低い地域に行くほど開花が遅れる、とされています。 九州南部や四国地方などの早い地域では一月末から、東北地方や北海道などの遅い地域では五月中旬頃に開花すると言われています。

梅の花の開花季節は品種によってさまざま

また、品種によって開花の季節が異なるのも桜と同様で、花をつけるだけの「花梅」と、花のあとに実をつける「実梅」のそれぞれによって、いつ開花するかが異なるとされています。 一般的には「花梅」に分類される品種には開花季節の早い梅が多く、「実梅」に分類される品種には開花季節の遅い梅が多い傾向にあります。

開花季節が早い品種が多い「花梅」

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「花梅」の中でも、「野梅」に分類される「初雁」や「八重寒紅」などの品種は早咲きの梅として知られています。 これらは、早いものでは十二月頃から開花することもあります。 反面で、同じ「花梅」でも、「杏性」に分類される「江南所無」などの品種は遅咲きとして三月から四月頃に開花すると言われています。

開花季節が遅い「実梅」の品種

実梅として、梅酒や梅干しなどに広く使用されている「南高」、同じく実梅の「白加賀」などの品種は、遅咲きの梅として三月頃に目途に開花します。 「南高」は、自宅の庭でも育てやすい品種としても知られています。

梅の実の季節

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梅の実は六月頃が収穫の季節

「梅の花」と同じく、梅の楽しみ方として生活に根付いている「梅の実」の季節は、花が咲いた後に訪れます。 こちらも梅の花と同様、地域によって若干のずれはありますが、一般的には六月ごろが収穫の中心時期と言われています。

用途により異なる「梅の実」の季節

また、梅の実は、その用途と成長に合わせて、いつ頃収穫をすべきかが異なります。 梅酒に使うための青い状態の梅は早めに収穫され、梅のジャムなど、実をつぶして食用とする場合には完熟状態となるように遅めに収穫されます。

梅の活用方法:梅干し

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梅の食用方法として最もポピュラーな梅干し

梅の食用方法として、日本でもっとも広く普及しているのが梅干しです。 梅干しは、江戸時代から世間一般に食されるようになったとされていますが、古くは平安時代の書物にも、梅干しについて語られている一節があると言われています。 戦国時代にも武士の携帯食として梅干しは活用されており、その保存性や栄養度の高さから愛用されていました。 梅の実の収穫時期以外にも、保存食としていつでも食べることが出来るのも梅干しの魅力のひとつです。

梅干しの殺菌作用

おにぎりやお弁当の具としても活用される梅干しですが、近年では、その殺菌作用についても改めて注目されています。 梅干しに含まれる「有機酸」の一つであるクエン酸が、食中毒の原因として現在では有名となった「O157」や、その他いくつかの菌に対して効果を発揮し、菌の増殖を抑制することが研究によって確認されています。

疲労回復にも効果がある梅干し

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梅干しは、殺菌作用の他にも疲労回復に効果があると言われています。 これも梅干しに含まれる有機酸の働きによるもので、有機酸は疲労時に溜まる乳酸を分解して、体内の活力にそれらを変換します。 なぜ武士がいつも梅干しを携帯していたのか、ということが、このことからもわかります。

梅干しの料理

梅干しは、お弁当やおにぎりにそのまま入れる他にも、沢山の料理に活用されています。 中でも、梅肉をご飯に混ぜる「梅肉の混ぜご飯」や、梅肉を刻んで梅肉ソースとしてサラダや豆腐などにかけたもの、胡麻ドレッシングや味噌などど合えて調味料のように使用したものなど、梅干しの梅肉を使った料理は多数存在しています。 梅干しの持つ酸味がアクセントとなって食が進むこと、またビタミン、ミネラルなど、栄養価が高いことなどが、梅干しを使ったレシピが多い理由とも言えます。

梅の活用方法:梅酒

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果実酒として知られる梅酒

梅干しと並んで、梅の食用として広く知られているのが梅酒です。 梅酒は、一般的に梅を「ホワイトリカー」と呼ばれる甲類焼酎に漬け込んで作られた酒のこと指し、その他に、日本酒やその他焼酎、ブランデーなどに漬け込んで作られたものも梅酒の種類として知られています。 梅酒にホワイトリカーが用いられるのは梅自体に味と香りがあるためで、無味無臭のホワイトリカーが、梅の味と香りを引き出すために最適である、とされています。 また、梅酒の材料となる梅の品種によっても違った味が生まれ、中でも「南高」や「鴬宿」によって作られる梅酒は広く飲まれています。 果肉が厚く、熟すと香りが強くなる梅ほど梅酒として活用される傾向があります。

ホワイトリカー以外から作る梅酒

ホワイトリカーに近く、クセのない口当たりとして知られるウォッカも、梅酒を作る際の材料として活用されることがあり、また、その他にもブランデーやジン、芋焼酎などによる梅酒も飲まれています。 ベースとなる酒に味や匂いがある場合には、梅の匂いや味とそれらが混ざった口当たりとなり、本来の梅酒とはまた違った味わいを持ちます。

梅酒の作り方

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梅酒は、青梅の状態の梅と砂糖を保存容器の中で積み重ね、そこにホワイトリカーを加えて作られます。 長く梅をつけることで、梅の風味が強く出た、濃い味を持った梅酒ができると言われており、また材料となる梅にも、青梅ではなく完熟に近い状態のもの使用することで特別な味わいを狙うこともあるとされています。

梅の活用方法:着物の柄

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縁起のいい梅の着物

梅の花は、日本的なデザインにも多く活用されており、中でも着物の柄として多く取り入れられています。 梅の柄を持った着物は、梅の花の季節と同様に、二月ころに着用するものとして認識されています。 「松竹梅」という言葉がある様に、年明けの席にて、縁起の良い着物柄として愛用されている方が多いようです。

梅柄の着物はいつでも着られるものではない?

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季節を特定する印象の強い梅柄の着物ですが、女性にとって人気のある花の模様でもあるため、一年中いつでも、季節を問わず着物の柄として取り入れている方も多くいらっしゃいます。 梅の花を写実的に描いたような着物は、いかにも時期を特定するものとして季節外にはその場にそぐわないと感じられがちですが、最近では梅の花を模した、抽象的な柄を持った着物も多く存在するため、それらを取り入れることも考えられます。 また、前述の「松竹梅」のように、三つの要素を取り入れて「縁起物」として統一感を出すことで二月~三月以外の場面でも十分に活用できます。 着物本体だけではなく、帯や帯留めなどにそれらを取り入れたり、着用するもの全体でそれらを表すことも考えられます。 反面で、着物の柄は洋服におけるデザインと同じで、あくまでも個人の趣味として捉えるのであれば些細なことは気にする必要はなく、いつでも、好きなものを自由に着用すればいい、という意見も多く見かけられます。

まとめ

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梅の季節、また、生活の中での梅の活用方法についてまとめてみました。 梅には、私たちの知らない幾つもの品種が存在し、「花梅」「実梅」それぞれに分けて、その花びらの形や、大きさ、色など、その咲き具合を鑑賞するだけでも奥が深いものです。 毎年の、桜のお花見と同様、梅の花にも注目していきたいところですね。 また、梅干しや梅酒など、食用としてもいろいろな楽しみ方ができる梅の魅力は唯一無二です。 こちらでは紹介しきれませんでしたが、梅干しを使ったレシピはまだまだ沢山存在しています。 江戸時代から愛される食べ物としての梅干しの効果や、梅酒のさまざまな種類と味わいを感じながら、改めて毎日の中で梅を探求していきましょう!