【年末調整の期限はいつ?】基礎知識から、過ぎた場合の対処法まで

年末調整とは、従業員個人の毎月のお給料やボーナスから天引き(源泉徴収)された所得税と、年末に確定する正確な税額とを精算するものです。もし、1年間で税金を納めすぎてしまっていたのであれば超過分を従業員個人に還付し、逆に1年間で納めた税金が足りなければ不足分を従業員個人から徴収し、納付する必要あります。 簡単にいうと、年末調整とは、会社があなたの代わりに税金を収めるため、その間違いがないかを調整するものです。

年末調整の期限

年末調整の流れは、従業員個人が会社に資料提出、会社が国に提出という流れがあります。

会社の年末調整期限→2018年度の年末調整は2019年1月31日が期限

会社の年末調整期限、つまり最終的な年末調整の期限は翌1月31日となっています。経理など年末調整を担当する部署は、その前の年の10月ごろから準備を始め、11月に入って年末調整書類を従業員に配り、11月半ばから11月末に回収したのち、所得税を再計算します。それぞれの従業員がいくら超過分による還付、税金の不足分による追納が確定したら、多くの会社では12月の給料日に合わせて精算します。その後、1月31日までに従業員に「源泉徴収票」の作成、配布をし、各従業員の住所がある市区町村に「給与支払報告書(源泉徴収票)」を、税務署に「法定調書合計表」の3つの作成提出が必要となります。 ちなみに法律上の年末調整の最終期限は源泉徴収票を従業員に配る翌1月31日までとされており、年末調整書類に書いた内容に間違いや変更があったとしても、この翌1月31日までは「再年末調整」として手続きは可能です。つまり2018年度の場合、2018年の前の年である2017年10月から会社は準備を開始しはじめ、11月には従業員へ告知、回収し、最終的な年末調整の期限は2019年1月31日となります。

従業員の年末調整期限→2018年度の年末調整は2018年11月末期限が多い

上記に書いたように、従業員の2018年度の年末調整の期限は2018年11月末が多いです。 この年末調整の期限までに扶養配偶者や扶養家族がいるかどうか、生命保険料控除が適用される保険に入っているかどうか、地震保険に加入しているかどうかなど各従業員のそれぞれの所得控除がいくらか知る必要が会社にはあります。このため従業員は、「扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」に配偶者や親族などの情報を記入し、生命保険料控除証明書(多くはハガキ)などを会社に提出します。この期限は会社によって違いますが、会社から従業員に提示する年末調整の期限は11月中旬から下旬のところが多いようです。 扶養している配偶者や親族がいたり、自分で保険に入っていたりすると、記入欄が多くて面倒なのも事実です。しかし払い過ぎた所得税を取り戻すには必要な手続きなので、勤務先で指定された提出期限はきちんと守りましょう。

年末調整を忘れたら?

年末調整でうっかり所得控除を申請し忘れたらどうなるのでしょうか。 例えば ・生命保険料控除に関して、無くしていたはずの生命保険の控除証明書が見つかった ・配偶者控除に関して、1年の途中で妻が退職し不要に入ったり、妻が育児休業を取って収入が減ったり ・扶養控除に関して、離れて暮らす親に仕送りをした ・社会保険料控除に関して、休職中に社会保険料を自分で払っていたことを思い出したり、家族分の社会保険料を代わりに払ったり ・寡婦控除(寡夫控除)に関して、離婚して子供を引き取った などがありうると思います。 その場合、法律上の年末調整の最終期限が、翌1月31日など再年末調整が可能です。 ただ再年末調整のその期限すらすぎてしまった場合、自分で確定申告を行う必要があります。 会社員やパートタイマーなどの給与所得者が確定申告をしてはいけないという決まりはありません。年末調整という便利な仕組みがあるだけで、別に自分で所得税の精算をしてもよいのです。 また、直近の分だけでなく、過去の年末調整で申請し忘れた所得控除についても、過去5年分までなら還付申告が可能です。もう間に合わないとあきらめず、確定申告にチャレンジすることをおすすめします。

確定申告のやり方

年末調整を忘れた際に行う確定申告は以下のステップを踏むことで、実はとても簡単な作業です! <1>3通りの確定申告方法から選ぶ 1税務署の窓口で報告書を作成して提出 2国税庁のホームページで確定申告の申告書をダウンロードして、直接または郵送提出 3会計アプリを使用して確定申告書を作成して、直接または郵送提出 <2>必要なものを用意する ●源泉徴収票 ●還付金受取口座の通帳 ●印鑑 ●個人番号の確認書類と本人確認の書類の原本またはコピー <3>確定申告書作成 こちらは<1>で書いた3通りのどれかで入手し、それぞれの指示通り作成します。 わからない場合、税務署に行くと丁寧に教えてくれます。・ <4>確定申告書を提出する 期間内に直接提出もしくは郵送提出をしてください。 <5>還付金を受け取る

確定申告の期限

再年末調整ができない場合は、個人で確定申告をすることになります。確定申告の提出期限は、原則、翌年2月16日から3月15日まで。忘れずに申告するようにしましょう。

確定申告が必要なケース

ちなみにサラリーマンでも以下の7つのケースの場合、年末調整はできず、自ら確定申告が必要となります。 * 1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人 * 2. 1ヵ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人 * 3. 2ヵ所以上から給与の支払いを受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人 * 4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人 * 5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人 * 6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている人 * 7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

確定申告をすると得するサラリーマン

確定申告対象外であり、通常は年末調整を行うであろうサラリーマンでも確定申告をすると得する方がいます。

住宅ローンを組んだ場合

結婚もし、子供もでき、夢の一軒家を買ったあなた。 そんなあなたは住宅ローン控除によって控除を受けられる可能性があります。 年末調整でなく確定申告をすることで受けられる控除は是非受けましょう! 確定申告の際には以下の書類が必要になりますので、予め準備しておきましょう。 <提出書類と入手先> * ・住宅借入金等特別控除額の計算明細書:税務署 * ・住民票の写し:市町村役場 * ・建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本):法務局 * ・建物・土地の不動産売買契約書:不動産会社 * ・源泉徴収票:勤務先 * ・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書:利用した金融機関 なお、住宅ローン控除を受けるための確定申告は1年目のみで構いません。2年目以降は年末調整の対象になります。 最初だけ行う必要が出てきますので、お忘れなく!

ふるさと納税をした場合

ふるさと納税とは、どこかの自治体に寄付するとお礼の特産品をもらえて税金も控除される仕組みです。 ふるさと納税をしていて「ワンストップ特例制度」を利用しない場合には、確定申告をすると寄附額の一部が所得税から還付され、住民税が減額されます。確定申告の際は、自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を提出しましょう。 <ふるさと納税のメリット> ●必ずしも故郷や住んでいるところではなく、好きな自治体のどこに寄付してもいい ●被災地などに寄付することができ、被災地の復旧、復興に協力できる ●金額はいくらでも自由に寄付できる ●寄付の用途を指定できる自治体もある ●特典がある自治体から特産物などを獲得できる。例)米、牛肉、豚肉、魚介類の農産水産物や加工品など ●複数の自治体に寄付ができる ●クレジットカード決済できるところがある ●ポイントサイト経由ならポイントも貯まる ●必ずしも寄附金控除を受けなくても、寄付自体はできる このようにメリットは豊富です。だからこそ仕組みをきちんと理解しましょう。 <ふるさと納税の税制メリットを受ける方法 > では具体的に、ふるさと納税はどのようにしたら良いのでしょうか。 <1>自分がいくら寄付できるのかを知る ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/about/simulation こちらのサイトを参考に調べてみてください。 <2>どこに寄付するのかを決める それは「ふるさと納税」と調べると、出てくるふるさと納税サイトを活用すれば良いのです。 例) ふるさとチョイス https://www.furusato-tax.jp/?header さとふる https://www.satofull.jp/ サイトに登録されている特産品や、自治体ベースで寄付したいものを選びましょう! <3>寄付の申込手続きをする こちらはサイトに従い、進むだけです。 *こちらは通常に「確定申告」パターンと、先に伝えた「ワンストップ特例」パターンがあります <4>寄付をする 現金、自治体によってはクレジットカード対応もあるので、自分の好きなパターンで寄付をしましょう。 <5>特産品をもらう 特産品を受け取ります! <6>確定申告 ワンストップ特例でない場合確定申告が必要です。

家族にフリーランスや自営業の人がいる場合

会社が行う年末調整にはあなただけでなく、家族のことも踏まえて行われます。 家族にフリーランスや自営業を営んでいる方がいる場合、所得の変動が年によって大きい可能性があるため、年末調整の際に、会社側から配偶者控除や配偶者特別控除などを行ってくれないことがあります。 放っておくと、本来受けられるはずの控除が受けられない可能性があるため、確定申告で控除の申告をしましょう。 確定申告の際は、家族の所得金額を記載する必要があります。ただし、家族の収入が130万円以上の場合は控除対象外となるため、この限りではありません。

年末調整で控除書類を提出できなかった場合

書類を提出し忘れていたり、書類の発行が間に合わなかったりして年末調整の際に控除書類を提出できなかった方は、会社から受け取った年末調整済みの源泉徴収票に源泉徴収税額があれば、確定申告によって控除が受けられます。確定申告の際には、控除書類を持っていきましょう。

年末調整後に結婚した場合

年末調整後に結婚した場合、扶養控除や配偶者控除の対象となる可能性があるため、確定申告をすればその分の控除額が戻ってくる場合があります。確定申告の際に提出する書類は特にありません。ただし、扶養相手が青色申告や白色申告をしていたり、給与が130万円以上だったりした場合などは、扶養控除の対象となりませんので注意しましょう。

家を売って損をした場合

家を売った際に住宅ローンが残って、損をしてしまった場合、以下の条件を満たせば控除を受けられる可能性があります。 ・住宅を5年以上所有していた ・住宅ローンが10年以上残っている ・合計所得が3,000万円以下 ・住宅を売った相手が親族以外 なお、確定申告で控除を受ける際には、以下の書類が必要です。準備に時間のかかる書類もありますので、確定申告時期に合わせて用意しておきましょう。

雇用者が年末調整を忘れた場合の罰則

雇用者にとって、従業員の年末調整は義務です。雇用者が年末調整を忘れてしまった場合は、所得税法上で罰則が定められています。 年末調整によって徴収し納めるべき所得税を納めなかった場合は、10年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、またはこれら両方を課せられることになります。

不足額徴収繰延という救済措置

年末調整によってはすでに納めた所得税に不足が生じることもあります。 所得税に不足がある場合は、通常12月の給与から天引きとなりますが、不足額があまりにも大きいと、その月の給与が極端に減ってしまい、生活に支障が出る恐れがあります。 この救済措置として「不足額徴収繰延」という制度があり、承認申請書を提出することで、不足している金額を翌年の1月と2月の給与にも分けて支払えるようになります。なお、承認申請書の提出期限は「その年最後の給与支払日前日まで」となりますので注意しましょう。

年末調整は期限までにきちんと提出しましょう

年末調整は会社員やパートタイマーなどの給与所得者にとって、払い過ぎた所得税を取り戻すチャンスです。扶養控除申告書や保険料控除申告書に必要事項を正しく記入して、所得控除の適用漏れがないよう気を付けてください。 もし仮に会社が提示する年末調整の期限を過ぎてしまったっとしても、1月31日までは再年末調整が可能です。その再年末調整の期限が過ぎたとしても、3月31日までに自分で確定申告ができます。 もし万が一期限を過ぎてしまった場合や、申告内容に誤りがあった場合には一刻も早く税務署に申し出るようにしよう。