【離職率の高い職場には理由(原因)がある】求人応募時に注視する基準

離職率は、ある時点で仕事に就いていた労働者のうち、一定の期間(例えば、一月ないしは1年や3年)のうちに、どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表す指標のことです。 その離職率の中でも注目されているのは、「3年離職率」という指標です。新卒入社からたった3年内に退職するかどうかというのが、入社後の働きやすさを特に示すと言われているからです。 この離職率が高い企業は、つまり社員が頻繁にやめる、人の出入りが激しい職場ということであり、中途入社の社員が再び転職を繰り返すことになるリスクが高く、転職先として避けたい企業の特徴の一つです。 離職率が高い原因を知ることで、この離職率が高い企業を見極める基準をこの記事で書きます。

離職率が高い原因は?

給料面、人間関係面、労働時間などが悪い職場が離職率が高い傾向にあります。 ●給料面 給料が著しく低く、昇級の見込みがほぼなく、残業手当など法廷の賃金が支払われない職場 ●人間関係面 風通しが悪く、極端なワンマン経営の職場 ●労働時間 長時間の残業が常態化しある意味会社が脱法行為している職場 これらのような職場では、企業は「代わりはいくらでもいる」というスタンスで経営しているため、今後も改善されないままでいる可能性が高いです。

離職率が高い業界

企業ごとと言う観点もありますが、一般的に離職率が高い業界もあります。

宿泊業、飲食サービス業

ホテル、旅館経営などの宿泊業、、居酒屋、ファストフード店、飲食チェーン店などの飲食サービス業は離職率が高い業界と言われています。離職率が高い原因は、薄給の上激務であり、下手したら週休1日、もしくはそれすら取れない状況もあり得る職場だからです。その上、客商売のため、閉店後の片付けなどサービス残業も多かったり、慢性的に人不足であったり、社員一人当たりの負担が大きくなったりする職場となっています。結果的にみんな忙しいため新人を育てる余裕もなく、余計に人手不足に陥っています。そして参入しやすい業界なので競争過多になったり、人口減少によりネットに置き換わったりするなどして将来性が低いと言われていたりします。 激務であろうが給料さえ高ければ継続すると言うのが人の心理にはあるものの、この業界ではやはり薄給激務が一番の原因となっています。だからこそ離職率が高い傾向になります。

生活関連サービス業、娯楽業

クリーニング屋、美容室、温泉、旅行代理店、ブライダル関連、葬儀関連など生活関連サービス業、映画館や競馬・競輪、パチンコ店などの娯楽業は離職率が高い業界と言われています。

教育、学習支援業

公立私立学校法人、通信教育、学習塾、ピアノ教室、英会話スクールなどの教育、学習支援業なども離職率が高い業界と言われています。宿泊業、飲食サービス業に少し似ていて、週休1とかで薄給激務、慢性的な人手不足による社員負担の増加、参入しやすく競争過多が原因として挙げられます。加えて少子化、人口減少により先細りする可能性がある業界であり、教育熱心なモンスターピアレンツによるストレスなども原因として挙げられます。 人に教えることが好きで一度は入ったものの、給料が安くかつ忙しい状況で自分の生活を考えなければならず、その状態で教育に携わるのが難しくなる人が多いです。

その他サービス業

廃棄物処理業、派遣業、レッカー車業、自動車整備、機械修理、宗教などのそのほかサービス業も離職率が高い業種と言えるでしょう。

小売業

スーパーやコンビニ、百貨店、アパレル、専門店などの小売業も離職率が高い業種と言えるでしょう。アパレルや百貨店は正社員といえども売り場に出て働かないといけなく、クレーム対応、立ち仕事の辛さ、休日の呼び出し、閉店後の居残りサービス残業など、ストレスや労働時間の長さ、給料が低いなどが原因となり離職率が高い傾向になる原因は数多くあります。

医療、福祉

MR、介護、看護師、薬局、医者などの医療、福祉業界に離職率が高いと言えます。拘束時間の長い職業かつ、夜勤などの変速的な働き方が求められる業種であり、その割給料は安い場合もあります。結果、精神的、肉体的に辛いことが原因となり、長く持たなく、離職率が高い傾向にあります。

不動産業、物品賃貸業

不動産のディベロッパー、不動産仲介業者、リース会社など不動産業や物品賃貸業も離職率が高いです。競争が激しく、他社との違いが見出しにくい業界において、差別化は人によるものが出てきて、人海戦術で勝負するしかなく、激務になりやすいのが原因です。

学術研究、専門・技術サービス業

独立行政法人の研究所などの学術研究、専門・技術サービス業なども実は離職率が高いと言われています。それは研究開発の仕事には終わりがなく、実験し始めたら昼も夜もなくなり、しかも実験結果は必ずしも9時ー18時の間にでものではありません。泊まり込みで実験を繰り返したり、長時間の観察が必要だったりするとなると例外なく激務となり、この激務が原因で離職率が高い傾向になります。

離職率が高い企業の見分けポイント

離職率が高い理由、業種がある中で、求人を見た際に見極める基準をこちらで書きます。

求人の載せ方に注意

●頻繁に求人広告を載せている企業は要注意 転職しようと思ったら、できれば早めに転職サイトや転職エージェントに登録しておくようにしましょう。 なぜなら、一定期間求人を見ることが転職市場の動向を知る上で非常に重要だからです。ある程度の期間を通して転職サイトの求人を見続けていると、「この企業、少し前にも求人を出しているのを見たことがある」「この企業は常に社員を募集している」といったことが分かってきます。これが基準となり離職率が高いかどうかの判断につながります。 ●求人広告に社員の写真を載せない企業も注意 なぜなら辞めてしまったとき使い回しかできなくなるからです。 普通、画像付きの求人は文字だけの求人に比べて目立ちやすいため、求人サイトの多くが画像あり・なしで掲載料に差をつけています。よって、画像が掲載されているから優良企業、画像なしだから良くない企業、というわけではありません。 ただし、その画像に社員でない場合、注意が必要です。そこに映るのは在籍中の社員であるはずで、仮にその社員がどんどんと入れ替わりになる職場の場合社員の写真は載せられないことになります。 ●事業拡大を疑え ときどき、漠然と「事業拡大による人員増強」と募集背景が書かれていることがありますが、特にその背景についての情報が全くない場合は、実際には欠員補充である可能性があることも考えたほうがいいでしょう。本当に順調に成長している企業はそのことを求人にも大々的に書くはずです。 ●ありきたりな表現を使っている求人は使い回しの可能性もある その時に力を入れている事業や伸びている事業に注力し、人員増強していこうというケースが多いため、募集の背景や求める人物像が募集時期によって変わって行くのが自然です。 離職率が高く慢性的に求人を掲載している企業の場合、募集背景の本音は常に「欠員補充」や「人手不足」ですから、どの時期に出す求人にも使い回しができるように、あたりさわりのない表現になりがちです。

残業・長時間労働に対して肯定的、また無頓着な企業に注意

たいてい、労働時間ではなく成果に見合った報酬を約束しているか、または「仕事のやりがい」を強調しているパターンが多く見られます。 前者は営業職など、実力主義の職種ではあり得ることですので、必ずしもこの基準だけで離職率が高い職場と断言できないところがあります。 またタイムカードなど出退勤を管理する仕組みがない職場や、幅広くいろいろな職種に裁量労働制が適用されている職場は無頓着な会社と言えるでしょう。 ちなみに残業手当に関して待遇・福利厚生の項目で「残業手当100%支給」と明記されているかどうか、給与モデルに「基本給+諸手当(住宅手当+家族手当+残業手当)」のように示されているかどうか、求人の文面からある程度推測できます。 モデル年収が「基本給+成果給」のみだったり、待遇・福利厚生の項目が「社内レクレーションあり、月1回は飲み会でコミュニケーション、社員旅行あり」のような薄い内容に留まっていて残業手当に関する言及が一切ない場合、残業代が適切に支払われていない職場である可能性を疑いましょう。 求人情報以外にも、元従業員などが過去に勤務したことのある職場について口コミを投稿しているサイトを利用して、入社前後で感じたギャップや退職理由といった、ふだんあまり表に出てこない本音の部分を確認するのも離職率が高いかどうか判断する基準の一つです。

企業としての理念や理想に全く触れない、逆に理念や理想だけばかりが先行している企業

求人広告においても面接などの選考においても、企業としての理念や理想をほぼ全く伝えることなく、ひたすら「応募条件を満たす人材かどうか」をチェックするケースに出合うことがあります。 応募者に対して企業理念を伝えず、結果企業理念に賛同しない人を採用しても、どこかで必ず方向性の違いが生じてうまくいかなくなるのは当然の話です。 反対に企業の理念や理想を語るだけの企業にも注意です。こうした企業の中には、日常的に精神論がまかり通っている社風の会社があるからです。過去に業績好調だったものの近年は業績が落ち込んでいる会社では、「笑顔で元気よく働こう」といった中身の薄い精神論が横行していることがあります。 最後にワンマン社長かどうかも確認するのも離職率が高い企業か判断する基準の一つです。個性が強烈な創業者や、経営変革に成功したカリスマ的存在の経営者がトップに立っている場合、ワンマン社長であっても会社がうまく回っていることもあります。一方で振り回される危険もあるのです。「社員の○○という声から始まった企画が成功しました」「社員の意見を参考に○○を改善しました」といったように、従業員の声が経営に反映された過去の実例が載っているかどうかによっても、ワンマン経営かどうかを見極める1つの目安になります。

俺の背中を見ろ上司の存在

求人の閲覧時では分かりにくいですが、面接など交流の機会があると気づくことがある「俺の背中を見ろ」上司の存在にも注意した方が良いです。暗黙の了解などが当たり前となり、理不尽に怒られるということもあり得ます。例えば遅刻や欠勤の際の連絡ルールを聞いていないにも関わらず、無断遅刻が多い、やる気ないのでは?と怒られたら、誰だって嫌なはずです。俺の背中を見て覚えろという方が多くいる企業だと、合理的な指導も行われず、理不尽なことが多くなる傾向があります。このような企業だと、当然離職率も高くなる傾向にありますので、就職前の一つの基準として認識しておきましょう。

離職率が低い原因は?

離職率が高いところの逆を行っているところは離職率が低いと言えます。例えば、「労働環境の改善や福利厚生の充実」「従業員のストレスチェックや、管理職の教育」「社内のコミュニケーションの活性化」など取り組んでいるところは、離職率が低い傾向があります。そして社員に対して「所属欲求」と「承認欲求」を満たしているところは特に離職率が低くなります。離職率が低くなりそうな取り組みをしている企業を選ぶというのも、離職しないで済む一つの判断基準です。

休みが取りやすいか

離職率の低い企業の特徴として、やはりどれだけ働きやすい環境なのかが重要になってきています。有給休暇を取得しやすいかどうか、育児休暇制度がきちんとしているか、最近では介護や時短制度など導入している企業もあります。 ただし制度があるというだけの基準で判断するのも注意が必要です。制度はあるものの先輩社員が有給休暇や育児休暇の制度を、事実上誰も使えていないような企業の雰囲気であるかどうか、育児休暇後復帰できる受け皿を用意してあるかどうかなど、目には見えにくいところにも判断基準として設けておく必要もあります。

働き方の柔軟性

IT業界に多いケースとしては、フレックスタイムや在宅勤務、サテライト勤務などの柔軟な勤務体制を取っている企業は、激務の業界であっても離職率を低いです。他にも社員のさらなるスキルアップのために、各種の資格取得を支援したり、社内コンペの導入や、社内に新しいベンチャーを作ったりしている企業働き方の柔軟性は低い離職率に影響しています。

離職率を激減させたサイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は人材の出入りが激しく、一時期離職率が28%という状況でした。そのため従業員のワークライフバランスを見直し、「在宅勤務制度」を取り入れたり、 育児・介護休暇制度と時短勤務制度も取り入れたりしました。さらに成果や生産性を重視する「ウルトラワーク制度」を導入しました。結果4%まで劇的に離職率を減少させることができました。

離職率の高い不動産業界の水準以下にしたレオパレス21

レオパレス21はこれまで研修にあまり力を入れておらず、現場任せをしていたそうですが、社員の声に耳を傾けた結果、社員はもっと教育に力を入れて欲しいということがわかったのです。そこから管理職研修や営業力強化研修、組織マネジメントなどさまざまな研修に力を入れていったそうです。社員がより本気となり、成果を出す社員が生まれたばかりか、現場を管理する立場の支店長が「マネジメント」する能力を向上させていったのです。また長時間働いている人が頑張っているという評価基準も変え、限られた時間の中で成果を出した人を評価する制度が浸透したことで、一人あたりの残業時間が月平均6時間も削減することに成功しました。結果、有給休暇の取得率も34%から70%に劇的に改善されました。

離職率の低い業界

離職率の低い業界を見ていきましょう。

電気、ガス、熱供給、水道業などのインフラ

電機やガス、水道といったインフラの離職率は非常に低いです。給料も高く、休日数も多いという、労働者にとって条件面が非常に良く、会社の安定性も他の業界に比べて高いです。

鉱業、採掘業、砂利採取業

三井金属鉱業など大手の会社もあり、この業界も休日数、給料といった面で優れている傾向が強く、安定性の面でも優れています。

製造業

電機メーカーや自動車メーカーなど、日本を代表する企業が多い製造業は、給料の高さ、労働条件面の充実が離職率の低さにつながっています。

金融、保険業

仕事はきついが給料が高いことも影響し、インフラ製造業に比べると高いですが、離職率が低い傾向にあります。

情報通信業

大手企業を中心に好条件であり、労働環境もしっかりした会社も多く、離職率は平均以下と低くなっています。ただ一方でブラック企業もあるので、ある意味二極化が強くでる業界かもしれません。

2018年の3年内離職率ゼロの会社は108社

東洋経済社が行なっている『CSR企業総覧』では、毎年、学歴にかかわらずすべての新入社員の3年後の在籍者数を調査しています。2018年版の調査では、2014年4月に入社した社員が2017年4月に何人在籍しているかを答えてもらっているものですが、1128社に回答していただいたのち108社は離職率ゼロでした。この定着率100%企業108社のうち、2年以上連続して100%を保っているのは35社あり、3年連続で定着率100%となった企業も11社、さらに4年連続が4社ありました。

学歴で異なる離職率の7・5・3

学歴で7・5・3と離職率が異なると聞いたことがあるかもしれません。これは中学卒業後に就職した人は7割、高校卒業後に就職した人は5割、大学卒業後に就職した人は3割が3年以内に仕事を辞めることを表現したものです。若いうちに就職するほど、3年以内に仕事を辞める割合が高いわけですから、人生経験の浅いうちはなかなか自分に合った仕事が見つけられないということなのかもしれません。

離職率の確認方法

●四季報の確認 判断基準である離職率は、東洋経済社が発行している「就職四季報」で確認することができます。上場企業や大手企業なら、就職四季報にデータが載っていますので、まずは確認してみましょう。ただし非上場企業や中小企業の場合はデータがないこともあります。 ●四季報にない企業の離職率を知るには 就職四季報に、自分の転職したい会社の情報がない場合は、まずは転職エージェントやハローワークの担当者に聞いてみましょう。離職率としては教えてもらえない場合も、退職者数を聞くことができれば、会社概要などにある従業員数と照らし合わせておおよその見当をつけることは可能です。

離職率の計算方法

●一般的な離職率 ある時点で働いていた人たちのうち、その後退職した人の割合です。例えば以下のような計算ができます。 【ケース1】 社員200名の会社で、1年の間に5人の離職者がいる場合 「5÷200×100=2.5」離職率=2.5% 【ケース2】新入社員を20人採用、1年の間に5人が離職した場合 「5÷20×100=25」離職率=25% 【ケース3】新入社員を20人採用、3年の間に5人が離職した場合 「5÷20×100=25」離職率=25% 【ケース4】中途入社で5人採用、3カ月の間に1人が離職した場合 「1÷5×100=20」離職率=20% ●総務省統計局が行なっている「就業構造基本調査」 「離職者」について「1年前には仕事をしていたが、その仕事をやめて、現在は仕事を『していない』者」と定義されているため、「離職率」は「離職者が1年前の有業者(仕事をしていた人)に占める割合」ということになります。 ●厚生労働省の「毎月勤労調査統計」 1カ月間の離職者数を前月末時点の雇用者数で割ったパーセントを表示しています。 このように、どの企業も、どの役所も同じ基準を使っているわけではないので、データを見たり分析したりする際には、算出根拠(「分母」と「分子」)をどこに置いているのかに注意し、判断基準である離職率を確認する必要があります。

離職率だけで判断するのは危険

離職率は一つの指標ですが、離職率だけを見て判断するは危険です。

離職率が低くてもブラック企業

そもそも、離職率は必ずしも3年以内で算出する必要はなく、1年以内でもいいし、下手したら3ヶ月で算出しているなんてこともあります。だからこそ離職率が完璧なものではないし、きついけど給料がいいからやめないという人が多い場合もあります。

一定数やめる人

どんな優良大企業でも、人間関係や仕事のミスマッチなど様々な理由でやめる人は一定数います。離職率が0ではないからといってもその企業をあきらめる必要はありませんし、そもそも離職率が低いからといってもしあなたと合わなければあなたもやめる可能性は大いにあるということは忘れないでください。

まとめ 離職率が低い会社に入社するには?

離職率が高いのには原因があります。この原因を ●頻繁な求人広告、社員の写真を載せていないなど求人の出し方で確認する ●残業長時間労働に肯定的、無頓着かどうかなど文面を読んで確認する ●面接で企業理念や理想に触れなかったり、逆に理念や理想ばかりを話していたりする など、入社前に知ることが、離職率が低い会社に入社することができます。 離職率が高い企業は、つまり社員が頻繁にやめる、人の出入りが激しい職場ということであり、中途入社の社員が再び転職を繰り返すことになるリスクが高く、転職先として避けたい企業の特徴の一つです。 だからこそ離職率が高い原因を知ることで、この離職率が高い企業を見極めましょう。