2011年頃に見た「花王不買運動」の影響と社会的効果

花王不買運動とは、2011年に、フジテレビの偏向報道騒動が要因となり、そのスポンサーである花王に対して不買運動が起きた事件のことです。 世界では2017年のヒュンダイ不買運動、2017年スタバ不買運動などありますが、日本で一番注目されていたのは、この花王不買運動かもしれません。 その2011年頃に起きた花王不買運動の内容、要因、現在における効果、どのような代替品が使われていたかなどを書いていきます。

不買運動とは

2011年の花王不買運動も含め、2017年ヒュンダイ不買運動、2017年スタバ不買運動など世界で起きている不買運動のそもそもの意味を調べてみると以下の通りです。

不買運動 ふばいうんどう 消費者運動の一形態。企業側の独占,寡占,価格協定,買占め,売り惜しみなどにより消費者が不当な高値を強いられたときに消費者が結束して行う運動である。日本でこれまでに成功した例として,カラーテレビの二重価格 (輸出用価格は低く,そのつけが国内消費者用の価格に上乗せされたこと) に対し,消費者の不買により,企業側が価格の是正を行なったことは有名である。消費者の長期間の結束がないと成功は困難である。

花王とは?

現在では日本を代表する日用品メーカーであり、数多くの部門でトップシェアを誇り、特に洗濯用洗剤のシェアは圧倒的です多くの事業を展開しており、ライオン、P&G、ユニリーバ・ジャパン、資生堂、サンスターなど様々な企業と競合しています。(競合が多いからこそ代替品案が数多く出てきていたのかもしれません。) 最近では花王が同業他社に比べて勢いを欠く化粧品事業のテコ入れを急いでいます。世界で49にのぼるブランドのうち、マーケティング投資を高級品の「SENSAI(センサイ)」など11ブランドに集中させる大胆な内容を発表しました。

花王のロゴと名称

1890年発売の花王石鹸は当時「顔洗い」(かおをあらう)と呼んでいた化粧石鹸の高級な品質を訴求するため、花王の名称は発音が「顔」に通じる「花王」と命名しました そして花王のロゴはこのとき「美と清浄のシンボル」として使われた「月のマーク」を使用され、その後何度か形を変えているが使用し続けられています。 ちなみにこの花王ロゴは現在まで130年以上続いており、最初は噴き出し付きだったそうです。

最初のロゴマークは「吹き出し」付きだった ――花王のロゴマークには「月」が入っていますが、その理由を教えて下さい。 このロゴマークは、創業者の長瀬富郎(ながせとみろう)が考案したものが基になっています。1887年(明治20年)、初代の長瀬富郎は洋小間物商『長瀬商店』を開業しました。これが花王の始まりです。 ――ということは、もう120年以上も続いているんですね。 最初のロゴマーク はい。その長瀬商店で輸入品の鉛筆を扱っていたのですが、その鉛筆に月と星のマークがありました。これがヒントになって1890年(明治23年)に最初の月のマークができました。 このロゴは顔は左側にあって(右向きの顔で)、吹き出しに「花王石鹸」(かおうせっけん)の文字が入っていました。

花王の歴史

花王の歴史は2018年現在から遡ること、130年ほどになります。 1887年6月 花王は最初石鹸等を販売する会社、長瀬商店として創業しました。 1923年 花王(当時は長瀬商店)は石鹸の製造を開始、その2年後、花王石鹸株式会社長瀬商会を設立しました。その後製造子会社を複数作っています。 1946年 株式会社花王となります。 1949年 他者との合弁で作られた子会社である日本有機が花王石鹸株式会社となります。 また、株式会社花王が子会社と合併して花王油脂株式会社となります。 1954年 花王石鹸株式会社と花王油脂株式会社が合併、社名は花王石鹸株式会社となり、この間海外会社との子会社などを設立しています。 1985年 花王石鹸株式会社が、花王株式会社となります。 2006年 (株)カネボウ化粧品が花王グループになります。 このように花王は、現在まで年々成長拡大していっています。

歴史に影響を与えた花王製品

歴史や現在の暮らしに間違いなく、影響、社会的効果を与えていたのが、花王製品です。その主要な花王製品を見ていきます。 ●花王石鹸 1890年 当時の日本で品質のいい石けんといえば海外からの輸入品であり、ほとんどの国産品は品質面で劣っていました。 そこで花王が国内で品質の良い石鹸を作り、広めていき、現在の認知度まであげました。 ●花王シャンプー 1932年 この花王シャンプーは“シャンプー”という言葉を日常語として定着させ、日本人の洗髪習慣を大きく変え、現在にまで影響を与えました。 ●花王粉せんたく(ワンダフル)1951年 手洗いでの洗たくが主流だった1950年代初頭、簡単かつ強力に汚れを落とせる初の合成洗剤として開発されたのが「花王粉せんたく」です。 ●メリット 1971年 花王はフケや頭皮のかゆみに悩む人のために開発されました。現在では弱酸性のメリットとして幅広い世代に使われています。 ●マジックリン 1971年 食生活の洋風化が進んでいた当時は、台所の換気扇やレンジなどの油汚れがお掃除の悩みになっていました。「ガンコにこびりついた油汚れを簡単に落とせる洗剤が欲しい」という声にお応えして誕生したのが、住まいの強力洗剤「マジックリン」です。その後、「マジックリン」ブランドは、バス、トイレへと活躍の場を広げています。今では石鹸や日用品シェア1位の花王の主力商品の一つです。

花王不買運動の流れ

花王不買運動は、花王だけが理由ではありません。その背景にあったフジテレビや、それを助長させた要因について見ていきます。

花王不買運動の流れ

花王不買運動の流れを簡単にまとめると以下の通りです。 2000年頃からフジテレビは「韓流ごり押し」を展開 ↓ 昼の番組はすべて韓国ドラマ、ゴールデンには韓流スター・K-POPばかり登場 かつ 韓国にとって都合の悪い事実が報道されず、偏向報道の疑惑 ↓ 視聴者からの抗議が殺到 SNSで俳優が発言 ↓ 2011年から複数回にわたり「フジテレビ抗議デモ」 ↓ フジテレビの最大スポンサーである「花王」、広告代理店である「電通」も同罪という流れへ ↓ 花王抗議デモおよび花王製品の不買運動、代替品購入に発展 現在でも根強くこの花王の不買運動、代替品購入が残っています。

花王の不買運動の理由・原因は?

お伝えした通り「花王不買運動」の原因は、フジテレビでした。当時のフジテレビは韓国のテレビ局と揶揄されるくらいの「韓流ごり押し」であり、それだけではなく韓国側にとって都合の悪い歴史・事実を隠すような偏向報道をしていました。 このような背景がある中で、情報番組でのフィギアスケートのキム・ヨナ選手の持ち上げっぷりと、ライバルである浅田真央選手のマイナス表現(例えば事実と異なるとしても浅田選手よりキム選手の基礎点が高く、キム選手の方が実力が上と感じさせる)の報道をしたことで、視聴者からの講義が殺到しました。 そして、番組を作るためにお金を出していたフジテレビ最大のスポンサーである「花王」にも抗議やデモが行われ、花王の不買運動、代替品購入に発展しました。ちなみにその他にも「花王が買収したカネボウ」「電通」「朝日新聞」「ソフトバンク」などがデモ・抗議の対象となっていました。

どのくらい韓流推しだったの?

韓国ドラマの放送時間が、当時1週間で地上波30時間以上と言われ、他の放送局の3倍に相当していたと言われています。この異様な増え方が一部ではステルスマーケティングの可能性と言われていました。 ステルスマーケティングは、中立的な立場での批評を装ったり、当の商品と直接の利害関係がないファンの感想を装ったりして行われるマーケティング手法です。商品の特長の紹介や、評価システム上の評価をつり上げるなどの行為により、多くのユーザーの目に触れさせ、またユーザーの商品に対する印象を上げることが主な目的とされています。 例えば、2013年に公開されたディズニーアニメ「アナと雪の女王」がステルスマーケティングによるものだという噂もあります。 アクアまでステルスマーケティングは、たとえばバラエティ番組の中で出演者がそれとなく話題に触れるなど、消費者にそれと気づかれないように情報を刷り込んで消費活動をコントロールする宣伝法のことで、うまくムーブメントに繋がれば効果的です。 ただ内容と情報量が釣り合わない場合は花王不買運動のケースのように、「気持ち悪い」「しつこい」「ゴリ押し」などと評価され、期待した効果とは違う効果がでることがあります。

そもそもなぜ韓流ブームが起きた?

1997年(平成9年)のアジア通貨危機で窮地に陥った韓国は、国策として文化産業振興に力を入れるようになり、低価格のコンテンツを世界中に提供するようになりました。 世界は低価格で韓国のコンテンツを手に入れることができるようになり、K-POPや2003年に始まった「冬のそなた」などの韓国ドラマが、一気に韓流ブームを作っていきました。

そもそもフジテレビがなぜ韓国押しなのか?

理由は韓国資本が入り、フジテレビの外国人株式保有率が20%程度の中で、韓国関係の株の保有者が多くなったからと言われています。 そしてフジテレビの子会社のフジパシフィック音楽出版がK-POPの著作権を委譲されていて、利益のためK-POPを押したと言われています。

花王不買運動を大きくした要因

花王不買運動は主にフジテレビの異様な韓流推しが要因と言われています。ただこの花王の不買運動、代替品購入をさらに加速、大きくした要素は他にもあります。

俳優の高岡奏輔がSNSで声を上げたこと

花王不買運動の要因であるフジテレビへの不満は、実はネット上のSNSなどでは以前から頻繁に取り沙汰されていました。それが花王不買運動という直接的な行動に変わる引き金となったのは俳優の高岡奏輔が、「韓国押しが酷くて気持ち悪いといったものから、韓国人俳優に対する批判までおよんだ」フジテレビの過剰な韓国ドラマ推しを批判したTwitterでの一連のコメントでした。このSNSでのコメントによる波及効果は抜群でした。

フィギュアスケート報道

フジテレビの報道では、日本で人気の高い浅田真央選手の画像の選定に悪意が感じられるとしてネット上のSNSでは話題になっていましたが、一方で韓国人のキム・ヨナ選手に対する評価が不自然に高すぎることも疑問視されていました。 例えば安藤美姫選手が優勝した2007年の世界選手権と、浅田選手が優勝した2008年・2010年の世界選手権では国旗掲揚や国歌斉唱のシーンを省いたのに対し、続く2009年に韓国人選手のキム・ヨナが優勝すると、表彰式の様子をノーカットで放送し不評を買ったフジテレビは視聴者からのクレームがおきました。

原爆Tシャツ

2011年8月7日に放送されたフジテレビ系のドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」の中で、主役の女性が着ていたTシャツに黒文字で「LITTLE BOY(リトルボーイ)」と書かれていたことに対し、広島県はフジテレビに対して異例の申し入れをしました。 というのも放送された8月7日は広島に原爆が投下された日の翌日であり、かつ「LITTLE BOY」は、広島に投下された原子爆弾のコードネームでした。フジテレビでは以前から視聴者を挑発するような演出をしたり、特定の国をこき下ろしたり、持ち上げたりする傾向があると言われたりなどフジテレビに疑念の思いが積もっていました。だからそ理由はなくとも原爆と連想されることが起きたということで、放送終了後、広島県には100件を超える抗議の電話やメールが寄せられました。このことがあり「今後は配慮を頂けますか」という趣旨の申し入れをしたとコメントがありました。

サッカー「韓日戦」

当時以前から韓国チームのマナーの悪さに対してサポーターたを中心に不満が募っていたため、フジテレビは2010年に開催されたサッカーの試合を「韓日戦」と表記するなどがあった際、批判が集まりました。この時「国名の順番はホームとアウェイで使い分けている」とコメントとしたが収束とまでは行きませんでした。

ニコ動

フジテレビの韓流推しが要因でフジテレビ前で600人と言われるデモが起きた際、ニコニコ生放送などの動画サイトでも生中継されました。その時合計で10万人以上が視聴されたと言われ、花王の不買運動につながる効果はかなりあったと思われます。

花王の不買運動の元になったフジテレビに対して、日本国内の反応

花王の不買運動の元ととなったフジテレビに対して、芸能人、企業での反応もまた、この騒動に大きな影響、社会的効果を与えました。

ビートたけし

タレントであり、映画監督であるビートたけしは、「韓流フジ批判する方がおかしい」として、フジテレビ騒動に言及し「ツイッターっていえば、高岡蒼甫ってのが韓流ばかり流すフジテレビを見ないって批判したって。韓流ばかり放送するったって、それである程度、視聴率取るんだからしょうがないよな。」「有料テレビなわけでもないし。いやなら見なきゃいいじゃねーかってだけだけどな。」「そもそも、フジテレビはこれまでもジャニーズばっかり出してたし、デモするほど騒ぐのはおかしいよ。」と指摘して、「オレだって昔、「テレビはツービートの漫才ばっかり流してる」って批判の投書がいっぱい来てたけど、今のツイッターの時代は本当に大変だな。」と述べていました。

田村淳

お笑いタレントである、ロンドンブーツ1号2号の田村淳はTwitterで「じゃあ見ないと言う選択で良くない? 何でも否定するのがカッコ良いスタンスは俺には理解できない」と述べました。

増田英彦

お笑い芸人である、ますだおかだの増田英彦は、「この発言で夫婦仲も寒流やね」「高岡蒼甫は交通事故に遭うんじゃないですか?」と発言し、視聴者から批判を受けていました。

山本太郎

俳優、衆議院議員である山本太郎は、Twitterで「韓国のエンタメは魅力的だからこそ視聴率が取れる。日本の製作者に対して、そこに頼らず、もっと自分たちで頑張って作っていきましょう!っ彼なりのメッセージと僕は受け取りました」と述べていました。

系列メディア

ネットニュースで注目を集めたものの、当初このデモを一切報道せず、デイリースポーツ紙が報じたのみでした。

豊田皓

フジテレビジョンの当時社長である、豊田皓は、定例記者会見で本事件に触れ「ツイッターは個人の意見だと思います。個別のご意見にコメントすることはないと思いますので、申し訳ないですがコメントしません」と述べていました。

フジテレビの広報部

「朝から晩までやっているわけではありません。ゴールデンタイムもすべて韓流ではなく、ほかの国のものもあります。私どもとしては、適正ではないかと思っています」と述べていました。

花王不買運動の代替品

フジテレビから始まり花王の不買運動に発展した際、花王製品の不買に伴い、代替品の推奨が多く行われていました。 不買の対象となった花王の製品は次の通りでした。 ●メリット(シャンプー) 花王が1970年に発売したロングセラー商品で、日本で初めてZ-PT(ジンクピリチオン)が配合されました。色は発売当初の不透明な青緑です。 ●ビオレ(洗顔料や基礎化粧品など) 1980年発売の中性ボディソープで、花王の主要化粧品ブランドのひとつです。 ●キュキュット(食器用洗剤) 除菌もできる台所用洗剤です。 ●つぶ塩(歯磨き粉) 塩の粒が入った薬用歯磨きで、歯肉炎・歯槽膿漏の予防に効果があると言われます。 ●ピュオーラ(歯周トラブルケアのオーラルブランド) ●ロリエ(生理用品) ●セーフティー(生理用品) など。 また季節ごとの不買目標も決められており、春と秋は「クイックル」や「ハイター」といった掃除用品、夏はシャンプーや日焼け止めなどが不買の対象になっていました。 そしてこの花王の不買運動による代替品としては以下の通りでした。 ●洗剤の代替品 花王アタック アリエール(P&G)、トップ(ライオン) ●化粧水の代替品 花王キュレル SK-Ⅱ(P&G)、アベンヌ(資生堂) ●おむつの代替品 花王メリーズ パンパース(P&G)、マミーポコ(ユニ・チャーム) 花王は競合が多いからこそ、代替品が数多くあり、不買運動の際は、その代替品を推奨するようなネットページが作成されておりました。(今でも代替品推奨のネットページは更新されている模様です。)

花王不買運動による花王への影響

花王製品の不買だけにとどまらず、株主として抗議の声を届けようと花王の株を買った人もいたと言われていますが、どれほどの数を所有していたのかまでは分かりません。 またネット上では、大規模なデモ行進が行われた8月21日以降、株価が下落しているとの情報も一部に散見されるものの、2010年から2018年現在までの長期足で実際の株価を見た限りでは、花王の不買運動のあった2011年と2012年に大きな変動があった形跡は見当たりませんでした。 つまり決算数字の推移を見ると、花王の不買運動、代替品購入があった2011年度・2012年度の業績も特段、悪いわけではありませんでした。なぜならこの時期はリーマンショック後(2009年度)であったし、東日本大震災(2012年度)もあったりで、どの化学メーカーも業績はイマイチ停滞ぎみであったからです。そしてその後は急成長を見せ、2015年度決算では過去最高利益を更新しています。花王の経営にダメージを与えるほどのインパクトはなかったと言えます。 ということで「花王不買運動、代替品購入」は「何も効果がなかった」と断言でき、花王の不買運動に参加した人々は少数派であって、花王の製品ブランドに対する信頼性は想像以上に高かったとも言えます。

花王の不買の2018年現在

大規模な集会やデモが行われているという情報はありませんが、花王製品の不買活動、代替品購入は現在も個人レベルで続けられていると考えられます。それはフジテレビのスポンサーだからというわけでなく、商品の安全性ということが理由のようです。実際インターネットで調べてみると、花王の商品である「メリット」に含まれるラウリル硫酸塩やプロピレングリコールなどの成分は、低価格の日用品に高い確率で含まれる石油系化学物質ですが、頭皮から吸収されたあと体内に蓄積され、安全性にかけると言われ不買するということが言われています。 ちなみに2018年5月現在でもtwitterで「#花王不買運動」と検索すると、随時更新されているほど根強く続いている模様です。 「花王 代替品」で検索すると、まだまだ代替品の一覧は更新されているので、一部では不買運動、代替品購入は行われていると言えるでしょう。

世界の不買運動

この花王不買運動による企業への影響は決算数字をみると効果があまりなかった可能性があると言えます。ただ2017年のヒュンダイやスタバの不買運動を見ると、世界では不買運動がかなりの効果を持つことがしばしばあります。

2017年中国国内の「ヒュンダイ」不買運動

韓国のヒュンダイモーター(現代自動車。以下、ヒュンダイ)は、2017年の世界新車販売の結果を発表した際、総販売台数は450万7000台となり、前年比は6.4%減でした。 内訳を見てみると南北アメリカが118万5000台を販売で、2016年→2017年で比較すると0.3%減とわずかに落ち込んだものの、この中の米国は68万6000台で、2016年→2017年で比較すると11.5%減と、8年ぶりに前年実績を下回る結果でした。 そして中国では2017年は81万7000台を販売となり、2016年→2017年で比較すると27.9%減と大きく落ち込んでしまいました。 これは、韓国国内に米軍が、ミサイル防衛システム「THAAD」を配備したことに反発した中国の国内で、韓国車の不買運動が起きた効果が大きいといわれています。 ちなみに欧州では2017年、76万7000台を販売し、2016年→2017年で比較すると9.3%増、地元韓国の新車販売は、68万9000台であり、2016年→2017年で比較すると4.6%増と、プラスに転じていることを考えると不買運動の効果があったと言えます。

2017年米国国内の「スタバ」不買運動

スタバ不買運動は、2017年にトランプ大統領が「イスラム圏7カ国からの移民の入国を禁止する大統領令」に署名したことに端を発していると言われています。 これに対抗する形でスターバックスは2017年に「75カ国で難民1万人を雇用する」と発表しました。 結果的にトランプ氏を支持する層の間ではスタバの不買運動が広がり、「#BoycottStarbucks」(スターバックスをボイコット)というハッシュタグまで登場し、一時Twitterのトレンド1位にまで上り詰めていました。

1997年「ナイキ」の不買運動

1997年、ナイキが委託するインドネシアやベトナムといった東南アジアの工場で、低賃金労働、劣悪な環境での長時間労働、児童労働、強制労働が発覚しました。この事態に米国のNGOなどがナイキの社会的責任について批判し、世界的な製品の不買運動が起こり、経済的に大きな打撃を、そして社会的効果も強く受けました。 ナイキのビジネスモデルは、スポーツ用品・衣料品のデザイン・開発は自社で担当し、製造は低コストのアジアなど発展途上国の工場に委託するというものだ。これにより多くの利益をあげ成長してきた背景があります。 だからこそこの不買運動は経済的打撃を受け、ビジネスモデルを考える必要がありました。そしてサプライヤーの労働環境や安全衛生状況の確保、児童労働を含む人権問題に取り組むようになり、CSRの優等生で、CSR報告書の評価も非常に高い企業として知られるようになりました。

花王の不買運動からの学び

2011年ごろから起きた一連の花王の不買運動の動きから、日本の現状や、今後の施策、現在への社会的効果が見えてきました。

日本のスポンサーとテレビ局の関係が明るみに

無料で民放放送を視聴できるのは、スポンサーと呼ばれる企業が番組制作料を支払い、民放各局が代償として、番組の合間に宣伝を放送しているからという構造があります。 そして製品の広告を打つための媒体はテレビの他にもいくつかありますが、これらのメディアを一手にまとめているのが「広告代理店」です。日本では世界的な常識である「一業種一社制」ではなく、同じ代理店が複数の同業スポンサーを推すスタイルなため、大きな影響力を持っていると言われています。 だからこそ商品がいかに優れていても、CMがなければ必要としている消費者の元に届くことはありません。ここに、テレビ局とスポンサー、広告代理店、企業の利益が一致します。 知っていた人は知っていましたが、国民もその構造を意識するようになったのも事実です。 そこで、テレビ局に抗議しても聞き入れてもらえないと知った視聴者は、スポンサーである花王に不買というスタイルで意志表示を試むようになりました。

CSR

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の略語で、日本語に訳すと「企業の社会的責任」という意味になります。一般的には、収益を求めるだけなく、環境活動、ボランティア、寄付活動など、企業としての社会貢献の活動を言います。 ちなみに2017年CSR活動ランキングで、上位の3社は、富士フィルムホールディングス、ブリジストン、KDDIでした。 1位 富士フイルムホールディングス 富士フイルムグループの創業の原点と言える写真フイルムは、製造時に「大量の清浄な水と空気」が不可欠であり、その原点を大切にするために、環境保全を前提にCSRに取り組まれています。そのほかの取り組みとして、新しい写真の楽しみ方を伝えるために、「スマホ時代の新しい写真店」をコンセプトに初の直営ショップ「WONDER PHOTO SHOP」を東京・原宿にオープンしたりしています。 2位 ブリヂストン ブリヂストンは、Mobility(モビリティ)People(一人ひとりの生活)Environment(環境)の3つに重点課題をおいて活動しています。主な活動事例は、子どもたちへ交通安全教育プロジェクトをタイなどの海外でおこなっています。 3位 KDDI KDDIでは、安定した情報通信サービスの提供、安心・安全な情報通信社会の実現、多様な人財の育成による活力ある企業の実現、地球環境保全への取り組みの4つに重点課題をおいて活動をおこなっています。主な活動事例は、東北被災地をつなぐ継続的な復興支援として、タブレット体験教室によるコミュニティづくり支援をおこなっています。

フェアトレード

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。 日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。一方生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。 生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要だとフェアとレードでは考えられています。

SNS

花王の不買運動が拡散した大きい理由としては、SNSがあったからです。現在のメディアとして重要なSNSを今一度見て見ましょう。

SNSの特徴

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の特徴は、顧客に対して「直接的」であり、顧客に一方的に伝えるのではなく、顧客からのアクションも期待できる「双方向性」が挙げられます。 テレビや新聞などの従来のマスメディアでは、膨大な数の視聴者に情報伝達することができる一方、全く興味・関心がない人にもプロモーションすることになり、非効率さがあることは否めず、特定の個人に対してのみの情報発信は難しいです。 一方でSNSは「いいね!を押し、さらに該当商品の商品紹介を閲覧した人」までターゲットを絞り込み、広告を打ち込むことができます。また、ソーシャルメディアでは受信者が情報を発信することができ、Facebookで興味を持った人が個人のブログで紹介すれば、おのずと自社の商品・サービスの情報が広まるなど、拡散効果はかなりあります。

SNSのマーケティング

だからこそ現在ではSNSを利用したマーケティング手法を使い成功している企業が多くいます。特に「ターゲットが明確」、「中長期的な視点で施策を行っている」、「自社の商品を魅力的に伝えることができている」とその成功率は高いと言われています。 ●ターゲットが明確 ターゲットが不明確な状態で記事を投稿しても、誰からも関心を持たれなければ意味のないものとなってしまいます。しかしターゲットが明確になれば、あとは必要とされるコンテンツを提供すれば自然とファンも関心を持ってもらうことができるでしょう。 ●中長期的な視点で施策を行っている 成功事例として取り上げられる企業は、中長期的にマーケティング施策を行うことで成功している企業がほとんどです。すぐに成果を出そうと短絡的な施策に走りがちな企業も多いですが、ファンの育成には時間を要します。ソーシャルメディアマーケティングは時間が掛かるものと認識し、どのように関係を築いていくかを考えることが重要です。 ●自社の商品を魅力的に伝えることができている 自社の商品の魅力を伝えられている企業ほどいいね!を集めファンも多いです。reluxや土屋鞄製造所のように写真を多く使用して魅力を伝えている企業もいれば、RIEDELのようにターゲットに愛されるコンテンツを提供している企業もいるので、魅力の伝え方は様々です。

SNS成功企業事例

現在までにSNSを使用して成功した企業例をいくつか見て見ましょう。 ●無印良品 無印良品と言えば、自店舗だけではなくファミリーマートでもアイテムを売っています。そんな無印良品が最初に行ったSNSマーケティングは、①Twitterでの「タイムセールなう」といい、当時のフォロワー数が15,000人程度だった頃、フォロワー限定のセールを開催し売上を増やしました。さらに②SNSクーポンを配ることで店舗へ足を運んでもらい、多くの商品を買ってもらうという戦略も始め、売上を増やすことに成功しました。他にも③無印良品のSNSではこういった取り組み以外にもオススメ商品を紹介しています。 無印商品は細かいところから戦略が練られており、現在でもSNS映えするようなお店の内装作りや商品紹介コラムに力を入れており、綺麗に飾られた店内、思わず買ってみたくなるような商品の写真などが掲載されています。 ●H.I.S H.I.Sでは、学生向けにTwitterやInstagramで「#100個割」を付けてテーマに沿った画像を投稿し、実店舗へ来店し写真と学生証を見せることで、旅行の割引を受けることができるキャンペーンです。 ターゲットが若年層であることから「割引」をフックに利用し、難易度別で割引額を変更しゲーム性を持たせて投稿してもらうことで、ユーザーが楽しめるキャンペーンになっていることがポイントです。 キャンペーンの内容はターゲットにするユーザーによってゲーム性を持たせて楽しんでもらいながら投稿するのか、手軽に投稿できたほうが良いのかなど、企画・設計をする必要がありますので、キャンペーンごとにターゲットとするユーザー層でキャンペーンの設計を変えているのが特徴です。

SNSの悪い影響

SNSは直接的であり、双方向性があるため、拡散力も高いです。だからこそきちんと使用しないと悪い影響があります。 ●バイトテロ 「バイトテロ」ともよばれるこのタイプは、従業員が面白半分に職場での違法行為や公序良俗を乱す行為を写真に撮り、SNSに投稿して炎上し、雇用元企業の評判が落ちた結果、企業は被害を受けてしまっています。飲食店を中心にアルバイトの従業員が面白半分に投稿した写真が大炎上を引き起こして、会社が倒産まで追い込まれる事件が発生しています。 ●店員に「土下座」強要 衣料品チェーンの女性店員に土下座させ、その姿をツイッター上で公開した女性がいました。一気に拡散し炎上し、投稿者に非難殺到、Twitter炎上騒ぎとなり、ニュースでも取り上げられました。 ●企業の意図しない発言での炎上 某アミューズメントパークのTwitterアカウントから、日本では原爆記念日であったにも関わらず「なんでもない日おめでとう。」とツイートされたことがありました。原因は「うっかり発言」であり、投稿から6時間後にこのツイートを削除し、併せて「不適切な日時の投稿で、不快な思いをさせてしまい、申し訳ない」と謝罪がありました。同企業はもともと悪気こそなかったはずですが、世間的に「何でもない日」でないことは明らかでした。そして「おめでとう」というふさわしくない言葉が同アカウントのフォロワーやフォロー外のユーザーまでも不快にさせ、炎上にいたりました。 ●店員による個人情報漏洩 某不動産会社に勤める社員が、ある芸能人が物件を探していたことを実名を挙げてツイートしました。業務で得た客の情報を投稿したことに関し、プライバシーの侵害であると批判が殺到しました。すぐに本人の勤務先や本名が特定され、ネット上にさらされました。 ●誤爆 某ECサイトのTwitterアカウントより、某歌手へのツイートで「ぶさいく」と個人的な中傷発言をしてしまい、某歌手の個人アカウントから「公式でブサイクと言われちゃった(涙)」とツイートがありました。同日に謝罪文を発表し、「該当のツイートは弊社の見解を示すものではございません」と自社の公式発言であることを否定しました。真相は不明であるものの、担当者が個人アカウントと間違えて投稿してしまった可能性が高く、アカウント運用における課題が浮き彫りとなりました。

不買運動

2011年ごろに起きた花王不買運動は、良くも悪くも社会に影響を与えました。 花王不買運動がきっかけで、日本のメディアの現状に注目され、花王の商品にも注目され、そこから派生し、SNSにも注目されるようになりました。 この日本の2011年の花王不買運動を含め、世界の2017年ヒュンダイ不買運動、2017年スタバの不買運動などがきっかけで、CSRやフェアトレードなど新しい仕組みへの影響を与えられています。 政治、宗教的に考え方が異なるのはいた仕方ないことかもしれません。かつ今SNSで拡散力は非常に高い状況です。だからこそ商品、商品の背景を理解して選択するのが重要です。 花王不買運動は結果的に経済的大きな影響はないと言われるかもしれませんが、現在でも未だ記憶に残るほど社会的影響を与えたのは間違いありません。