『平素はお世話に~』『平素は格別のご高配を~』/平素の意味や例文

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「平素は(へいそは)」の意味は「普段は」「いつもは」です。そして読み方は「へいそ」です。しかし基本的には文書で使われる言葉となるため、会話の中で聞く機会はそこまで多くないといえるでしょう。 稀にお笑い芸人の方などがテレビで使っている場面があったりしますが、基本的には日常的な会話で使う言葉ではありません。実際に「普段は」や「いつもは」を「平素は」と言い換える理由もないですよね。「平素は」は基本的に文書で使う言葉です。

「平素は」と似た意味の言葉

「平素は」の意味を知っておくと、似た言葉を置換えて表現できます。「平素は」と意味が似た言葉は一例として、以下のものがあります。 ・いつもいつも ・どんなときも ・常々 ・日夜 ・日常的に ・常日頃 これらの言葉は必ずしもビジネス文書で使えるものではありませんが、会話の中で「平素は」と同じ意味の言葉を使いたくなった場合はこれらの言葉で表現することができます。 ただこれらの言葉は意味が似ているだけで同じではないので注意が必要です。例えば「どんなときも」と「いつもは」では似ていますが、使える場面はそれぞれで異なります。 「いつもは」は普段の日常のことを指すことに適していますが、「どんなときも」が使える場面は日常を表現することだけに限らないからです。「どんなときも」はいつも以外の突発的な出来事も含めて言い表すことができるのです。「平素は」という言葉はこのように似ている言葉との違いを知ることで、より意味を理解することができます。

「平素は」はどのような場面で使うのか

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「平素は」を使う場面は基本的にはビジネスシーンがほとんどです。特にビジネス文書を作成する際に、最もよく使われます。詳細は後述しますが、挨拶文としての「平素はお世話になっております」というフレーズはビジネス文書の常套句でもあります。会話の中で使うことはほとんどない言葉ですが、会話の中で使うとすれば改まった表現が必要な機会に限られるといえるでしょう。

「平素は~」の手前で使えるビジネス文書の挨拶文

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「平素はお世話になっております。」などの「平素は~」から続く文言はその前にほとんどの場合、挨拶文があります。では次に、挨拶文の例文について見ていきましょう。

【例文1】時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

この例文は「平素は~」の手前の挨拶文として、比較的頻繁に使用されます。その意味は「この頃ますます御社は順調そうでおめでたく思います」となります。 この挨拶文の「お慶び申し上げます」の意味はよろこびであり、普段使う「喜び」と近いニュアンスではありますが、ビジネス文書での挨拶文では「慶び」と使うことが基本です。その理由は「慶び」には「祝う」という意味が含まれていますが、「喜び」には含まれていないからです。

【例文2】貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます

この例文も「平素は~」の手前の挨拶文として使われることが少なくありません。例文1とは似ている例文ではありますが、ポイントは「ご隆昌」という言葉です。基本的には「ご清栄」と「ご隆昌」は同じニュアンスで使うことができます。しかし両方とも個人に対して使うことができません。あくまでも組織や企業に対して使う言葉なので、個人宛の挨拶文では使うべきではありません。「A様に置かれましては~」と始まった挨拶文で使ってしまうと恥をかくことになりかねないので注意が必要です。

【例文3】時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

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「平素は~」の手前の例文として、この挨拶文が用いられることもあります。この例文3と例文1との違いは一箇所のみです。それは「時下」と「貴社」の違いです。「貴社」とはそのまま相手の会社を指す言葉ですが、「時下」は「このごろ」の意味で用いられます。挨拶文としてはどちらを使っても間違いはありませんが、季節の変り目などタイミングによっては時下の方が相応しいと考えることもできます。例えば4月頃であれば、「時下春暖の候」といった季節に合わせた表現をすることも挨拶文の冒頭では用いられることがあります。

【例文4】貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます

「平素は~」の手前の例文にはこのような挨拶文が用いられる場合もあります。この例文もここまで述べてきたものと似ていますが、他では使われていない言葉が用いられています。それは「ご盛栄」ですご盛栄の意味は相手の仕事、商売、ビジネスが盛んであることを祝う意味を持っています「商売が繁盛する」という言葉の繁盛には「盛」が使われているので、それに関連した意味があると考えるができます。これらの挨拶文は形式的に使われるケースも少なくありませんが、意味を理解すれば、より気持ちを込めた文書作成をすることができるといえるでしょう。

【例文】「平素は」の使い方5選

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「平素は~」に続く文章は、挨拶文の後に続くことは先に述べた通りです。これらはセットで覚えておくとビジネス文書作成がよりスムーズになるといえるでしょう。では「平素は~」を使った例文にはどのようなものがあるのか、例文を見ていきましょう。

【例文】平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます

「平素は格別のご高配を~」この例文は、ビジネス文書だけでなく、メールにも用いることができます。では「平素は格別のご高配を」この箇所について、一つずつ意味をみていきましょう。「平素は格別のご高配を~」のうち、「平素は」は前述の通りです。 「平素は格別のご高配を~」の後半部分である「格別のご高配を」は、「格別の心遣い」という意味が含まれています。 したがって「平素は格別のご高配を賜り」の部分の意味は「普段から格別の心遣いをしていただき」となります。 この前提を持つと「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」の意味は以下となります。 「普段から格別の心遣いをしていただき、本当にありがとうございます」。 「平素は格別のご高配を~」、この例文は意味を知ると非常に丁寧な言い回しであることが分かります。そういったところからも「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます 」はビジネス文書に適した例文だといえるでしょう。

【例文】平素はお世話になっております

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「平素はお世話になっております」の意味は「普段からお世話になっております」という意味です。また「平素はお世話になっております」のうち「お世話になっております」の部分には次のような意味も含まれています。「面倒を見ていただいている」」尽力していただいている」「お世話をしていただいたことへの感謝」。 「平素はお世話になっております」は何気ない一文のように感じますが、このような様々な意味を含んでいます。このことから「平素はお世話になっております」という一文は、ビジネス文書の中でも重要な意味を持っているともいえます。 また「平素はお世話になっております」から平素を省いた「お世話になっております」はビジネスマンが頻繁に使う挨拶でもあります。

【例文】平素は格別のお引き立てを賜り

この例文の意味は、「普段から特別ひいきにしていただいて」です。ではなぜそのような意味になるのか、ポイントとなる言葉を見ていきましょう。まず「格別」という言葉がありますが、「格別」には次の意味が含まれています。それは「特別」と「この上ない」です。 そして、「お引き立て」の意味は「ひいきにする」または「引き立てる」です。「引き立てる」には、自分が退いて相手を立てる、といったニュアンスも含まれています。 もう一つ「賜り」は「賜る」であり、「もらう」の謙譲語でもあります。 この例文の後ろに、「厚く御礼申し上げます」と続ければ、感謝を伝える文章となります。

【例文】平素は弊社のサービスをご利用いただき誠にありがとうございます

これは、普段から自社のサービスを使っていただいていることへの感謝を告げる例文です。実際に自社のサービスを使っていただいている相手へ文書を送る場合に使うことができます。また「平素は」という言葉は、普段から付き合いがあることを前提としています。この例文は実際にサービスを使っていない組織(人)には使うことができないので注意が必要です。

【例文】平素は◯◯(サービス名)をご利用の皆様には大変ご迷惑おかけいたします

この例文は何らかの問題が生じた際に使うことができます。この例文も自社サービスを使っている組織もしくは人に送るものですが、「ご迷惑をおかけいたします」という文言から分かるように、この後に何らかの謝罪の言葉が続きます。 サービスの一時停止などトラブルに関するお知らせなど、何らかの謝罪が必要な際に必要な例文だといえるでしょう。

「平素は」と「平素より」の使い分け

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「平素は」と似た表現として、「平素より」がります。ビジネス文書の挨拶文では、このどちらかが使われています。ここまでの例文では基本的に「平素は」で紹介してきましたが、「平素より」が適している場合もあります。なぜなら、「平素より」は「普段から」という意味だからです。 「普段はお世話になっております」と「普段からお世話になっております」では、意味はほとんど同じですが、言葉の印象が変わります。細かな違いですが、文書を作成する際は、同じ平素でもどちらの書き方がより適しているのか、その都度見極めるべきだといえるでしょう。

「平素より」で使える例文

平素よりで使える例文にはとしては、以下のものがあります。 ・平素より弊社製品をご愛用いただき、ありがとうございます。 ・平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。 ・平素よりお世話になっております。 上記例文のうち、「ご愛顧」は「お引き立て」同じ意味を持つ言葉でもあります。ただし、ビジネス用語として一般的に使われるようになったのは、最近のことです。以前は役者がお客さんとやりとりをする際などに使われていた言葉でもあります。 「平素は」と「平素より」のどちらを使うのか迷ってしまった場合、勤めている会社内で過去作成された文書を確認すればどちらがより適しているか分かります。また上司に完成した文書をチェックしてもらうことも、どちらが適切かを判断する有用な手段の一つだといえるでしょう。

【まとめ】最適に「平素は」を使ってビジネス文書を作成しよう

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「平素は」という言葉は、ビジネス文書には欠かせない言葉です。いくら同じ意味で「普段は」」や「いつもは」という言葉があったとしても、ビジネス文書作成においては、相応しくはありません。 これは自分が担当者としてビジネス文書を受け取った際の気持ちを考えれば分かることです。どれだけしっかりとした文体で体裁の整ったビジネス文書が手元に届いたとしても、挨拶文が稚拙な言葉であれば、どう感じるでしょうか。 たったの一文であったとしても、ビジネス文書には相応しくない記述があった場合、相手に対して不安もしくは不信感を抱いてしまうかもしれません。社会人としての取引先担当者の人間性を疑ってしまう可能性もあるといえるでしょう。 またそのビジネス文章が重要な契約に関するものであり、役員など会社の重役が目を通し文書だった場合、どのような影響が考えられるでしょうか。せっかく決まりかけた契約もビジネス文書の一箇所のミスによって無くなってしまうリスクすらあるのです。 このように考えれば「平素は」というビジネス文書の挨拶文としての常套句は非常に重要なものだと考えることができます。事務所移転のご案内や社長就任挨拶、社長交代の案内、請求書やメール連絡など、「平素は」という言葉が閊えるビジネスシーンは様々です。 またこれらの文書は多くの人の目に触れるものです。日本社会で常識とされているビジネス文書の挨拶文をきちんと使うことができてているかどうか、ということは非常に重要なポイントだといえるでしょう。もちろん、ビジネス文書で挨拶文を重視して読む人はほとんどいません。しかしそれくらい当然のことだからこそ、一般的ではない記述があったと時にネガティブな印象を残してしまうリスクがあるのです。 しかし「平素は」という言葉は、ここまで紹介してきたように、挨拶文に続く文章など、適切に使える箇所はある程度決まっています。 「平素は」という言葉を使ってビジネス文書を作成するなら、過度に使い過ぎることなく、最適な箇所と頻度で使えるよう、心がけることが大切だといえるでしょう。