マイナンバー/学歴や職歴確認は可能?マイナンバーでわかる情報とは

まずマイナンバーの基本を確認しておきましょう。

マイナンバーとは国民総背番号制のこと

マイナンバーとは、日本国が国民個人個人に番号を割り当て、個人の年収、社会保険制度の受給状況、納税状況を一元的に管理する目的でつくられた「共通番号制度」のことです。その個人識別番号を「マイナンバー」と言い、その国民総背番号制度自体のこともマイナンバーと言ったりします。

マイナンバーの「ナンバー」とは何の意味か?

マイナンバーの「ナンバー」とは、文字通り、1人1人に割り振られた個人番号のことです。日本に住民票があれば、在日外国人でも割り振られています。生まれて出生届を出した瞬間にマイナンバーは割り振られ、結婚して苗字が変わっても、性転換しても、死ぬまでその同じ番号を背負って生きていくのです。

マイナンバーカードとは何か?

そのマイナンバーを記載したのが「マイナンバーカード」です。これはプラスチック製で、マイナンバーのほか、氏名、住所、生年月日、住所、性別、顔写真が載っているので、自動車運転免許証と同様に、公的に身分証明証として使えます

マイナンバーで分かる情報とは?職歴はわかる?

このマイナンバー制度を導入するために、国は数千億円の税金を投入しました。なぜそのここまでしてマイナンバー制度を導入したのでしょうか。またマイナンバーでわかる情報とは何があるのでしょうか。

マイナンバーは「情報連携」できることが最大の「売り」。当然職歴も。

マイナンバー導入の目的は、各役所でバラバラに管理している「個人情報」を一元管理することにあります。つまり、そのマイナンバーさえあれば、その人がどこで生まれ、どの学校に行き、どの会社に入り、ほかにはどういうアルバイトをし、いつ誰と結婚し、離婚し、転居し、年収がいくらあるのか、という、要は社会的なプロフィールがすべて把握できるようにする、ということです。ですから学歴も、職歴もすべてマイナナンバーで管理でき、マイナンバーでわかる情報なのです。

それができれば、税金もちょっとしたバイトで得た収入を含めてすべて徴収できますし、犯罪予備軍も管理できますし、犯罪が起こった時にもすぐ犯人を特定できます。つまり国家の安全と、国家の収入の確保に役立つのです。

現時点でマイナンバーの情報が連携しているのはごく一部。職歴は?

ただし現時点ではマイナンバーはそこまで広範な利用はされていません。政府が確認し、明言しているのは、マイナンバーの使用範囲は「税」「年金、雇用保険などの社会保険」「防災」の3つに限定しているということです。

先ほど書いたように、国には、国民個人個人の学歴情報のデータベースも、雇用保険によって管理されている職歴のデータベースもあるはずです。ですからわかる情報はかなり幅広いのですが、しかしこのうち利用されるのは後者の職歴だけ、ということになります。

しかもその職歴も国が何らかの目的で利用する、ということは現時点ではなさそうです、というのは、マイナンバーの情報連携によって利用される行政制度の範囲は以下のものだと明言されているからです。

・児童手当の申請時の内容確認
・児童扶養手当の申請時の内容確認
・未熟児養育医療申し込み時の内容確認
・特別児童扶養手当の申請時の内容確認
・市営住宅の各種申請時の内容確認

マイナンバーで情報利用できる権限のある人と組織は?

しかし、国が使おうと思えば、いつでも職歴情報も、学歴情報も使えるとなると、特に転職などを考えていて、職歴が多かったり、空白時期があったり、学歴に傷があったりする人は、それを使って採用、不採用の判断がされるのでは、ということが気になるでしょう。そのようなことは現実にあるのでしょうか。つまり、マイナンバーで会社でわかることはどこまでなのでしょうか。

マイナンバーの民間利用はどうなっているのか?職歴管理は?

マイナンバーを導入する時の政府の答弁では、マイナンバーで把握した情報はどこまで利用できるかというと、将来的には民間でも利用するということでした。もしもこれが事実であり、その方向で進んでいるのであれば、マイナンバーで会社にわかることには、その人の学歴も職歴も入ります。さらに、マイナンバーでわかる情報には、その2つだけではなく、過去の犯罪歴や逮捕歴、賞罰歴も入りますから、その情報がわかれば、特に中途採用の判断時には大きな材料となるでしょう。

しかし現時点ではそのようなマイナンバー情報の民間利用というものは全く進んでいないばかりか、どこまで利用してよいのかの議論さえなされていません。ですから、そのような中途採用時などにマイナンバーで採用不採用を判断する、あるいは昇格の可否を判断するなどのことは起こらないでしょう。

とは言え、民間の事業者がマイナンバーに全く無関係ということでもありません。というのは、給与所得者の場合、社会保障や税関係の申請時には、マイナンバーの提出が義務付けられているからです。従って、マイナンバーで会社がわかることはどこまでかというと、従業員の課税状況と、雇用保険などの社会保険状況には触れることになります。

ではマイナンバーで会社がわかることに職歴があるかというと、それはありません。職歴がマイナンバーで会社にわかることに入る、というのはあくまでシステム上の話であって、実際にマイナンバーで会社がわかることには職歴などはないからです。つまりそれを検索するシステムなどが民間には開放されていないのです。

民間利用とはあくまで「自らの」業務のためだけに限定。職歴は対象外。

ではどこまで民間業者はマイナンバーを利用できるかというと、たとえば、金融機関がネットバンキング申し込み時の個人認証に利用したり、レンタルショップの会員登録時の本人確認に利用したり、と言うあたりまでです。それも、実際に導入されるのは2018年のはずでしたが、現時点で全くのそのような情報も、どこまで利用してもよいのかという情報も伝わってきていません。

すなわち、マイナンバーで会社にわかることはほぼ何もないですし、マイナンバーでわかる情報がどこまでかというと、要はあくまで「現時点」の社会保険の加入状況などだけなのです。

マイナンバーカードの裏面はコピー禁止

マイナンバー導入時には、そのような個人情報がマイナンバーで会社にわかることに入るのではないか、ということがかなり懸念され、それが導入反対論者の大きな理由になっていました。したがって政府もそのあたりについてはかなり「縛り」をきつく設けています。

たとえば、本人確認のためにマイナンバーカードは使ってもよいとされていますが、しかし利用してよいのはあくまで表面に記載された氏名、住所、生年月日、性別、顔写真の確認までです。したがって裏面のマイナンバーは見てはいけないこといなっていますし、メモをとったりコピーをとったりすることも違法です。

つまりマイナンバーでわかる情報は、運転免許証でわかる情報とさほど変わりはないのです。学歴や職歴など、全く分かりません。

従って、マイナンバーで従業員の職歴を含めた管理を行うことや、マイナンバーで顧客管理を行うことは、厳重に禁止されています。

マイナンバーで会社にわかることは?職歴が分かる?

少し重複しますが、最後にマイナンバーで会社にわかることを整理しておきましょう。

マイナンバーを会社に提出する理由とは?

まずマイナンバーを会社に提出する理由は、2つです。

1つは給料にかかる税金を会社が預かって代行して納めるためです。毎月給与から源泉徴収がされていることはご存知でしょうが、それは会社が天引きして社員の分をまとめて税務署に納付するためです。この税金を誰が納めたかを税務署で管理するためにマイナンバーが必要なので、会社はマイナンバーの提出を求めるのです。その時にもマイナンバーで会社にわかることは、その月、その年の納税状況だけであって、過去はわかりません。

2つめが、会社で加入している雇用保険、健康保険、厚生年金などの社会保険の手続きのためです。これらの本人負担分も源泉徴収と同様に給与から会社が天引きして預かり、会社負担分を加えて納付しています。その納付状況もマイナンバーで管理されているので、会社はマイナンバーの提出を求めるのです。これこそ、職歴がマイナンバーでわかる情報に入るのでは、と懸念される部分ですが、しかしマイナンバーで会社にわかることは納税状況と同じように、現時点での社会保険への加入状況だけです。

職歴がマイナンバーで会社にわかることはあるのか

ですから社員が会社にマイナンバーを提出するのは事務上の処理で必要だからです。しかし、マイナンバーで管理している以上、過去の雇用保険の納付状況などから職歴はわかるはずです。ということは、会社にとって社員の職歴などはマイナンバーでわかる情報に入るのでしょうか。

結論から言ってそれはできません。

なぜならまずそのような検索するシステムが会社に与えられていないからです。

にもかかわらず、誰か物好きな人が、会社に保管されている社会保険納付状況をマイナンバーを使って調べようとしても、それもできません。

なぜなら、マイナンバーに関する法律では、会社は目的以外のマイナンバーの収集、保管は禁止されているからです。そして退職など利用する可能性がなくなった場合は廃棄を義務付けられ、破った場合には罰則があるのです。

さらにそもそも会社が管理してよいマイナンバーの情報は、「12ケタのマイナンバー」「氏名」「住所」「生年月日」「性別」だけです。ですから、マイナンバーからわかる職歴情報などを知る手段はないのです。もちろん役所にはありますが、それを使ってよいのは行政機関だけで、その情報を会社に伝えることも禁止されています。

ですから、マイナンバーで会社がわかることには職歴も学歴も含まれないのです。

まとめ~マイナンバーで職歴はわからないが、ウソは止めよう

いかがですか。

マイナンバーとは会社が個人情報を集めること=会社に職歴から学歴まで本当のことが分かってしまうこと、ととらえて、戦々恐々としていた人もいるかもしれませんが、それは全くの杞憂だということがお分かりただけたでしょうか。

しかしだからと言って、転職時に職歴をごまかしたり、ウソの学歴を書いたりすることは、マイナンバーではわからないかもしれませんが、ほかのルートでいつかはバレることですから、厳に慎みましょう。