「お気遣いいただき恐縮です」等の「お気遣い」の意味や使い方、英語表現

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「お気遣い(おきづかい)」って普段、使いますか?

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普段、ビジネステンプレートの手紙文などを、ネットの手紙やビジネス文書サイトからコピペしても、なかなか「お気遣い」っていう表現、出てこないものではありませんか? たとえばビジネスや手紙の返事へのこんな文章で、非常によく使われる定型表現の中にも、多数登場する語なのです! ざっと眺めたところ、こんな表現がありました。

よく見かける「お気遣い」を含んだ表現

【ビジネスシーン】 ++様にお気遣いいただいたましたおかげで、不安なく今回の契約まですすめることができました (セールスマンや仲介者に対する礼状) 【フォーマル】 服喪中ではございますが年賀状は励みになりますのでどうかお気遣いなくお送りいただけますと幸いです (喪中はがきオリジナル文面や、喪中を伝える手紙) 【プライベート】 プライベートなご旅行の間に、私どもにまでお気遣いをいただき、本当にありがとうございます (旅行先からはがきや土産品などを届けてくれた目上か同じ世代の人におくるプライベートメール) 【ちょっとした返事の口頭表現】 どうかお気遣いなどなさいませんようお願いします (目上の人が来訪先で、座布団やお茶などを進めてくれた時の返事 口頭表現)

そもそも「お気遣い」の辞書での意味とは?

三省堂大辞林によるお気遣いのうち「気遣い」の意味

き づかい-づかひ [2] 【気遣い】 ① 気をつかうこと。心づかい。配慮。 「お-は無用に願います」 ② 好ましくないことが起こるのではないかという心配。おそれ。懸念。多く、下に打ち消しの語を伴う。 「食糧が不足する-はない」

小学館デジタル大辞泉によるお気遣いのうち「気遣い」の意味

き‐づかい〔‐づかひ〕【気遣い】の意味 1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお気遣いなく」 2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる気遣いはない」 類語 配慮(はいりょ) 心配り(こころくばり) 気配り(きくばり) 心遣い(こころづかい) 関連語 心掛け(こころがけ) 顧慮(こりょ) 細心(さいしん) 気兼ね(きがね) 屈託(くったく)

「お気遣い」は「お」+「気遣い」。 そんな意味があるのですね。

お気遣いは、日本語では相手とどんな関係性があるとき/どんな状況で主に使うの?

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漢字で書かれた「お気遣い」という語を分解してみていくと、こんな風になります。 「お気遣い」=漢字「御」+「気」+「づかい」

意味としては、気遣う、心遣い、配慮、相手を思いやるに類するさまざまなもの・・・というのは先ほど辞書の引用でご紹介した通りです。 この「気遣い」に対して 1:敬語表現を作る時の接頭辞の漢字「御」 2:中に穢れたものが入らないようにするという意を持つ漢字の「御」 を冠したものです。

「お気遣い」は比較的軽い行為や、口頭で気にかけてくれたとき。 そして同じようによく使われる「お心遣い」は、足を運んでくれた人や手伝ってくれた人などに支払う感謝の謝金を「こころづけ」などというように、行為や動作、モノや金などが動いたときには一般的に多くつかわれます。 単に自分に対してなにかを積極的にやってくれたという以外でも、講演会などに足を運んでもらったときや、その中で苦心して即興で人に声をかけたりあれこれまとめてくれるような「若干骨の折れることをお願いしたとき」には、「お気遣い以上」の意味で「お心遣い」などもよく用いられています。

「よくビジネスマナー書で、上司や目上の人に対して『お気遣いはNG』って見かけるんだけど??

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よく、上司や目上の人に対して「お気遣い」というのはNGだから「お心遣い」といればならないしている方がありますが、その考え方はNG。 確かに「ご苦労様」「お疲れ様」「ご足労いただき」「足を運んでいただき」といった言葉の中には、目上や目下、この言葉を使うときだけは仲間として同列になるなどの細かなルールが存在するのが日本や、日本のビジネス風景。

ですが、上司や目上の人に対して、こんな「お気遣い」の言い方や書き方はNGです。

上司や目上の人に対するお気遣いNG: (誤)「お気遣いなくっ!」→(正)「どうかわたくしどもには、お気遣いなさらずに」 (誤)「お気遣いありがとう」→(正)「このような(かような)お気遣いまでいただきましてありがとうございます。」

この表現に見られるように、ポイントは 「自分を下げる」=「わたくしども」「(おきづかい)まで」 「相手を上げる」=「なさらずに」「いただきまして」「ございます」 の部分!

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単語としての「お気遣い」は誰に対しても使えるのですが、その周辺の表現には、同じように上司や目上の人に対しての敬語表現や丁寧さなど、相手や状況に応じた礼節が必要だということですね!

口語で(主に返事のため)お気遣いをよく使用するケース

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よく、口語で「お気遣い」使用するシーンとしては、ちょっとした返事。 たとえば、 - 他人が私のことを気遣ってくれて言葉をかけてくれた - 代わりにエレベーターのボタンを押すなどちょっとした小さなアクションを行うことで自分を思いやってくれ、手間を減らしてくれた などのとき に即座に返事というより合いの手のように「お気遣いいただきましてありがとうございます」のように使います。 「お気遣い」を使わない他の表現では、「お手数をおかけしまして」「ありがとうございます」などがあります。 そして他にも、 - こちらが商談などを申し入れたが話が進まないうちに軽く断られたが、その時に次回に期待を持たせるような言葉をかけてくれた - 一緒に出掛ける上司が、自分のカバンを持ってくれようとしたが断ったけれど、その気持ちだけはありがたく思っていることを伝える などをはじめとするシーンでも。ちょっと時間をおいて、あるいは即座に合いの手のように「お気遣いをいただきましてありがとうございます」のように用います。 「お気遣い」を使わない他の表現としては、相手に以前の気遣いについて感謝をつたえるべく「今回はありがとうございました」 相手に気を使わせないよう「ありがとうございます。ですがすぐ使いますので」のように正直に理由などを添えて、返します。

他にも、女性同士やシルバー世代間など、とくに言葉に出さない配慮が行き届いていることが前提にある人付き合いのシーンでは、 -「お心遣い」「ご配慮」として、やや堅めに表現するほどの重みがある状況ではない場合 - 相手の負担にならないように、さまざまな行為や気遣いをまとめて「お気遣い」として扱うとき ・・・などでも、たとえば、不要物を分けてくれたときのような軽い配慮から、本人が苦心して大量の物資を送ってくれたような非常に大きな配慮の時でも、同様の表現で「お気遣い」を用いることがあります。 このあたりは、話者の間の関係性による配慮~あとから別の形で感謝などを伝えたり、普段からもちつもたれつの関係性で長く続いているといったバックボーンもあります。 いろいろと、細かな部分で難しいものです。

文章でお気遣いをよく使用するケース

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文書では・・・ - 季節の挨拶 - 冠婚葬祭などのあいさつや告知 - 礼状 - 近況を伝える手紙 - 一般のビジネス文書(契約書や見積書送付の添え紙、頭紙などの一筆箋から手紙、紹介状まで) など、プライベートからビジネスまで幅広くこれらのケースで用いられています。

お気遣いの使い方~文例

どんな状況で気遣いを使って返事をすればいいか、文書を作成するときにはどんな風に使われるかについて、例文でご紹介します。

【ビジネスシーン】

++様にお気遣いいただいたましたおかげで、不安なく今回の契約まですすめることができました (セールスマンやビジネスの仲介者に対する礼状) 今回の面会に際しましては、いろいろとお気遣いくださいまして、誠にありがとうございます。 (ビジネスの仲介者や同業者などに対するメールや礼状) 日頃より(××様におかれましては、なにかと)お気遣いいただきありがとうございます。 (客先やビジネスの仲介者、同業者などに対するメールや礼状) 今回の立ち合いに関しましては、いろいろとお気遣いいただき恐縮です。 (取引先や同業者に対するメールや礼状)

【フォーマル】

服喪中ではございますが年賀状は励みになりますのでどうかお気遣いなくお送りいただけますと幸いです (喪中はがきオリジナル文面や、喪中を伝える手紙内に印刷するか、手書きで添える一言) いつもお気遣いくださり、ありがとうございます。 (年賀状のフォーマルな文面に、手書きで添える一言) お気遣いありがとうございます。 (結婚式など冠婚葬祭の受付などをしたときに、お礼や車代を渡されたとき、一度断った後、このように言って受け取る。口頭表現のほか、不在時には、一筆添えてもOK)

【プライベート】

プライベートなご旅行の間に、私どもにまでお気遣いをいただき、本当にありがとうございます (旅行先からはがきや土産品などを届けてくれた目上か同じ世代の人におくるプライベートメール) いつもながらのお気遣い、深く感謝いたしております。 (日頃お世話になっております系挨拶のあとに、重ねて感謝を表すときなどに使えるプライベートやビジネスメール、手紙の万能表現) いつも、お気遣いいただき恐縮です。 (短い挨拶のあとに、重ねて感謝を表すときなどに使えるプライベートやビジネスメール、手紙、電話などの万能表現)

【ちょっとした返事の口頭表現】

どうかお気遣いなどなさいませんようお願いします。 (目上の人が来訪先で、座布団やお茶などを進めてくれた時の返事 口頭表現) どうかお気遣いなく。 (気心の知れた仲間の家などに出かけたときに、見せたいものを探してくれたり、茶や菓子などを出されたとき、同目線で使う表現) お気遣いいただきありがとうございます。週明けには出社の予定です。 (上司や客先から、病休の本人に対して、あるいは電話取次者がよろしく伝えてくれと言われたときなどに使える返事) お気遣いいただき恐縮です。 (短い挨拶のあとに、重ねて感謝を表すときなどに使えるプライベートやビジネスメール、手紙、電話などの万能表現) お気遣いありがとうございます。折を見てまたお声をおかけください。 (双方の予定をあわせるようなイベントや招待で相手から誘いを受けたが、断らなければいけなかったとき、また次の機会にといった言葉を受けたときに返すもの。自らの立場を下げて、返事をする。口頭のほか、手紙やメールなどでも) お気遣いいただき恐縮です。すぐに使いますので(などのように理由を述べる)。

などのように、あらゆるビジネスシーンのフォーマルな文書や一般ビジネス文書、プライベートな冠婚葬祭手紙類から、近況報告などの手紙やメール。そして口頭表現、目上の人や取引先、仲間との会話での口語で、短い返事で返す時には、とくによくつかわれます。 おをひらがなで書くと柔らかいイメージ、御と漢字で書くとフォーマルなイメージとなるのは、のし袋の表書きを見ても、よくわかりやすいかもしれません。 お以外にも、全体の中で漢字の分量が多ければ比較的「堅いフォーマルな印象で」伝わりやすいのは、ひらがな漢字がともによく使われる日本語に共通の特徴。 目上の人や年長者に書く時は、漢字の分量割り付けを少し意識すると、より失礼のないイメージ、相手を適切に敬っているイメージでとらえてもらえるかもしれません。

お気遣いとよく似た、さまざまな意味を含んだ類語が知りたい~お気遣いの類語集

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フォーマルなビジネスシーンやプライベート、そして、文書や口語の両方で使える「お気遣い」。 他に同じように使える言葉や関連した概念などを含む語=類語にはどんなものがあり、どんなふうに使えばよいのでしょうか? 先ほど登場した 「お心遣い」も「お気遣い」と非常に似た位置づけですが、他に次のようなちょっと違った類語があります。

類語:「お心遣い(おこころづかい)」 気を遣う、気を配ることの敬語表現。 類語:「ご深慮(ごしんりょ)」 深い考えの意味で、相手の考えや思慮をあらわす敬語表現。 類語:「ご配慮(はいりょ)」 気を遣う、気を配ることの敬語表現。通常年長者や目上の人からの気遣いに対して、あるいは、よりフォーマルなシーンで用いる。 類語:「ご高配(ごこうはい)」 とくに特別な心配りをしてもらっていることを表す敬語表現。通常年長者や目上の人からの気遣いに対して、あるいは、よりフォーマルなシーンで用いる。 類語:「お計らい(おはからい)」 気配りや心遣いをさらに敬った敬語表現。よく時代劇などで、非常に偉い人に対してのセリフで用いられていることと連関させると覚えやすい。 通常年長者や目上の人からの気遣いに対して、あるいは、よりフォーマルなシーンで用いる。 類語:「お引き立て(おひきたて)」 気遣い、付き合い、配慮、取引などがあるということを表す伝統的な挨拶後の敬語表現。ビジネス上は、1度程度しか取引や引き合いのないところへの返事にも用いる。 類語:「お取り計らい(おとりはからい)」 (お計らいに同じ) 類語:「ご厚誼/ご交誼(ごこうぎ)」 深い付き合いや、長くお互いを気づかいあっていることをあらわす言葉の敬語表現。 ビジネスのほか、年賀状、喪中はがき他で用いる。 類語:「ご愛顧(ごあいこ)」 気遣い、付き合い、配慮、取引などがあるということを表す伝統的な挨拶後の敬語表現。ビジネス上は、1度程度しか取引や引き合いのないところへの返事にも用いる。 類語:「ご贔屓(ごひいき)」 気遣い、付き合い、配慮、取引などがあるということを表す伝統的な挨拶後の敬語表現。ビジネス上は、1度程度しか取引や引き合いがないところへの返事にも用いる。

「気遣い」に属するものの中でも、とくに「いつも仲良く親しくしてくれて」、「いつも取引をしてくれて」「何かにつけ目をかけてくれて」といった意味合いなどを込めた言葉もあります。 中には口語表現では使わない言葉もありますが、あいさつ文、書面でちょっと何かを伝えたいとき、年賀状他やその添え文などを含めて、非常に広く使われています。

英語の丁寧表現や敬語表現って本当に難しい!「お気遣い」関連はどうやって表現したらいいの?

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英語でも、先ほど紹介したような「相手の対応次第で使い分けるべき丁寧さ」のランクの違いはありますが、同じように「お気遣い」とほぼ匹敵するような語を選んで使いましょう。

よく用いる英語表現用としてはこんな英語の単語があります。 concern=関心、気遣い considerate=思いやりのある thoughtful=気遣いのある caring=思いやりのある さて、中学英語程度の文法で、かつ、短く言い切れるものとして、こんな英語表現があります。

英語:Thank you for your concern. お気遣いいただき、ありがとうございます。 英語:Thanks for being so considerate お気遣い、ありがとうございます。 英語:Thank you for your thoughtfulness. 心配してくれて(いろいろ気遣ってくれて)ありがとうございます。 英語:You are very caring. 気遣い上手ですね(日本語では、気遣ってくれてありがとう・・・程度の意味) 英語:Thank you. That’s so considerate of you. お気遣いいただいて、ありがとうございます。 英語:Thank you (Mr./Ms. Kendul) for your kind words. (ケンダル様の)暖かいお言葉に感謝します。 英語:We appreciate your business. ご愛顧いただいており、ありがとうございます。

「お気遣い」にまつわる日本語の文書&口語表現と英語表現や、接頭語接尾語ごとの意味などをまとめてご紹介しました。

いかがでしたか?

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今回は、「お気遣い」にまつわる、簡単な返事などの口頭表現から、日本語の文書表現、英語表現、接頭語接尾語ごとの意味などをまとめてご紹介しました。 本当に日本語も英語も、敬語表現というものがその場に合っているのか、あるいはその人との関係性で適切かというのは難しい話。 今回の記事をきっかけに、短文表現や語彙表現のファイルやメモなどをつくって、「口からスムーズに出てくるまで、口ならしするのもおすすめです!

【雑学】「お気遣い=御気遣い」などに見られる丁寧語や敬語を作る「御」の意味はご存知ですか?

さて、丁寧語。敬語をつくる「御」や「いただく」などの構造は、多重化すればいいというものではなく、「適切で、多すぎないことに配慮しなければ、逆に受け手にとっては『あんなに仰々しくつけて、あれじゃあめちゃくちゃ失礼だろ』」ということになりかねません。

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丁寧語を作る「お」をたくさんつけることで、「相手に対しての配慮を表したり、言を担いだり縁起を担ぐ」というのは、デパートなどでの接客用語によくみられるもの。 ですが業界用にある程度まとまった仰々しさにも関わらず、一般からすると「あの敬語、まちがってるでしょ?」「あの場にあの表現だと逆に失礼でしょ」という感覚を抱く人も多くあります。 「お」を付けることでの日本語の言葉の魔法や言葉の持つ力というものにこだわる方がありますが、敬語や丁寧語もそんなちょっとマニアックな体系から、単にシステマチックに丁寧さを表すプロトコルを備えたものまでさまざまな表現を文語、口語ともに備えています。 先ほどご紹介した「お気遣い」→「御気遣い」の「御」。 これは、昔から、災いや穢れが入り込まないように添える文字から来ています。 丁寧さを表すために、「私も『御』の字をつけて、同じようにあなたに感謝、あなたを尊重し、あなたを気遣っていることを伝えます」というもの。 これを最も短い1音で表した「略語に類する字」であるともいわれています。

【 御 】 [音] ギョ ・ゴ ① 〔「馭」の書き換え字としても用いられる〕 馬・車馬を扱う。 「 御者 」 ② 支配する。 「 御宇 ・制御 ・統御 」 ③ 〔「禦」に同じ〕 ふせぐ。 「 防御 」 ④ 天子の行為・持ち物などであることを表す。 「 御衣 ・御感 ・御璽 ・御寝 ・御製 ・御題 ・御物(ぎよぶつ)((ごもつ)) ・御名 ・還御 ・入御(じゆぎよ)((にゆうぎよ)) ・渡御 ・崩御 ・臨御 ・供御(くご)((くぎよ)) 」 ⑤ 他人の行為・持ち物につけて敬意を表す。 「 御意 ・御忌(ぎよき)((ごき)) ・御慶(ぎよけい)((ごけい)) ・御作 ・御前(ごぜん) 」 ⑥ 物事につけて丁寧の意を表す。 「 《 ゴ 》 御膳 ・御飯 ・御幣 」 ⑦ こしもと。女官。 「 女御(にようご)((によご)) 」

「『御』をたくさんつければいいってものではない!」

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味噌汁を表す日常語、一部ではかつて雅な言葉ともされていた漢字の表現「御御御付(おみおつけ)」。 同重量あたりの栄養成分が豊富。非常に大切な食品としての高い位置を占めていた味噌汁は、ある種の完璧な食品でした。 発酵食品のみそを使い、栄養面でも、腸内バランスを整え、ビタミンなどを豊富に含み「病気や疲れを寄せ付けない=よからぬものが入らない」という位置づけです。

そこで、こんな味噌汁のすぐれた効果を表して、他の雑多なものが入ってこないように「漢字の御を3つ重ねる」ことで、 1:生産にかかわった人 2:自然 3:食する人 の、すべてに感謝と良い効果をもたらすものと位置づけられていたといった説もあります。 ちなみに、現在まで残る文献の語や人名や通称といった固有名詞ではなく、使われてきた語として、漢字の「御」が最も多く登場する「単語」は、この「御御御付」であるといわれています。 儀式性と縁起面でよく使われる「潔齋(けっさい)」という語の中にある漢字「齋」はひし形「◆」が3つ並んで蓋をしたもの。 最上位にあるものは、魔に狙われやすいものであることも多いため、その魔よけのために、「御」を三つ並べて最上位に設定。人に降りかかる災難を逃れたという説も古くから広く伝わっています。

むかし「病は、声や文字をきっかけに、どこかから人体にこっそり入り込む」という考え方が、日本の信仰に存在したこともありました。 そのための気遣い+「お」なのです。

そんな「人に食べられる“御御御付”と同じようにたくさん漢字の“御”をつけたら、感謝が表せるのではないの?」といった質問や冗談は昔から多数存在しています。 ですが人に対してあまり漢字の「御」を重ねると、逆にバカにしているようで失礼にあたるのが日本語の常識。 平仮名で「お」を重ねる例は、漢字の「御」をが重なるケースにくらべて少ないくらい。 また、神社の神主さんによる儀式などの時には、「おお~ん」という掛け声などをかける例もあります。