即日解雇を受けたときの対策方法は?解雇予告手当についてまとめ

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目次

はじめに

日々の生活を支えるために、多くの場合は労働者として会社と契約を交わし働いていることかと思います。しかし、会社や同僚との関係、仕事内容などに不満があり退職をすることも現代ではそれほど珍しくありません。「終身雇用」などという言葉もあまり使われなくなり、労働者が昔よりも気軽に転職活動を始める世の中になっています。

一方で、会社によって「解雇」をされることも当然あります。労働者が自己都合などを理由に会社を辞めるように、会社も労働者を使わなくすることができます。しかし、契約関係上会社と労働者が対等だと言っても、実質的な問題としてはあまり対等な関係であるとは言い難いです。
多くの労働者を抱える会社がそのうちの1人を失うのと、ただ1つの会社からの給料をもとに生活をしている労働者とでは、相対的なリスクの大きさが違います。

そのため、会社側が簡単な理由で労働者を解雇しないよう、法律で様々なルールを定めています。

では、会社が労働者に対して解雇を言い渡した場合、それも即日の解雇を言い渡した場合、それは違法な行為となるのでしょうか。そして即日解雇を言い渡された労働者はどのように対応すべきなのでしょうか。

即日解雇は違法になる?

まずは解雇という行為について、会社と労働者とでは立場の違いからリスクが異なるという点に触れ、法律ではどのようにこれが扱われているのか見ていきます。
そのうえで、即日解雇がどういったものなのか、そして違法な行為ではないのかといったポイントに着目して説明していきます。

即日解雇は労働者への不利益が大きい

すでに述べているように、解雇をすると労働者への負担が非常に大きくなってしまいます。すぐに転職先が見つかるとも限らず、給料がないまま過ごすことになります。これに対して労働者が自ら進んでする退職であれば会社への負担は比較的小さくて済みます。
小さいと言ってもそれは労働者が解雇されたときの各当事者の主観によるものであり、相対的な評価となります。そのため、単純に損をした金額だけで比較してしまうと会社側のほうが大きな損をしてしまうことも十分あり得ます。ただ、億単位を動かすような大きな会社にとっての100万円と、一労働者に対する100万円の大きさは同等とは言えません。そういった意味でリスクの大きさが違うということです。

突然解雇されてしまう労働者のリスクが大きいという現状があるため、法律では解雇される労働者に対して保護をするような規定がいくつか定められています。労働基準法などはその代表で、このルールに則って企業活動ができているのかどうか、労働基準監督署という機関がチェックなどもしています。解雇など、不当な扱いを会社から受けた場合には、労働基準監督署に相談するのも労働者のできる手段として用意されているのです。

民法による解雇期間の定め

民法では、解雇をする場合の期間について規定があります。とはいっても、ここで紹介するものは解雇に限った話ではなく、労働者からの申し入れも可能な、雇用の解約についての法律です。

民法第627条の1項目には、
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
とあります。

雇用期間が決まっていなければ、退職したいと言ってから2週間で会社を辞められることになります。会社の同意さえあれば即日の退職も可能ですが、逆に言えば、退職したいと伝えても原則2週間は働かなければならないということです。
2週間を待たず無断欠勤などをしてしまうと退職金や手当などをもらうことが難しくなり、自分を不利な立場に追い込んでしまうことになります。さらに無断欠勤によって会社に損害が生じた場合、損害賠償の請求をされる可能性もあるので注意が必要です。
有給などを使えばこれらを避けることができるため、保護の厚い労働者であってもできるだけ紳士的に対応し退職していくことが望ましいでしょう。

会社側もこの規定に則って雇用契約の解約が可能です。しかし即日解雇となればここにある2週間よりも短い期間での解雇となってしまいます。これは違法となってしまわないのでしょうか。そこで、民法第628条の内容を見てみましょう。

「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」
とあります。

どうしようもない、仕方のない理由があれば即日でもかまわないと言っています。つまり、仕方のない理由さえあれば会社は労働者を即日解雇してもかまわないと言っているのです。つまり即日解雇は必ずしも違法とは言えません。しかしこれでは労働者が最低限の生活さえ送ることができなくなるかもしれません。
そこで労働基準法が登場してきます。労働基準法では民法の特則として、より労働者の保護ができるように定められています。

労働基準法による解雇期間の定め

労働基準法では、大きな力を持つ会社から労働者の権利を守るため、多くの決まりを会社に課すように定められています。

労働基準法第20条では、1項目に
「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。」
とあります。

さらに2項目では
「前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。」
とあります。

つまり、30日分の給料については即日解雇であってもできるだけ確保されるようになっているのです。会社は労働者に対して、30日以上前の予告をするように義務を課しています。そのため解雇をされる側としてもその期間内に準備ができます。転職活動をすることや、その後の暮らし方について計画を立てることも可能になります。
さらに2項で書かれている内容によって、30日より短い解雇期日の予告をされたときには30日に満たない日数分について、それ以前の平均の給料をもって日割りで受け取ることが可能になります。これが一般に「解雇予告手当」と呼ばれるものです。

民法では単に2週間をもって雇用契約の解約ができるとされていましたが、労働基準法では解雇予告手当の存在によってさらに手厚く労働者を保護するようにできています。

即日解雇は違法ではないが会社は手当の支払い義務が生じる

ここまでで、民法や労働基準法などを根拠に雇用関係の解約について見てきました。どちらにも解雇までの期間について記述がありますが、民法では2週間前に申し入れておけば解雇できますよ、といった内容であるのに対して、労働基準法ではできるだけ早期に解雇の旨を伝え、それより短い期間で解雇をするのであればその分の給料を支払いなさい、と労働者視点の内容でした。
この内容は労働者にとって嬉しいことですが、即日解雇自体を完全に防ぐことはできないということでもあります。つまり極端に言えば、どんな人でもある日突然解雇を言い渡されてしまう可能性があるということです。もちろん即日解雇をするにも正当な理由が必要で、とても納得できる理由がなければ労働者は会社と解雇について争うことができます。

即日解雇を言い渡されたときの対処

では、自分が労働者としてある会社に勤め、即日解雇を言い渡されてしまったとき、どのように対処していくことがベストなのでしょうか。これには、自分が何を望むのか、そして会社の対応によっても変わってきます。まずは、解雇されること自体は受け入れたとし、解雇予告手当を受け取るための方法を説明していきます。

本来労働者がすべきことはない

前提として、会社は民法および労働基準法など、法律に定められている内容について守る義務があります。そのため、労働基準法に定めらている通称「解雇予告手当」について支払う必要があります。これの支払いには解雇される労働者の請求などを要する必要はありません。そのため、労働者は解雇の期日を待って解雇予告手当を受け取るのみです。解雇される日が支払日になります。即日解雇の場合にはその日が支払日にもなるのが原則であり本来会社が取るべき対応です。

もし支払日が遅れるとなればその日において解雇の効果が生じないため休業手当などがさらに必要になる可能性も出てきます。

支払日が遅れるだけならまだ良いものの、解雇の通知書もなく、解雇予告手当なども支払われないなどという事態があればそれは違法です。弁護士や労働基準監督署の力を借りに行くとよいでしょう。この場合、解雇の通知書や解雇理由証明書など、いくつかの証明書類をもとに解雇予告手当の請求を行うことになります。具体的な内容については後述していきます。
しかし労働基準監督署に指導されることのないような、法律に従って解雇予告手当を支払日にしっかりと払ってくれるような会社であれば労働者側は何もすることはありません。

即日解雇に際して手当がもらえるか分からない場合

しっかりと解雇予告手当を支払ってくれるかどうかなどは、結果を見てみなければ分からないことです。それまでの対応が誠実であれば信用もできるかもしれませんが、即日解雇のような、通常起こりにくい解雇の形を言い渡されている状況を考えれば万が一のことも考えて準備しておく必要があります。

解雇予告手当は、その解雇の理由によっては支払いを必要としないことがあります。そのため、適当な嘘の理由をもとに支払わない場合や、労働者が手当の存在を知らないだろうと考えて手当について何も触れてこないといった可能性も起こり得ます。
請求をするような場面では会社との対立がすでに起こっていることも考えられるため、できるだけ早く請求を実現するための証拠を集めることになるでしょう。ではその証拠として何が使えるのでしょうか。

即日解雇を受けたときは解雇理由証明書を交付してもらう

解雇予告手当を請求するための証拠となるものの1つには、「解雇理由証明書」があります。その名の通り、解雇をする理由を証明する書類になります。これを交付してもらうことで、のちに理由を変えられないようにするのです。また、解雇そのものに不満があり、その内容について争うときにも必要になります。
即日解雇では解雇理由証明書の交付を求めるにもできるだけその日においてすべきです。また、できれば就業規則についても確認するようにしましょう。就業規則と見比べるためにも即日解雇では解雇理由証明書を含む証拠集めが忙しくなってしまいます。

解雇の理由になることは就業規則に記載されているケースが多いです。そのため、解雇理由証明書に書かれている内容と就業規則とでずれがないか確認するようにしましょう。即日解雇でもその予告をされた段階で解雇理由証明書の交付と併せて就業規則の閲覧も要求しましょう。翌日以降、会社に出入りすることがなくなってしまえば就業規則について確認するのは難しくなってしまうことが考えられます。

即日解雇で解雇予告手当の額やもらえないケースとは?

解雇予告手当は、即日解雇をされる多くの場合でもらうことができます。そこで気になるのがその額です。それほど難しくない計算式で算出することができますが、いくつか注意点もあります。
また、必ずもらえるものではないため、解雇予告手当がもらえないケースについても紹介していきます。

即日解雇されたときの手当の計算方法

解雇予告手当は、解雇通知書によって、または口頭などでも解雇の予告を受けてから30日に満たない分を日割りの給料で掛け算することになります。
つまり、

解雇予告手当 = 給料の平均額 × 解雇予告期間が30日に満たない日数
となります。

例えば30日前に解雇通知書などによって解雇が予告された場合、
給料の平均額 × 0

となり手当額は0円です。解雇理由証明書の交付は求めることができても、支払われないことについては何の違法性もありません。また当然に支払日の定めを気にすることもありません。会社は法律に則った対応をしているため、労働基準監督署に解雇通知書および解雇理由証明書などを持って行っても何もできないことでしょう。

即日解雇で重要になる平均賃金の計算

解雇予告手当を計算するには平均賃金、つまり解雇通知をされる以前の平均の給料が関係してきます。給料の平均額を算出するには直近3ヶ月のデータを使います。以下の計算式で計算できますが、ほとんど毎月の給料支払日に支給されている給料と変わりありません。ただし残業代も含まれるため、直近3ヶ月に多く残業をしていると手当も多くもらえることになります。

給料の平均額 = 直近3ヶ月の給料の合計 / 3か月分の日数

これが計算方法です。
しかしこの方法で手当の額に影響する平均給料を算出していると、日給や出来高払いで給料を受けていた場合にかなり低い額になってしまうおそれがあります。そこである程度の金額までは保障される規定があります。
上記の式で出された額が、給料の合計額に対して実際に働いた日数で割った金額の6割以下になってはいけないというものです。

即日解雇であっても解雇予告手当がもらえないケース

いかなる場合でも解雇予告手当がもらえるわけではありません。解雇の理由として、以下のようなものがあれば支払いが不要とされています。

・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
・労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合

1つ目の理由については誰の責任でもないものですが、会社が自然災害などでその事業を続けられないほどの状態になっていると手当を払うことも難しく、正当な理由としてこの手当の支払い義務が免除されます。
2つ目については、労働者の責任が解雇の理由になっているためこの手当で保護される対象としてみなされないのは当然とも言えます。
労働者に責任があるというのは、労働者が違法な行為などをしているような状況です。例えば、事業場内において盗取を働いた場合、傷害など刑法犯に該当する行為をしているような場合です。これらはどれも違法行為であり会社としてもそのような労働者を解雇せざるを得ません。

また他の労働者に悪影響を及ぼすような人物である場合や、その会社への採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合などに即日解雇となっても解雇予告手当はもらうことができません。
さらに、2週間以上の無断欠勤があり、督促に応じることもないようなケースで解雇されても手当はもらえなくなります。
もし即日解雇、または30日に満たない解雇予告をされたとしても上のようなケースに当てはまれば会社側の違法性を訴えたり、労働基準監督署に指導を依頼しに行くことも無駄足となることでしょう。

労働者の属性によって即日解雇でも手当がもらえないかも

解雇予告手当がもらえないケースをいくつか紹介してきました。会社にやむを得ない理由がある場合や、解雇される側に問題があるようなケースがその主な内容でした。

これらとは違い、解雇の理由に関係なく、労働者の属性によってそもそも手当をもらう資格がないようなこともあります。例えば非常に短期の労働として採用されており、日雇いなどによって働いた場合が解雇予告手当を請求できない労働者として考えられています。ちなみに、日雇いとしての採用であったものの、結果として1か月を超えて働き続けた場合には手当の請求ができるようになります。
しかしこれは日雇いなどの労働者にあてはまる条件であり、1か月を超えて働けば必ず手当の請求ができるものではありません。
2か月以内の期間を定めて使用される労働者の場合、予定通りの期間働き続けたとしても即日解雇されたことによる解雇予告手当の請求はできません。この場合例外として手当をもらうためには、所定の期間を超えて働き続ける必要があります。
これらと似た労働者の属性としてはあるシーズン内において使用される労働者があります。季節ごとに特有のイベントや業務などが発生することも考えられます。そのため、こうした季節的業務に関しては4ヶ月以内の期間を定めて使用される労働者に対して解雇予告手当を認めないよう定められています。例外的措置としては他と同様に、この所定の期間を超えて引き続いて働いた場合に手当の請求ができるようになります。

最後に、使用期間中の労働者についてですが、
こちらも同様に使用期間中は解雇予告手当をもらうことができません。原則14日を超えて働き続けた場合に請求ができるようになるとされています。

労働者の属性によって解雇予告手当がもらえないケースは、どれも短期間での労働という特徴があります。
もしこれらに該当する、もしくは該当するかもしれないと思う場合には、一応解雇通知書や解雇理由証明書を確保するようにし、解雇予告手当がもし支払われる条件を満たしていたとしても請求ができるように証拠を持っておきましょう。そして給料とは別に解雇日を支払日として受け取ることができるのかどうかも確認しましょう。
もし会社の対応に違法性があるかもしれないと思うのであれば弁護士や労働基準監督署に相談するようにしましょう。

即日解雇で解雇通知書などがもらえなければ労働基準監督署に相談

確実に解雇予告手当を受け取るには、この手当をもらうことができる条件を満たしていることを証明できるものを準備することが重要でした。
そしてその証拠として、解雇通知書や解雇理由証明書などが必要になります。特に解雇理由証明書を要求し、受け取っておくことであとあと面倒なことになるのを防ぐことが出来るかもしれません。

しかし、会社が解雇通知書を渡さず、解雇理由証明書についても発行してくれないこともあります。そのような場合には会社に通知書や解雇理由証明書を要求し、この要求にも応じてくれなければ労働基準監督署に相談しに行きましょう。労働基準監督署は、弁護士の様に個人の権利について保護するような働きかけを行う機関ではありませんが、労働基準法に準拠していないような会社があればこれを是正するように指導をすることができます。

労働基準監督署が会社に調査に行くときは抜き打ちで訪問し、会社のやり方に問題がないかチェックします。労働基準監督署による判断で訪問する会社を決めるだけでなく、労働者側が労働基準監督署に訴えかけることでも動くことがあります。そのため、労働基準法に載っている解雇予告手当についてもらえないかもしれないような状態だと労働基準監督署による指導が入り、解雇通知書および解雇理由証明書の発行がされるかもしれません。

しかし解雇予告手当の支払日がとても近く、即日解雇のような場合ではできるだけ早期の対応をしてもらう必要がありますが、労働基準監督署への相談では解決までに比較的長い期間が必要になります。

そもそも即日解雇に納得がいかないときの対処

解雇予告手当は短い期間において解雇される場合に労働者を保護する目的で支給される手当です。
そのためこれを受け取ろうとするのであれば、解雇されることに関しては認める必要があります。

しかし、いきなり解雇をされるような状況では使用者と労働者との間に何かしらの問題が生じていることも考えられ、そもそも解雇に納得がいかないというケースもあるでしょう。会社が違法に解雇しようとしてくることも可能性としてはあります。上記のように労働基準監督署に相談しに行くことでも解決ができることもあるかもしれませんが、自分と会社との対立に関して徹底的に戦うというのであれば弁護士に相談してみましょう。すると、具体的な手続きに進む前に、準備すべきものや、これからの流れについて様々なアドバイスをもらうことができるでしょう。
労働基準監督署を利用しないにしても、解雇の言い渡しをされてから、または解雇の通知書が来てから早めの相談をするとより効果的です。

裁判で即日解雇による解雇予告手当を請求する方法

会社がいつまでも解雇予告手当に応じてくれないようなときには裁判によって請求を実現することになるかもしれません。しかし実際には、裁判にまでもつれこんでこの手当を請求することになるケースは少ないです。そのことには労働審判という手続きが設けられていることが大きく関係しています。

そもそも裁判は当事者間で解決ができない場合の最終手段としての利用が通常です。まずはどんな争いごとも当事者による話し合いで解決を図ります。そのため、即日解雇や手当に関する対立があっても公的な機関の介入が必ず必要になるということはなく、解決が出来なかった場合に利用するという流れになります。

1.即日解雇による解雇予告手当を内容証明で請求

解雇予告手当を請求するにも、まずは裁判などによらない方法を選びます。裁判となれば時間がかかるうえに自分も面倒なことが増えてしまいます。そのため、まずは直接会社に支払いに応じてもらえるよう働きかけます。
そのための方法として、内容証明を利用します。内容証明を使った請求をしておけば、その内容や送付したという事実を証拠として残すことが可能になります。ただの手紙のような形式で会社に送ってしまうと、あとからそのような書類は来ていないとしらを切られる可能性があるため、内容証明によってこれを防ぎます。

2.労働審判で請求

内容証明による解雇予告手当の請求に会社が応じなかった場合、次に取るべき方法は労働審判による請求です。ここからは強制力を持って手当を受け取れるように手続きを進めていくことになります。しかしその分厳格な手続きを踏む必要が出てきます。
解雇予告手当を請求する場合だけでなく、不当な解雇であることを訴えかけるにも利用できます。しかし手続きに間違いがないよう弁護士に相談するようにしましょう。

3.裁判で請求

労働審判によっても問題解決ができなければいよいよ裁判となります。労働者の求める結果はこれまでと変わらず解雇予告手当の請求、または不当な解雇であることの主張です。しかし労働審判などよりも手続きとしては複雑になり、解決までの時間も要してしまいます。

即日解雇を言い渡されたときの注意点

それでは、これまでの内容も踏まえ、実際に即日解雇を言い渡されてしまったときの注意事項をまとめていきます。

解雇予告手当の基本的な内容に関する注意事項や、請求のためにしておきたいことがいくつかあるので覚えておくとよいでしょう。

解雇通知書は必ず保管すること

解雇通知書とは、会社が雇用契約を解除することを通知するための文書です。単に解雇したいという意思を通知しているにすぎません。そのため、解雇通知書が届いたからといって必ず解雇が決まってしまっているわけではないことを覚えておきましょう。
また、解雇通知書はのちに様々なことに対する証拠書類として利用できる可能性があります。そのため、必ず保管するようにし、口頭で言い渡された場合でも必ず解雇通知書を発行してもらえるようにしましょう。

即日解雇の通知後解雇理由証明書も証拠のため要求する

解雇理由証明書は解雇通知書と同じく手当の支払いをうけるための証拠書類としてとても有効的な書類です。解雇をする旨を伝えるだけの通知書と比べて、こちらはその理由が記されています。解雇に関わる、その理由は重要で、その内容によっては解雇予告手当や解雇そのものの効果が無くなることもあるのです。

即日解雇ならその日が手当の支払日

解雇予告手当が受け取れるかどうかがもっとも重要なポイントになりますが、この手当の意味を考えれば支払日についても守られる必要があります。突然の解雇によって給料がなくなり、転職等の準備ができないと困るためこの制度が設けられているのです。そのため、支払いを確約されたとしても支払日が法定された支払日でなければあまり意味がないかもしれません。
そのため、解雇通知書が届いた場合には支払日についても一応聞いておくと良いでしょう。前日までの解雇通知書などによらず、その場で即日解雇が決まった場合、その日を支払日として支払われることになります。
支払日が解雇の日でなければ違法であるとして訴えかけてみましょう。その違法性を労働基準監督署に報告するとの旨を伝えるのも効果が期待できるかもしれません。

即日解雇の理由に自分の違法性がないこと

上記のように、解雇の理由が労働者の違法な行為であれば手当の支払日などを要求するまでもなく受給資格がありません。また注意したいのは会社側が解雇通知書とは別に、解雇理由証明書において嘘の内容を書いている可能性もあるかもしれません。労働者に違法性が認められるような書き方をされていると受け取ることができなくなるかもしれません。

もちろんこのような行為は違法です。しかしこの違法なやり方に対して、戦うための証拠を持っておくことが望ましいです。専門的な知識が必要になることも考えられるため、労働基準監督署または弁護士などに知見を求めてみましょう。

即日解雇・解雇予告手当のまとめ

それでは、ここまでで紹介してきた即日解雇および解雇予告手当についてまとめていきます。

まず、即日解雇とは、言い渡しを受けるその日限りで解雇となる場合のことを言います。それ自体が違法というわけでもありません。
そして解雇予告手当とは、法定の日数に満たない期間において解雇予告をした場合に、労働者保護の観点から会社が支払うべき手当のことです。

解雇予告手当は即日解雇にだけ関係するものではありません。30日以内に予告された場合に日数に応じた平均の給料を支払うというものです。そのため、10日後に解雇するとの通知を受ければ20日分の手当、即日解雇なら30日分の平均給料が受け取れることになります。

本来即日解雇の話はこれで終了ですが、問題は会社がこの手当を支払わないケースがあるということです。違法に支払わない場合には労働基準監督署などに相談するといった対応の仕方があります。この場合解雇理由証明書などを持っておくことが大切です。

手当については支払いを受けられそうであっても、支払日が問題になることも考えられます。解雇予告手当の支払日は解雇の日ということでした。即日解雇であれば、その日は解雇の日でもあり手当の支払日でもあるということになります。支払日についても争いがある場合でも解雇理由証明書等は持っておくようにします。

以上が、即日解雇および解雇予告手当を受け取るために知っておきたい内容です。大きな問題が起こりそうであればできるだけ早く弁護士等の専門家の力を借りるとよいでしょう。